#09 収斂作用ってどう言う意味?
こんにちは。
薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。
日々の業務で感じたこと、気づき、疑問を綴っています。
突然ですが、収斂作用ってどう言う意味かご存知ですか?
タンナルビン®︎(タンニン酸アルブミン)という下痢止めがあるんですが、この薬の薬効分類は「収斂作用」という言葉で表されます。
収斂作用(しゅうれんさよう)とは、タンパク質を変性させることにより組織や血管を縮める作用である。
出典: フリー百科事典
『ウィキペディア(Wikipedia)』
いや、全然意味がわからん。
どうやってその収斂作用というやつから、下痢止めに発展するん?
こうやってずっと思っていました。
が、ようやく解決したので、ここでお伝えしようかと思います。
腸の粘膜が炎症を起こして過敏になると、下痢を起こしやすくなります。
タンナルビン®︎は、腸内のタンパク質と結合して腸の粘膜を覆うことで、腸の粘膜の炎症を鎮めて、粘膜が受ける刺激を減らす。
(この、タンパク質と結合して…というところが収斂作用なのか。)
なるほど、腸の粘膜を覆うことで刺激を減らす。
そして腸の働きを整えて、下痢の症状を改善するというわけらしい。
なるほどなぁ。
直接下痢を止めるんじゃないのね。
あーすっきり!
ちなみに、タンナルビン®︎にはカゼインが含まれているため、牛乳アレルギーの方は服用できませんのでご注意ください。
最後に、下痢の時にはいつでも下痢止めを飲んで良いわけではありません。
食中毒などの細菌やノロウイルスなどによる感染性の下痢の場合、下痢止めを服用してしまうと、細菌の排出がうまくいかなくて、むしろ長引くことがあるので下痢止めは使わないんです。
下痢の時は脱水症にならないように、水分補給を心がけくださいね♪
みなさんのヘルスリテラシーが少しでも向上するお手伝いができますように。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?