見出し画像

留学を経て

留学から帰ってきてからずっと、書いたり消したりを繰り返していた留学後記。もう一生公開できないんじゃないかと思ったけど、留学を振り返る機会が急に増えた今、勢いでこっそり出しちゃえの気持ち。

・・・

留学中、思い出深い出来事はたくさんあって、自分の中で変化したことはいくつかあるのだろうけれど、厳選するなら2つ。


1つは、自分に自信が持てるようになった。

私は留学先を選ぶ際、英語圏に絞っていた。自分の英語力を試すというよりは、英語ができて当たり前な場での自分の能力を試してみたかったから。

中学時代を過ごしたアメリカでの、暗くて消してしまいたいような苦い思い出がずっとずっと私の中に引っかかっていて、それからは自分の英語力、そしてそれを使って私が発揮できる能力に自信が持てなかった。高校・大学と「私なんて」な日々を過ごしていた。

アメリカでの自分を見返したい一心で、英語圏で、しかも意識の高い人が世界各国から集まりそうなところを留学先に選んだ。

授業や、立候補して入った寮の委員会、バイト先のレストラン、さまざまな出会いの場に出向く中で、とんでもなく頭のいい人や、人を惹きつける言葉を紡ぎ出すのが上手な人、仕事がとにかくできる人、どこまでも思慮深く器の大きい人…尊敬できる人にたくさん出会った。いろんな側面で、私はまだまだだと思わされた。

だけどそれより大きかったのは、英語が飛び交い、そんなすごい人たちがいる中で、自分の役割を果たせたり、必要としてもらえることがあるのだという気づき。私にも強みはあって、英語をベースとしているところでもそれを発揮する場面はあるのだということ。自分の能力を驕るとかそういうのじゃなく、ずっと自分を卑下していた私にとってはいい意味で、ほんの少し自分に自信を持てるようになった。

帰国してから、私から自信を感じるようになったと高校の恩師に言われたり、留学前の私を知らない初対面の人から「堂々としている」と評価してもらえるようになった。留学前の私には似ても似つかないお言葉。

謙虚でいることは大事。だけど、自分にある一定の自信を持っていないとできないこともある。意見を発言することだったり、なにか大きな挑戦をしてみるだったり。自分に自信があるからこそ得られる成長のチャンスがあることを最近学びつつある。

だから、「私はこれができる」の自信と「私はまだまだ」の気持ちをバランスよく保てる人になるというのが、留学を経て、今の私が目指しているところ。

留学が私にもたらした変化2つ目は、人間関係のあり方。人間関係に関してものすごく受け身だった私が、人に自分から連絡を取ったり、話しかけたりすることへの抵抗が減った。

要因は2つあると思っていて。

1つは、私にとって、そもそも日本語よりも英語の方が話しやすいことだったと思う。

あれこれ言う前に結論を言わなくちゃいけないという英語の性質が、人に話しかけやすくさせていた。話したい主題さえ分かれば、えいやって勢いでなんでも口にできちゃう。

もちろん、ここ数年で私の英語力が上がったからこそのことではあるのだけど、これは面白い新発見だった。日本に帰ってきて日本語を使う場面に戻ると、やっぱり言葉を口にすることに尻込みしちゃったりするけど、英語漬けだった1年を経て、なんとなくハードルは下がった気がする。だけど日本でも勢いが必要な場面では、頭の中を英語にしちゃおうかとか思ったりしているところ。

2つ目は、留学中のある期間、人にたくさん話しかけるということを経験したこと。もともと内向的であることにコンプレックスを持っていたということと、とても気さくに話しかけてくれるオーストラリアの人たちに触発されて、留学開始当初、私は外向的になろうとしていたのだ。

私のことをよく知っている人が聞いたら腰を抜かすと思うけど、「あなたのmbti 、Eから始まるでしょ」って言われることがオーストラリアでは多々あった。今自分で振り返ってもびっくり。そのくらい留学当初の私は、いろんなイベントに顔を出して、いろんな人に出会って、一緒にお出かけして、ってしていた。

もちろん、根っからのI、内向的な私は、人と会ってばっかりの日々にすぐに疲れ果ててしまったのだけど、この偽外向的だった期間に学んだことはあって。

それは、私が遊びに誘ったり、お話ししたいと言うと、大抵の人は喜んでくれるということ。今思えばそりゃそうなんだけど。自分に興味を持ってもらえることって誰でも嬉しいよなって。だけど、あの時の私からしたら世紀の大発見だった。

ある時に、無理に外向的にならなくていいんだって思えるようになってから落ち着きはしたんだけど、今でも、心に負担をかけすぎない程度に人をお誘いすることは続けられている。

日本の大学に戻ってきてから、1週間に1、2人くらい、これまでよく知らなかったけど仲良くなりたいと密かに思っていた人に声をかけてお話しするという機会を設けられている。この頻度で、しかも一対一であれば、超内向的な私でも無理なく素敵な人とたくさん出会っていける。

この気づきはほんとに大事な発見。出会う人が増えて、私が人から学ぶことの量が格段に増えた。


・・・

この2つ以外にも留学を通して私が変わったところはあるのだろうけど、この2つだけまとめられただけでスッキリ。留学中はこんな時間の使い方でいいのだろうかって悶々と悩むことも多かったけれど、留学から帰って半年経った今振り返れば、ほんとにほんとにいい1年だった。この1年で学んだこと、変わったことを糧にこれから生きていけそうな予感。


最近、オーストラリアでの写真を見返す時間が増えていて、友達とか、友達にあげた自転車とか、その自転車で見て回ったキャンベラの景色とか、キャンベラを出て初めての一人旅で見た朝日が恋しくて恋しくてたまらない。


私の人生に、振り返って恋しくなるような時間が増えて幸せな限りだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?