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命の営み③ 樹液

いつもいてくれた。

肌質はガサっとしていて、
そこに、小さな蟻や
見たこともない白い小さな虫や
緑色の苔がくっついていて、

一年中、
私が信号待ちの間、
影を作って一緒に青になるのを
まっててくれた、木。

たまに、幹に触れては、
ボロリと剥がれてしまって、

わ!ごめん!

と、心の中でつぶやいていて、


今の仕事を始めて6年、
毎日毎日
毎日毎日
私に影を作って
一緒に信号待ちしてくれた、木。

会社で嫌なことがあったりしたら
帰り道で、
目を合わせていて、

まだ娘たちが小さな頃
子供連れで出勤した時は、
『この木さんはね...』
と、紹介して、

真夏は、私ではない、
別の人に影を作ってあげていることも
しばしばあったりして、

大好きだった木。


先週、切られていました。涙

赤白の無機質なコーンがより物悲しく見せる


街路樹が撤去される前は、
大概、張り紙がされます。


整理の為、○月○日に撤去します
長い間愛でて頂きありがとうございました

そうしてくれれば、
まだ、心の準備ができたものを、、

今回はそれもなく
いきなり。
すごくすごくショックでした。


自転車を停め、
切られた木に近づき、
しばし唖然。
(早く会社行こ)

近づいてよく見てみると
切り口から
ドロっと、
ジュルっと、
樹液が流れ落ちていました。


『泣いているみたい』

、、と思いきや、


なんか、、


生きよう!
ってしてるように、感じました。


とろとろ、ドロリ



朝の陽の光を浴びて
テラテラと光る樹液。


思わず、指で、
ツーッと触ってみたくなりましたが、
いけませんね、
樹液は、かぶれることがありますから。


そして
ぐるりと、木を一周して
幹に近づき、
しゃがみ込んでみると、


目の前に、
小さな芽が🌱出ていました。


new born!!!


内心、号泣。

同時に、この、
生きようとする執念に
とても心を打たれました。

しかも、無意識的に。

ただただ、生きるために
樹液を出し、
そして芽を出し、
再生しようとしています。


大好きな木だったから、
この、芽を抜いて持っていこうか
真剣に悩みました。

でも、
若い芽は、抜いたらすぐ、
水に挿さないといけないし、
泣く泣く出勤、しました。

心の中のBGMは
小学校時代に合唱隊として
コンクールで歌った
『千年の樹』です。


*  *

帰り道、
西陽に照らされた、木さん、、、

を、横目に、


猛スピードで帰宅しました。
(兼業主婦のピークタイム)
(それでもBGMは千年の樹)
(Spotifyになかった)


子供たちに、
そのことを伝えると、
口々に


『ええ?!もう!怒』

『またそうやって、
勝手に切っちゃうよね!!!』
(いや、勝手に、ってのも..)


と。

いや、これでは
切った人が悪いみたいになる。
(市か、区の判断ですし)


ですから、


きっと様々理由があっての事だろう。

日々、剪定をしたりして
市の職員さんが
街路樹の手入れ、管理を
してくれているのは、
見てるし、知ってるよね?

街に木を植えて
それを管理して、
そうやってくれてる人だってきっと
切るのか、寂しいな、
って思っているよ。


と、話して、
ちょっと、またググりながらでしたが
街路樹のことについて
市や県がどんな風に管理しているか
調べたり、してみました。
(内容は割愛)



子供たちはそれぞれ、
お散歩などで、
お気に入りの木や花、あるんです。

また、これまでにも
そのお気に入りの木が、
区画整理や、理由不明により
切られ、撤去される経験をしています。

私もこれで3本目なんです。
もっと、太くって大きなお気に入りが
切られてしまったこともあるんです。


人間の都合で!

とかなんとか、
いちいち擬人化する癖のある
娘たちは、その都度
怒ったり、
悲しんだり、してきました。
(擬人化しがちは私の影響)


娘たちはそれぞれ
小学校4年生と
中学校1年生になり、

今回は、私の大好きな木の一つが
サヨナラを迎え、
初めてこんなにも"街路樹"について
大真面目に調べたりしたので
大きくなったわね...と
しみじみ。


今日、やっと
娘たちと、木に会いに行きました。



樹液は固まっていて、
新しい芽は少し伸びていました。


*  * 


我が家の観葉植物の一つに
ウンベラータがあります。

季節外れですが
9月頭に剪定しました。

丸裸にしたけれど
1ヶ月で、
ほら、小さな芽。
葉も増えて、
小さくとも凛々しい茎も見えます。

葉っぱ1枚残しからの再生。小さな茎も凛々しく。


切った小枝たちは水挿し。
一番元気な子はもう2枚も葉っぱ。
3枚目が産まれようとしてます。


ウンベラータの樹液は
白濁色ではなく、真っ白。
ネバネバで、糸を引くような
ゴムの木感溢れる樹液。

樹液って、
じゅわぁっと滲み出て、
血液みたいにポタっとたれて
剪定をしたらティッシュで
しばらく抑えると
止血、、、ならぬ、止樹液?できます。

私、この樹液というものが、
昔から結構、
気になるんですよね。

注目してしまう、
出ると、いつも。

祖父が盆栽をしていたので
樹液についてよく
話を聞いていました。

樹液って、
糖として使えるようなもの、
漆や薬、琥珀、
ゴムとして、塗料としてなど、
色々と人は、工夫を凝らして
活用しています。


私は今日、
子供たちに樹液の話をしました。

ちょうど、あの木のこともあったし
さらっとですが用途を話しました。

"ママがそこまで樹液に魅せられる
その理由はよくわからない"
と、長女には笑われましたが、

いつだって自然は、
自分たちと一緒。
その存在に癒され、
生活に活かされ、
恩恵をたくさん受けていること。

そんな話につながって、
今日はまた、
("ママの変な着眼点"
というシリーズになりつつあるのは
置いておいて、、)
娘たちと、命について
談笑することができました。

あの木に、感謝です。


*  *



樹液。
気になりませんか?

実はあんまり(いや全然)
共感されたことはないです。

初めてここで
樹液に魅せられていること、
公にしました。

樹液の質感、
出てくる様子は
人間が出す、
血液や涙などの体液に
何か通じるものを感じます。

草むしりしたとき、
お野菜を切ったとき、
お花を摘んだとき、
木の剪定をしたとき。

切り口をちょっと見てみてください。
樹液を、意識する、
生きようとしてるって考えてみる、
私の今日の記事が、
そのきっかけになると嬉しいです。

そこには命が、あります。

生きるための営みがあります。



今日も、最後まで読んでいただき、
ありがとうございました♡

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