恋の始まり

私が送ったメッセージに対して彼はとても丁寧な言葉で返してきた。
忘れもしない、私が返事を返したのは1月3日だった。

「あなたは今年になって初めてできた友人です。」
メッセージを返したことに彼は喜んでいた。

立て続けに届くメッセージに距離感が近い感じがしたので、SNSでの出会いには危険が多く警戒していることをそのまま伝えた。

「理解しています。私は誠実な人間です、恐れないでください。少しずつ知っていってください。」

「今、日本語を勉強しています。しかしまだ不完全なため翻訳機能を使うことが多いです。私の日本語を笑わないでください。笑」

彼は生地会社の経営者でスーツのカスタム生地や韓服の生地の生産や研究をしていること、日本で着物の生地を作るために日本支社を開設すること、とても裕福な家庭で育った生い立ち、3年前に離婚して子供がいないこと、36歳であること、旅行と読書がすきなこと、背が高いこと。

彼は完璧な条件を兼ね備えていた。

そんな人が見ず知らずの私に好意を持つなど、冷静に考えたらわかるはずなのに私は既に何も見えなくなっていた。
私のアイコン写真は後ろ姿なのに、まだ顔さえ見たことのない時点で彼が私に好意的だったことに違和感を感じることも忘れていた。

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