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#6 夜職に染まるまでホスト編》

入店から約半年経った2017年の冬、少しずつお客様も出来てきてきました。なんとか普通の生活が送れるレベルの給料をもらうようになった僕に起きた事件というのが、先述したいじめが確信的なものになったことです。
元々あったいじめに近いようなものというのが、ミーティングで身に覚えの無い内容で注意を受けたりなどで悔しさはありましたが、言い返すこともせず受け入れていました。しかし、確認的になったいじめというのが爆弾行為の捏造でした。

そもそも爆弾行為とは他のキャストを指名している女の子と連絡を取ったり、店の外で秘密裏に会ったりする行為です。ホストクラブでは永久指名を導入しているお店がほとんどで、その永久指名を守るために、タブーとして共通認識があります。もちろん爆弾行為を行ったキャストに対しては罰金や強制退店などの厳しい罰則があります。
そのような罰則はもちろん夜の世界だからこそ通用するもので、一般の会社や組織で通用するものではありません。ですが、夜の世界には夜の世界のルールがあることを当時はなんとなくですが認識しており、下手に逃げたりしては今後の生活に関わると思っていました。

捏造の方法は僕と同い年のキャストDの申告によるもので、当時他店から移籍してきたキャストKを取り入れて、DとKの2人で証言をあげていました。具体的な捏造された内容というが、お店のオープン当初から一緒に働いてきたキャストIのお客様と僕が2人きりで会っているというものでそれをDとKが別の場所、別の時間で目撃して確証に至った、というものでした。

上記の通り、絶対的なタブーの爆弾行為を行ったということで執拗な尋問を受けました。もちろん僕は事実がないので知らないの一点張りです。ですが周りから見てそれが信用に至るものではなく、冷たく扱われたりもありました。ただ、僕の中で周りの外野にどう思われるかはどうでもよかったです。唯一避けたかったのは罰則のみです。
罰則を受けるというのは、僕をホスト業界に導いてくれたR社長からの信頼がゼロになるのとイコール。それだけはなんとしても避けないといけなかったのです。
尋問の際、僕はもちろん携帯を見せて潔白を主張しましたが、そんなもの消せばなんとでもなると言われDとKには一蹴されました。なにか無いかと必死に考え、DとKの尋問を録音しました。
その録音の中に、2人の目撃したという時間と場所がありました。たまたまその日、その時間に僕はかなり離れたコンビニで買い物をしておりそのレシートをたまたま持っていました。この矛盾はあえてその場では指摘せず、R社長と2人で話す場で提示したことで、なんとかR社長からは信用を得ることが出来て、無罪放免となりました。

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