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急速に拡大するメタバース市場:ファッション × メタバース①

McKinsey & Companyのレポートによると、メタバースの市場価値は2030年までに5兆ドル近くまで成長すると予測されており、すでに企業にとっては無視できない存在です。注目すべきは、79%のアクティブユーザーがメタバース内での購買行動を経験している点で、メタバースとEコマースの相性の良さは既に明らかとなっています。

特にファッション業界はメタバースへのシフトの最前線にいます。Technavioのレポートによると、メタバースにおけるファッションのマーケット規模は、2026年までに66億ドルまで拡大すると予測されています。すでにブロックチェーンゲーミングプラットフォームのChainGurdiansは、New York Fashion Weekへの参加の他、ARやVR技術を使った試着サービスの開発を進めていますし、Metamallのようなサイバースペース内の巨大ファッションモールが、ファッションブランドと手を組み顧客に新たなサービスや体験の提供を始めています。

現在、約32億人と言われる世界のゲームプレイヤー人口ですが、彼らはただゲームをプレイするためだけにバーチャル世界に来るのではなく、出会いや社交の場にもなっています。そして、そこで自分のアバターが纏うファッションは、自己表現の方法として現実世界と同様に重要視されており、メタバース初のスタイリストと言われるGemma Sheppardのような存在が注目されています。実際に、2021年のThe Business of Fashionによる調査では、米国のZ世代〜X世代のうち、約70%が自身のデジタルアイデンティティを重要だと考えてます。

しかし、ファッションブランドにとっての最大のチャンスは、新しいターゲット層にアプローチできることではないでしょうか。世界最大のスーパーマーケットチェーンWalmartも、より若い年齢層を獲得するため、今年9月にオンラインゲームプラットフォームの筆頭であるRobloxでWalmart Land とWalmart’s Universe of Playと呼ばれる2つのストアをオープンしました。ラグジュアリーブランドにおいても、顧客は商品の購入を決定する前に少なくとも一度はオンラインでのブランドとのインタラクションを経験しています。既存のブランド購買層よりも若い世代がハイブランドに触れる機会が生まれることで、将来的に彼らが現実世界でもそのブランドの商品を購入する可能性を高められると考えられており、ファッションブランドのメタバースへの進出はさらに活性化されると考えられます。


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