見出し画像

救われたのは、わたしのほうだった

やっぱりわたしは月に1回しかnoteを更新できないらしい。
書きたいことはたくさんあるはずなのにうまく言葉にできなくて、でもこれはきちんと残しておきたいので書きます。

前職時代の後輩が、今日最終出勤日を迎えた。
まだまだ2年目になりたてのペーペーだったわたしがOJTを担当した、1番思い入れのある後輩。

わたしが勝手に辞めた後も、彼女とは1ヶ月に1回ずっと面談を続けてきた。
オンラインとか、東京のカフェとか、ディズニーシーのアトラクションに並びながらとか(笑)

最終出勤日が日曜日だと知ってすぐにカレンダーに予定を書き入れて、
別の後輩と連絡を取りながら、
2時間ちょっと電車に揺られて会いに行った。

2年間住んでいたあの街は、
何にも変わっていなくて、少し変わっていた。

海鮮丼が美味しいお店は13時を過ぎても行列だったり、
廃業してかなり時間が経った旅館が取り壊されていたり、
メインの商店街はぜんぶシャッターが下りていたり、
通勤路に新しいテナントができていたり。

改めて来ても、特に何もすることがないんだよなあ、
なんて思いながらご飯を食べて喫茶店で本を読んで、
約半年ぶりに職場を訪れた。

職場もまた、
何にも変わっていなくて、少し変わっていた。

入り口にシフト表やお知らせがびっしり貼り出されていたり、
バックヤードが綺麗に整理整頓されていたり、
パートのおばちゃんがパンと飲み物を持たせてくれたり、
ロッカーや靴箱が新しいものに変わっていたり、
当時10人いたはずの同期が4人になっていたり。

最終出勤日を迎える彼女にはサプライズで会いに行ったのに職場に足を踏み入れた瞬間に会ってしまって、
花束を渡す瞬間に驚かせたかったのにそういうものだよな、なんて思ったりして。

わたしはもうあの時間軸には組み込まれていないことに少し寂しさを感じながら、
でもゲストに配られるリーフレットやホームページにはまだまだわたしがいることに安心感を覚えながら、
彼女もまた少し経ったら同じように感じるのかもしれないな、と思った。

当時足繁く通った思い出の喫茶店で美味しいサンデーを食べながら、最近の出来事や今思っていること、これからのことなどをたくさん話した。

自分のやりたいことはなにか、
なにを大事に生きて行くのか、
どんな瞬間が幸せなのか、
たくさん悩んでもがいて話してきた1年間。

「こうしたらいいよ」を伝えたことは1回もなくて、
ただ話を聴いて、ただ彼女が決めたことを応援してきた。

晴れ晴れとした表情の彼女は最後に、

「わたしはあの時、あゆみさんから【正解は自分でつくっていく】って言われたことが、とても刺さったんです」

と教えてくれた。

今のまま残るか、異動するか、転職するか、
悩んでいた彼女にかけた言葉だった。

「正解の道なんてきっとないよ。
自分で決めて進んで行った道を正解にしていくほうが、大事だし楽しいと思っているよ。だから最後は自分で決めていいんだよ」
というようなことを、確か伝えたんだと思う。

「だからきっと、転職先も楽しいだけじゃなくて、苦手な人はいるだろうし、嫌なこともあるだろうけど、正解にしていけるように頑張りますね!」

そう言って笑う彼女を見て、
色々な思いが込み上げてきた。

わたしにないものをたくさん持っていて、
尊敬するところがたくさんある彼女に、
救われたのはわたしの方だった。

正解は自分でつくっていくんだって
そうやって格好つけて背中を見せることで
わたしはここまで頑張って来れたのだ。

「彼女の最後を見送るため」
なんて理由で遊びに行ったけれど、
新型ウイルスの影響で世間が自粛モードになり、
約半年続いたランナーズハイから解放されて
何者でもないわたしはあの頃慕ってくれていたみんなに会いたかった。
ただ、わたしが、会いたかったのだ。

新型ウイルスが弱らせているのは、
ひとびとの健康や経済だけじゃない。
さあ、どうする?のその先を思いつけず、行動できないことに、わたしは小さなストレスが溜まってきていた。
まわりに行動力があるひとが多いからこそ、自分の無力さをいやというほど痛感していたのだ。

正解をつくるために、格好つけるために、
がむしゃらだったわたしに、今のわたしは負けている。
健康な社会だったから動けただけだったのかもしれないと気づいて、ただただ悔しい。

そんな自分にむしゃくしゃしてるタイミングで、
会えてよかった。話せてよかった。
背中を押してくれてありがとう。そんなつもり、さらさらなかったかもしれないけど。

こういう時に限って、
ほかのコミュニティの後輩からも連絡がくる。
そしてまたきっと、救われるのはわたしのほうなのだ。

ありがとう。
出会えてよかった。
また明日から頑張ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?