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沢木耕太郎さんの「天路の旅人」を読みました

前回の投稿で、沢木耕太郎さんの「天路の旅人」を読んでいると書きました。
先週読み終えてすぐに感想を書きたいところでしたが、
久しぶりに長編作品に触れたことで、もっと読者したい欲が出てきて、数冊続けて読んでいました。

普段はワーキングマザーで、基本的に子どもと一緒に起床して、子どもと一緒に就寝する生活なので、自分でもいつ読んでいるんだろう?と不思議な気持ちです。
2,3日に1回は夜更かししますが、その時は寝かしつけからギリギリ生還して、オンライン英会話をやって、すぐ布団に戻る状況なので、読書時間といえば、布団に入ってから寝付くまでの時間や、職場の昼休み、朝子ども達が寝坊して1人で朝食を食べてる一瞬、夜自分のヘアドライヤーをかけてるタイミング等、細切れ時間です。
その為、私にとって読むのが難しい作品(複雑な内容、登場人物が多い)はあまり読んでいません。
スキマ時間に数ページ読んでも、頭に入ってきて、読むのが心地よい作品ばかりです。

ここから先、内容に触れます。

今回読んだ「天路の旅人」はなかなかの長さで、登場人物が多く、また蒙古、チベット、インド、ネパールといった自分には馴染みのない地域の話ばかりだったので、読み始めは大変苦戦しました。
とはいっても、さすが沢木耕太郎さんの文章なので、自然と引き込まれて自分も一緒に駱駝に乗って砂漠を歩いたり、巡礼しているような気持ちになったりしました。

この本の主役である、西川一二さんは戦時中に南満州鉄道で働き、興亜義塾という中国奥地で日本のために挺身する若者を育てる学校へ行き、その後密偵として蒙古からの長い旅に出ます。

密偵ということで、さも命懸けな生活だったのかと思って読み進めていましたが、確かに生死に関わるような過酷な旅路、匪賊への不安等はあったにしても、それ以上に雄大な自然を全身で味わい、人間の本来の生き様を見せ、一歩一歩着実に進む西川さんの姿が想像できました。

普段、目の前のことに精一杯で、日々をベルトコンベアーのように、流すように過ごすことが日常になっている私にとって、西川さんの一挙一動が心に沁み、あたたかくしてくれました。

生きることは、ご飯を食べること、寝ること、人と出会うこと、別れること、その繰り返しだと感じました。

とても良い本に出会えて、充実した読書時間でした。
また、今後も少しでも読書することで、心にゆとりを持ち、日々を大切に、穏やかに心地よく過ごしていきたいです。

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