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一生もののノート術。ライダー・キャロル著『バレットジャーナル』で学んだこと

長かった。8日かけて、ようやく読み終えた。ライダー・キャロル氏の『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』。

この本は、SNSのハッシュタグでもお馴染みの“バレットジャーナル”という手帳術について書かれた1冊。ライダー・キャロル氏はバレットジャーナルの生みの親で、本書が唯一の公式本なのだそう。

ひとことで感想を言うと、一生もののノート術だな、と思ったということ。

SNSで見かけるキラキラ系の手帳術ではなく、とにかくロジカルで効率性を求めた内容だった。なんでもADD(注意欠陥障害)を持っているキャロル氏が、「今、ここ」に集中するために山ほどの失敗を重ねて、試行錯誤の末に生まれたのがバレットジャーナルだったそうだ。

バレットジャーナルは頭の中を整理するツール

バレットジャーナルとは、を簡単に説明すると、頭の中(思考)を整理するためのツール。

なんといっても魅力なのが、スケジュールや備忘録、TODOリストなど、ありとあらゆるものを1冊のノートにまとめておけるメソッドということ。あれやこれや書き込んでも、どこに、何が書かれているのかを一目で分かる仕組みになっている。

今回は、その主な仕組みである「インデックス」と「コレクション」というメソッドについて紹介したい。

「コレクション」「インデックス」とは

「コレクション」は関連のある内容をひとつにまとめたページのことで、基本のテンプレートにあるのがマンスリーログやデイリーログなど。デイリーログはいわゆる“ほぼ日”とか、1日1ページタイプのスケジュール帳みたいな感じだと思いえばいいはず。

このコレクションは自分の興味のあるもので作ってもいい。たとえば「読んだ本」とか「旅の計画」なんかもひとつのコレクションにできる。

そしてひとつのノートに色んなコレクションがあっても、すぐに目当てのページを探せるようにするメソッドが、「インデックス」。

インデックスはいわゆる目次のようなもので、最初のページに作っておく。デイリーログ以外のコレクションには書き込むときに数字を打ち、インデックスにコレクション名とページ数を書き込んでおく、というわけだ。

まだこのコレクションについて書きたいのに、余白がもうない(次のページは他のコレクションになってる)という場合も、やはりインデックスの出番。飛んだ先のページを、インデックスに追加で書き込んでおけばいい。

ボリュームの出そうなコレクションは内容やらタスクやらを細分化して(階層を分けて)「サブコレクション」を作るという方法もあるし、ページが飛び飛びになってもすぐに読みたいページをめくれる「スレッド処理」なんてメソッドもある(正直、ここらへんはまだよく理解しきれていないので割愛する…)。

すべてのノートで使える「ラピッドロギング」

他にも色々なメソッドがあるのだけど、あともうひとつ。バレットジャーナル・メソッドのコアともいえる「ラピッドロギング」について。

これはバレットジャーナルへの書き込み方のことなのだけど、簡単にいうと箇条書きの先頭につける記号によって、内容をぱっと見やすく分類する方法のこと。

そもそもバレットジャーナルの“バレット”とは、箇条書きの前に打つドット「・」を意味しているそうで、ノートに何かを書き込む際は文章にせず、一目で客観的に物事を把握できる箇条書きを基本としている。

ラピッドロギングの主な記号を紹介すると、

「・」タスク
「○」イベント
「*」重要(どの記号の前にもつけられる)
「ー」メモ
「×」完了したタスク

などがある。例えばデイリーログにラピッドロギングで書き込むとすると、

=============
A月B日(C曜日)

・ごみを出す
○ダイエットの目標達成!、Dちゃんの誕生日etc.
*・確定申告終わらせる(とても重要なタスクということ)
ーいい天気、気になるカフェを発見した
×Eさんに電話

=============

となる。ラピッドロギングは、今使っているスケジュール帳でもすぐに活用できるメソッドだ。

バレットジャーナルは自分のために使いこなす

本書はさまざまなメソッドを教えてくれるのだけど、キレイに書くこと、ノートを作り込むことが目的じゃないって口を酸っぱく言ってくれるところにも、好感が持てた。

バレットジャーナル・メソッドは、あなたの自己発見の旅のお供となる。バレットジャーナルとともに旅を続けていれば「人生は自力で変えられる」ことがしだいにわかってくるだろう。「自分には限界がある」などと思わなければ、自分のなかに眠っていた才能が開花する。勇気をだして内面を見つめるからこそ、自分の経験に責任をもてるようになる。(p.395)

バレットジャーナルは人生をよりよくするためのツールであり、頭の中を整理するために使うもの。たとえばノートをきれいに書くこと・作り込むこと自体が目的になっては、本来のバレットジャーナルの力を発揮できないのだ。

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うまくまとめようとしたら、とてもお堅い書き方になってしまった…。とにかく、読んでよかったと思える1冊だった。

書くことが好き、もしくは書くことで生活や仕事を整えたい人におすすめです。


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