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大アルカナで一番好きなのは

タロット78枚のうち、大アルカナは22枚。
ものすごく大雑把に言うと、生まれてから死ぬまでの私達の人生、その紆余曲折を、22枚で表現している。
山あり谷あり、波に揺蕩い、時に逆らい、進んでいく人生という名の旅を語る22枚のカードの中で、一番好きなのはどれですか?と、時々訊かれることがある。

おそらく、大多数の人が「紛うことなきポジティブ」を示すカードを選ぶのだろうと思う。女帝、星、太陽、世界…どれも明るい色彩で描かれた、初見から多幸感のあるカードたち。私も彼らがリーディングで出ると、ウキっとする。

でも、私が一番好きなのは、10番の運命の輪だ。

何かが動き出す。まるで描かれた輪が、くるくると回るように。あなたの思考、努力や忍耐の到底及ばない何かが作用し、その輪は回り始める。
伸るか反るかはあなたが決めること。あなたの人生の舵取りは、あなただけが許されているから。でも、今あなたの目の前に提示された「転機」は、たとえあなたが切望し、あらゆる手を尽くしても、手に入らない時は手に入らない…そういう種類のものだ。
もう一度言います。
やるかやらないかはあなた次第。
でも、忘れないで。その輪は、いつまでも回り続けてくれるわけではない事を。

このカードが出た時、私はいつも「やります」と宇宙に即答する。「与えられたものを無駄にはしません。必ず私の血肉となる経験にします。」という心持ちになる。

何かを手にしても、あるいは失っても、手にした事が勝利で、失った事が敗北というわけではない。経験しないこと、取りたかったアクションを実行に移さなさなかった、移せなかった事こそが敗北だ。

だったら負けないよ。その提案、のった。

それが私が、運命の輪を引いた時の、宇宙に示す心意気だ。
不安でも、何もわからなくても、ひとまず宇宙にYesと言ってみる。その先に、少しずつ見えてくるものはきっとある。大切なのは、判断基準となる情報がろくにない状況下にあってなお、チャレンジしてみたい、と感じている自分の直感や本心に対して、理屈ではなくハートでYesと言ってあげられるのかどうかなのだと思う。

宇宙からの伸るか反るか、という問いかけはきっとあなたの本気度を訊いているのだ。何の保証もないこの賭けに、それでもあなたは乗りますか?と。

さて、あなたの一番好きなカードは何ですか。そしてその理由は何ですか?
あなたの本当の声が、その理由を通して聞こえてくるかもしれません。

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