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#音楽

変わらない自分と救われるpsykhē〜カネコアヤノ『タオルケットは穏やかな』

4枚目の境地1月25日にリリースされたカネコアヤノの新アルバム『タオルケットは穏やかな』はその題からイメージしていたぬくぬくとした空気感もあるが、全体を通してロックミュージックとしてのタフな強さが印象深い。そして演奏陣を固めてからの『祝祭』以降3作とはやや異なる雰囲気を纏う1作に思えた。 2018年からバンドでドラムを担当していたBob(HAPPY)がメンバーを離れ、本作では新たに2名のドラマー(照沼光星、Hikari Sakashita)を迎えたことでサウンド面は大きく変

日本のアイドルの歴史を年表でまとめ|1970年代〜2021年までの流れを徹底解説

日本の音楽を振り返るうえで「女性アイドル」は外せない。日本音楽シーンを席巻してきた「歌謡」とはまた違う。アイドルはアイドルだけのカルチャーを築いてきた。 以前の記事でもさらっと触れたが、私は数年前まで女性アイドル雑誌で書いていた。もともとまったく興味がなかったのだが、メジャーにもインディーにもインタビューをしていくうちに「あ、これはハマるな」と気持ちが分かった。 インタビューの現場はだいたいアイドル、マネージャー、カメラマン、私くらいだ。でも彼女たちはステージ上と同じなの

邦楽ロックの歴史|1950年から1990年までを一気にまとめてみた

歪んだギターをジャァーンと鳴らし、しゃがれた声で社会や大衆に向けたメッセージを歌い上げる。なぜか全員革ジャンを着ていて、さっき起きたようなボサボサ頭で「ベイビー!ロケンロー!」と絶叫している……。 酩酊状態の客はバンドと一緒になって拳を突き上げて、地下のライブハウスのボルテージはぐんぐん高まり「なんかマジで日本を変えられそうだ」なんて予感に満ち溢れている……。ロックという音楽には力がある。私たちを突き動かす衝動のようなものがあるんです。 しかし音楽ジャンルとしての「ロック

Yellow Magic Orchestra(YMO)について|日本にテクノポップを輸入した天才たち

細野晴臣・坂本龍一・高橋幸宏。20代の私たちからすれば、この3人はそれぞれに有名人であり「Yellow Magic Orchestra」という、同じグループにいたことが衝撃だ。悟空とドラえもんとコナンが同じ作品に出てる、くらい胸が熱い。 以前、クラフトワークの音楽についてたっぷり解説した。クラフトワークが1970年代に世界にテクノポップムーブメントを巻き起こしたのはこの記事で書いた通りだ。 Yellow Magic Orchestraはこのテクノポップというジャンルを日本

21世紀のオルガン・ジャズ入門 with Playlist

オルガンジャズは80-90年代にイギリスでのジャズ・ダンス系のムーブメントでグルーヴィーなソウルジャズのひとつとして、またはヒップホップのサンプリングソースとしても再評価されたが、実はジャズの文脈でも少しずつ進化している。 その辺りは『Jazz The New Chapter 4』という本でもやったのだが、その後、コリー・ヘンリーがどんどんすごいことになっていたり、デルヴォン・ラマーみたいな人が出てきたりで面白くなってきたので、ここらで一度簡単に入門編をまとめておこうと思う

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【2024年最新版】マンガの歴史を総まとめ! 代表作で振り返り【平安時代から令和まで】

普段からマンガ作品・作者の記事を日々アップしている私。できるだけ前後の文脈を含めて、点ではなく線でわかりやすく書くことに努めています。 ただ、実際のところ漫画の歴史をぜんぶ確認できる場所があったほうがもっと分かりやすいと思いまして、今回は日本の漫画(マンガ)の歴史を一気にデータベース化してみます。 鳥獣戯画から呪術廻戦まで、1000年近い歴史を振り返っていきますので、ぜひご覧くださいませ。 平安時代〜江戸時代までのマンガの歴史平安時代〜江戸時代までの主な漫画作品一覧