致死量の揚げ物を食べたい
生理が「女の子の日」とかいう可愛らしい隠語で呼ばれていることにさえ腹が立つ、そんな夜だ
友達との約束があったので久しぶりにマック以外で外食をした
お寿司と焼肉の食べ放題ができるお店とのことだったので、胃袋が人より小さめのわたしはしっかり朝食を抜いて参戦した
日本食レストランとは名ばかりで従業員はほとんど全員中国人だった
「こちらセセリでございまーす」みたいに、商品の説明をしながら料理が提供されるわけではなく、早歩きで現れた中国人が無言でお肉やお寿司が乗ったお皿を投げるように置いていくのでおもしろかった
日本ではなかなか体験することのできないサービスだと思った
お刺身のメニューに「スパイシーマグロ」みたいなのが何個かあって、友達が「刺身をナメるなよ!」とキレていた
朝食を抜いたおかげか、大食いとまではいかなくても、わたしにしてはたくさん食べることができた
注文しすぎた友達の残した分も食べる余裕さえあった
やはり朝食を抜いて良かったと思った
スイーツは別腹ということを胃袋に知らしめるべく、お肉とお寿司をたらふく食べた状態でジェラート屋さんに向かった
小雨の中みんなで食べるジェラートは特別美味しかった
ダウンタウンにある市内で一番大きな市民図書館に行き、みんなでパズルをやった
前に1人でそこを訪れた時、ボードゲームやパズルで遊ぶ人を見て誰かとやりたくなったからだった
将来もし結婚とかするんだったら、雨の日に図書館で500ピースのパズルをやってくれる人がいい
時間がなかったので完成はさせられなかったけど、また友達を引き連れてリベンジしに行きたい
最近は同じ交通手段を使って帰宅するのに飽きてきて、普段使わない気持ち遠回りめの手段で帰宅するのにハマっている
疲れていない日限定で
例によって今日もその新ルートで帰宅したわけだが、どういうわけか気がついたら終点まで乗ってしまっていた
慣れない帰り道なので携帯をいじりながらも駅の名前は確認していたし、居眠りをしていたわけでもない
めちゃくちゃ普通に、ただぼーっとしていて、乗り過ごした
長距離移動は嫌いではないし、シャッフルで聴いているこの音楽をもっとたくさん聴けるのかと思うと少しワクワクした
正規ルートに戻るべく来た道を引き返していると、わたしが乗り過ごした駅が一つや二つでないことがわかって、少し驚いた
家に帰るのに2倍の時間がかかったけど、もしかしたら何か意味があったことなのかもしれない 何かがわたしを守ってくれたのかもしれないと、今これを書きながら思っている
意味のなさそうなことに意味を付与してくれるから、人は何かを信じたり、信じなかったりするのだろう
わたしもたった今、意味のない電車の乗り過ごしに無理やり意味を持たせた
そうすることで自分の小さな過ちを正当化し、どこか安心できるからだ
家を出る前にお家の人に言われたたった一言が今日はやけに気に掛かる
その言葉を口にした本人の意思なんかとは関係なく、わたしの脳にこべりついて、どうにも離れないのだ
忘れないよう、離さないようにしている自分もいるのかもしれない
楽しく充実した1日を過ごしても、何か足りない気分
自分だけ遅れをとっているみたいで
何をしたいのか、何をするべきなのか、どうやったらいいのか
肩の力を抜いていいんだと言ってくれたあの人を思い出す
毎月くる生理なのに、心が全然慣れてくれない
わたしはきまって不機嫌になるし、泣きっぽくなるし、神経質になる
その上こいつはわたしを太らせる
とは言いつつも、あしたは絶対にコストコのポテトを買って家に帰ろうと決めている
これでもかというくらいの揚げ物を食べたくさせる、生理とはそんなやつなのだ
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