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#39 結核ってなんだっけ?

こんにちは。

薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。

日々の業務で感じたこと、気づき、疑問を綴っています。

前回は、「結核にはDOTSという方法で治療が完結するようにしているんだよ。」ということをお伝えしました。

そもそも、なぜそこまでやらなくてはいけないのでしょう?

結核ってそもそもなんだっけ?

今日はそんなことをお伝えしていきます。

結核は,初感染後にしばしば一定期間の潜伏期を経て発症する慢性進行性の感染症である。結核は肺を侵すことが最も多い。症状としては,湿性咳嗽,発熱,体重減少,倦怠感などがある。診断は喀痰の塗抹および培養によることが最も多いが,分子生物学に基づく迅速診断検査の利用も増えてきている。治療では複数の抗菌薬を少なくとも6カ月間投与する。 
  ーMSDマニュアル プロフェッショナル版ー

結核は、結核菌が原因となって、結核菌を含む飛沫核(めちゃくちゃちっちゃい粒子)を吸入することで感染します。(空気感染)

世界人口の4分の1が結核に感染していると言われていますが、ほとんどは発症せずに眠っている状態です。

眠っている状態の時には、感染力はありません。

しかし、免疫力が低下したときに、眠っていた結核菌が目を覚まし、活動し始めます。

免疫力が低下するときとは…
・高齢化
・糖尿病
・HIV感染症
・低栄養
・免疫抑制剤の使用など

活動的になった結核菌(発症した状態)が咳や痰などに含まれている(排菌している)と、周りの人に感染させる可能性がでてきます。

初期症状は結核に特異的なものはなく、咳や発熱、だるさ、痰、体重減少などですが、次第に血の混じった痰が出たり、呼吸が苦しくなったり…。

ほとんどは肺に症状が出ますが、結核菌がリンパにのって全身へ移動すると、肺以外の全身に症状が起こることがあります。

結核はその感染力と罹患した場合の重篤性から、第二類感染症に指定されていて、結核と診断されると医療機関は保健所へ届出をするよう義務付けられているんですよ。

以上、「結核ってなんだっけ?」でした。

次回は、「結核に使用する薬」についてお話しする予定です。

疑問や質問などお気軽にご相談ください。
あやこのお薬相談室

わからないことは全力で調べてお答えします。

みなさんのヘルスリテラシー向上のお手伝いが少しでもできますように。

参考:MSDマニュアルプロフェッショナル版
   レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室

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