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eスポーツ記事を大量に無断転載していたとある個人メディアの話

先日、私の書いた記事が無断転載されているサイトを発見しました。表には出ない形で諸々の対処が行われたため、個人や企業をぼかした上で、一連の内容をnoteに残しておきます。

該当のサイトは、Aさん(仮名)が運営する個人メディアで、さまざまなeスポーツ関連記事のテキストと写真が丸ごとコピーされ、大量に掲載されていました。この中に何本か私の書いた取材記事があり、発覚に至りました。

記事の最後には、転載元URLが申し訳程度に貼ってありましたが、あたかもそのサイトのオリジナルコンテンツかのような見せ方をされており、この件を伝えた各メディア担当者の方々からは、一様に「かなり悪質なサイトですね」という反応が返ってきました。

サイト運営者のプロフィールを見ると、驚くべきことに「Web広告代理店勤務」と書かれており、立派な社会人であるだけでなく、メディアに関する知識がないとは思えない立場の人間でした。(※現在はプロフィールが書き換えられています)

これらを踏まえ、さまざまな企業・メディアの方々が対処のために動いてくださいました。こういう事例は珍しくないのかもしれませんが、このシーンのためにもと言って、丁寧に対応してくださった方々には大変感謝しています。

その後、複数のメディアからサーバー会社に削除依頼及び情報共有を行い、Aさんのサイトからは無断転載記事がすべて削除されました。

Aさんは今ごろ、無断転載していた記事をすべて消し、何もなかったことにして万事解決と思っているかもしれません。でも、実際には違います。Aさんが無断転載していた記事の掲載元であるメディア各社には、可能な限り連絡が入っています。

Aさんは、eスポーツを取り扱うメディアの大半から無断転載していました。書き換えられる前のプロフィールには、「執筆依頼お待ちしています」と書かれていましたが、残念ながらこれらのメディアがAさんに執筆依頼をすることはないでしょう。

Aさんの務めている会社に連絡がいく可能性もありました。今回そうはなりませんでしたが、Aさんがプレイしているゲームの運営元には今回の件が伝わっています。もしかしたら、プレイヤーとして表舞台で活躍するには支障が出るかもしれません。

メディアや書き手は、お金や時間や労力をかけて一つひとつの記事を作成しています。無断転載というのは、そのコンテンツをたった数クリックで自分のものかのように振る舞う行為で、決して許されるものではありません。

残念ながら、今回の件は氷山の一角である可能性が高いと思います。過去にも、”自称”eスポーツメディアによる無断転載が発覚した事例が、いくつかあると聞いています。

それでも今後、私は無断転載に対しては然るべき対処を行うつもりです。「eスポーツを盛り上げたい」という大義名分を掲げながら、無断転載するような人間がゼロになりますように。

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