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しんどい日のやり過ごし方
人生は山あり谷あり。どうっしても、しんどい日はやってくる。
何があったわけでもなく、気圧や自律神経やホルモンバランスに左右される日もある、だって人間だもの。
こればかりはゼロにできないし、「仕方がない」と受け入れるしかない。やつらは必ずやってくる。
しかし、これだけは覚えておいて損はない。しんどい日は避けられなくても、その過ごし方を「自分で選ぶことはできる」のだ。
しんどい日は必ずやってくる
この素敵な考え方は、ある1冊の本から教えてもらった。
イギリス在住の女性が綴ったエッセイ集で、“人生の冬”をただ見つめ、気づき、雪どけを待つ文章たちがまとめられている。
人は誰でも一度や二度、人によっては何度もくり返し、人生の冬を経験する。
それは寒く厳しい季節だ。世界から切り離され、拒絶され、脇に追いやられ、前に進むことを邪魔され、部外者の役を割り当てられる人生の休閑期だ。
(中略)原因はどうであれ、人生の冬は孤独と深い痛みをともなって、断りもなくやってくる。
『冬を越えて』(キャサリン・メイ, 石崎比呂美 訳/K&Bパブリッシャーズ)という1冊だ。
原題は「Wintering」で“冬ごもり”という意味がある。
しんどい日は避けられなくても過ごし方は自分で選べる
この本は、雪どけを待たずとも、温もりのある冬を過ごせることを教えてくれる。
寒い冬、裸で過ごすかコートを着て過ごすかは自分次第、といえば分かりやすいだろうか。
冬は外の世界と距離をおき、家にこもっていることが許される季節。ゆっくり休息して、元気を取りもどすときだ。
やってくる冬をわざわざ丸裸で受け止めて、ガタガタ震えて過ごさなくてもいい。たくさん着込んで心地よく過ごす努力は、決して甘えではない。
しんどいの正体を見極めること
大切なのは「しんどい日がやってくること」ではなくて、「どう過ごすかは自分で決められる」ということだ。
そしてそのためには、しんどいの正体を知っておくことも必要である。何も知らずに準備はできないだろう。
いろんな「しんどい」があるので一概にはいえないが、専門家を訪ねるのもひとつの手だ。
例えば私の場合、それが当たり前のしんどさだと思っていたら「これは相当痛いでしょ」と医者に驚かれたことがある。
その言葉を受けて「ああ、無理せず休んでもいいのだ」と肩の荷が降りたことも覚えている。
冬はすばらしい季節にもなる。世界は控えめな美しさをまとい、舗道さえもが輝いて見える。冬は考えを深め、身体を休める時期であり、暮らしを整え、英気を養うための季節だ。
しんどい時は、ひとりで抱え込んで耐えるのではなく、備えて自分を大切にしてあげる日でありたい。
それができ、選べるのは他の誰でもない、自分だけなのだから。
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