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ロンドン私立教育はじめの一歩:ナーサリースクール・息子編

前回記事から少し間が開いてしまいました。
息子は1歳半から、娘はほぼ2歳から小学校入学まで同じナーサリースクールに通い、現在は2人とも同じ小学校に通っています。男の子と女の子や性格の違い、最初の子供と2番目の子供といった親の心の準備度の違いなどもあるものの、幸いどちらも概ねポジティブな経験でした。ただ振り返ってみると下の子(女の子)に特に合ったナーサリーだったように思います。

息子が入園したのはもう10年近く前になりますが、今でもよく覚えている光景があります。入園説明会に行った時、目の前に座ったお母さんが着ていたDVFのシルクの美しいブラウスの色と柄、床に並んだブランドバッグ、なぜか美人のママばかりだったこと(!)、園長先生(プリンシパル)が笑いながら、「泥んこ遊びもさせますから、マリーシャンタルのドレスとかは着せないでくださいね」と言ったこと。。。一体どういう世界なの?と感じたことを覚えています。


ナニーさんとの心地よい生活から「ドロップオフ」「ピックアップ」の毎日へ

息子は生後4ヶ月からナーサリー入園までフルタイムのナニーさんにお世話になりました。ロンドン生活も日が浅く知り合いも少なかったため、ナニーエージェンシーへの問い合わせからスタートです。
息子を出産したプライベート産科でもらったおすすめのエージェンシーのリストの中からホームページにアクセスし良さそうかな?と思った先のオフィスを直接訪問してニーズを伝え、面接を経て一番乳児の扱いに慣れていたナニー兼クリーナーさんをお願いしました。

当時は在宅勤務が一般的ではなく、勤務後、何とか息子の寝かしつけまでに顔を見たいと駅から走って帰っていました。帰宅すると沐浴を済ませてご機嫌の息子を抱っこしたナニーさんが待っていてくれて、家の中もピカピカになっている(息子の昼寝中に家事や掃除を済ませてくれていました)という、今考えたら贅沢な日々でしたが、ナーサリー入園とともにフルタイムナニーさんともお別れです。

ナーサリーはドアが開くのが8時、そして6時には必ず終了です。これは予想以上に大変でした!!8時にナーサリーにドロップしてから勤務先に向かうと着くのは8時45分です。ナニーさんがいれば8時には着いていたのに。。加えて夕方6時のピックアップ(お迎え)には5時過ぎに勤務先を出ないとなりません。

送迎は夫と私どちらが多く担当するのか(注:どちらも自分の方が忙しいと思ってます!)、熱が出たという電話を受けたらどちらが仕事を切り上げて迎えに行くのか?ナーサリーは必ず母親の私に最初に電話してきました。イギリスでも女性に負担がいくのか、と何となく腹立たしく電話を取るのをやめると次に夫に電話が行き、仕事の途中で迎えに行ったり病院に連れて行ったりが続くと今度は夫の不満も溜まって行きます。毎日のロジ関係で夫婦関係も次第に緊迫して来ました。そして夫が出張など不在の場合、子供の体調不良が多い秋冬(例えば嘔吐の場合48時間は登園禁止)、ナーサリーが始まったばかりなのにいよいよ回らなくなって来ました。

息子は英語の童謡を覚えて言葉を発し始めるなど、集団生活に慣れて成長が見られましたが、チャイルドケアに関しては今思い出してもストレスの多い日々でした。

最適なチャイルドケアを求めて模索の日々

結局、ナーサリーのフルデーは1学期で断念しました!
入園後すぐ気づきましたが朝8時ぴったりに子供を連れてきている家庭は少なく(8時〜9時までの幅を持たせたドロップオフタイムでした)、一方ギリギリ6時に迎えに行くと息子は最後の1人です。あまり他の親に会わないのはなぜだろうと思っていましたが、8時〜14時までのセッションを申し込むファミリーが圧倒的に多く、フルデーの子供がかなり少なかったのは想定外でした。午後のみの14時〜18時セッションの子供達も少数いたようですが、息子にとっては午後2時にそれまで一緒に遊んでいた子供達が帰ってしまい、まだ幼いためアクティビティも限定的で、飽きてしまっているようにも見えました。

フルデーを止める前は、忙しい時には息子の担任の先生に個別対応をお願いし、6時にナーサリーから自宅に息子を連れて帰り、私の帰宅を待ってもらったりもしました(ナーサリーも承諾の上個人的に先生に時給をお支払いします。高かった。。。)
ただ残念ながら息子はその先生に懐いておらず、ナーサリー終わってまで先生と一緒にいるのはあまり嬉しそうには見えませんでした。

一体共働きの家庭はどうしているのかな、と思っていたある日、連絡帳に先生のメッセージがついていました:「Aくんのお母様から、子供達のプレイデートをアレンジしたいので携帯番号を教えて欲しいとの伝言です。彼女もシティでフルタイム勤務していますよ」。

我が家のチャイルドケア最適解:ナーサリー半日+パートタイムナニーさん

息子は朝教室に入るとすぐに「Aくんは?」と先生に聞き、Aくんも登園するとまず息子を探して2人仲良しになっていたようです。携帯番号を渡してから暫くしてAくんママから連絡がありました。

Aくんファミリーはトルコ人で、ママはアイビーリーグのロースクールを出た後シティの法律事務所でコーポレートファイナンスを担当していました。あまりに激務のため復帰に踏み切れず2人目を出産したとかで、住み込みナニーさんが終日赤ちゃんのお世話をし、Aくんは8時〜14時でナーサリーに来ていました。平日午後に遊ばせられる?と聞かれましたがうちは終日ナーサリー。

そうか、うちも午前セッションにして2時以降はナニーさんに来てもらえばいいんだ!と思い今度はパートタイムナニーさんをお願いすることにしました。
近所のお子さんの面倒を見ていた顔見知りのナニーさんがいたのですが、今働いている家庭は帰りが遅く疲れるので辞めるらしいよ、という情報を前のナニーさんからもらい、早速連絡すると来てくれるとのことですんなり決定!
前回と違いエージェンシーを通さず見つけられたのは金銭的にもとても助かりました(エージェンシー経由の採用の場合、ナニーさんの年俸の2割程度を紹介料として払う必要があります)。

ここからやっと息子も午後にお友達とプレイデートをしたり、習い事をしたり、これまで行けなかった平日のバースデーパーティーにもナニーさんに連れて行ってもらえるようになるなど、ナーサリー社交を楽しめる日々が始まりました。親の方も朝さえ連れて行けばお迎えが不要となり、だいぶ心に余裕が生まれました。ナーサリーで会ったファミリーはほぼ全員ナニーさんを雇っていたので、ナニーさん同士でアレンジしてピクニックやソフトプレイに連れて行ってくれたりと友達の輪が広がった他、ママ同士がそこまで深く関らずに子供同士を遊ばせられるのは、あまり社交的ではない私にとってとても助かったのも正直なところです。

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