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24時間営業を辞めたコンビニ〜8月の販売数値の動向〜「デイリー品」


 客数減のトレンドは今月も継続中
 

 皆さんこんにちわ、あやすけです。


 ・・・夏が終わりました

 
 1つの稼ぎ時が終わってしまった悲しさと、クソ忙しい時期を今年も何とか乗り切った安心感と、これから来るであろう地獄のような淘汰の時代に震える恐怖心が、心のなかでゴチャ混ぜになってせめぎ合っている今日このごろです。

 
 まぁでも、なんというか、取り敢えず生き残っているから、良しとしましょう。

 
 それでは、デイリー品における当店8月の販売数値の動向です。


1.基礎数値

・日販前年比106%(103%)、24時間営業時比82%(89%)
・客数前年比100%(97%)、24時間営業時比73%(76%)
・客単前年比107%(106%)、24時間営業時比113%(116%)
・買上点数前年比101%(104%)、24時間営業時比103%(107%)

※当店における時短営業開始時はコロナ禍初年度です
※( )は前月の数値です            


 日販の前年比は前月からさらに改善しました。日販の前年比が100を超えるのは今年の4月から継続した状況ですが、その理由は客単価の前年比増であり、これも同じく継続した状況です。
 
 8月の客数は前年並みにまで戻りましたが、コロナ禍が始まってからの数値はお世辞にも良いとは言えない状況が続いていますので、「昨年の数字が酷すぎただけ」とも言えるでしょう。つまり言い換えれば、コロナ禍が終わりを迎えようとしている現時点においても、未だ客数はその「酷い数字」と同水準という事です。

 
 少し先の未来から振り返った時、2年と8ヶ月続いたこの客数の減少が「8月で底を打った」となれば少しはマシですが、そう考えるのは楽観的すぎる見立てでしょう。その理由は、コロナ禍の前から存在した「人口減」とコロナ禍の後に来る「ニューノーマル」という2つの外的要因であり、その2つは当店にとって経営上の「下向きの力」となります。

 
 7月の経営数値をもって客数の減をトレンドと確定した当店の経営陣ですが、8月もそのトレンドが継続していることを確認しました。引き続き「客単価」への取り組みを最重要の課題として、今後も取り組んでいきます。 


2.前年比upした分類

◯米飯→前年比120%(109%)
・「おにぎり→大幅up」
・「チルド弁当→大幅up」
・「寿司→大幅up」
・「弁当→大幅down」
・「こだわりおむすび→大幅down」

※( )内は前月の数値

 「将来の伸び代」&「客単価と付加価値」という視点をもって取り組みに濃淡を付けている当店ですが、その方針は現時点では間違っていないことが数字に出ています。地区平均の数値と比較しても10%以上の上ブレです。

 地区開発商品が比較的多い「おにぎり」や「チルド弁当」ですが、付加価値の付いた高単価の商品に重点的に取り組んだ結果が数字に表れていると視ています。

 そのような数値の中で「こだわりおむすび」だけは方針通りではない結果です。8月から親父オーナーが経営方針を変更し、廃棄額を徐々に目標数値まで減らす方向に舵を切りましたので、品揃えを縮小したようです。

 「将来の伸び代」、「客単価と付加価値」という視点からみれば、「こだわりおむすび」は力を入れるべき分類だと言える一方で、「米飯」の分類の中で「こだわりおむすび」の販売構成比は1%です。経営方針を変更したオーナーも試行錯誤を繰り返しているのでしょう。

 ・・・四捨五入すれば70歳となる人間がこれまでの価値観を変更して試行錯誤を繰り返しているのですから、40代の私に出来ない訳がありません。負けられませんね(笑)


◯フライヤー→前年比141%(131%)
・「フライヤー→大幅up」
・「中華まん→大幅up」
・「おでん→取扱い無し」

※( )内は前月の数値

 何も言うことはありません。

 「将来の伸び代」、「客単価」、「付加価値」、「高利益率」、どれを取っても将来の当店における強力な武器となるはずのこの分類が、8月も当店の強みであることを確認できました。

 これまでと同様に、正しい鮮度管理とクリンネス、客層や時間帯別による適正な品揃えと仕込みのタイミング、販促に対する各種の取組みに対して、引き続きコストを掛けていきます。


◯ペストリー→前年比117%(93%)
・「菓子パン→大幅up」
・「惣菜パン→大幅up」
・「NBパン→大幅down」
・「ドーナツ→大幅up」

※( )内は前月の数値

 地区平均と比較して前月の数字の落ち込みが激しかったペストリーですが、8月は改善しました。改善した要因は、「菓子パン」&「惣菜パン」の上ブレの力が「NBパン」の下ブレの力を上回った事です。特に「菓子パン」における地区開発商品への取組が数字の上ブレに大きく貢献しました。

 数字が悪かった7月の動向を踏まえて、販売構成比が低い「ドーナツ」売場を犠牲にし「NBパン」売場を拡張した8月でしたが、結果は駄目でした。一方で本部が準備した什器をお払い箱にしてまで売場を縮小したドーナツは数字が落ちませんでした。

 ・・・NBパンは、伸び代がもう無いのかも知れません。

 引き続き9月も、変更した売場の効果を数字で注視していきたいと思います。


◯デリカテッセン→前年比108%(111%)
・「サラダ→大幅up」
・「食事サラダ→大幅up」
・「惣菜→大幅down」
・「主菜→大幅down」
・「副菜→大幅up」

※( )内は前月の数値

 前月から引き続き数字は上向きです。地区平均の数値と比較しても上ブレが継続しています。それと同時に、健康志向の高まり&中食という「現在の流行り」も継続中です。

 これまでと同様、今後の伸び代は少ない可能性を頭に入れつつ、買上点数を上げる要素の強いこの分類について「現在の流行りに乗る」スタンスを継続していきます。

 

◯スイーツ→前年比103%(116%)
・「チルド洋菓子→down」
・「チルド和菓子→大幅up」
・「チルド洋菓子NB→大幅up」
・「プリン、ゼリー→up」
・「ヨーグルト→大幅down」

※( )内は前月の数値

 フライヤーと同様に、立地的に弱い分類である「スイーツ」を自店の強みにする取り組みを6月から開始していますが、前年比の数値が上ブレする結果が3ヶ月続いています。しかし今月はその上ブレの度合いが少なくなりました。原因は「チルド洋菓子」の数値の下ブレです。

 親父オーナーの経営方針の一部変更により、廃棄額を抑えつつスイーツを自店の強みとする事となりましたので、「洋菓子」で廃棄額を抑えつつ「和菓子」で数字を稼ぐ方針に変更した8月でしたが、「洋菓子」の数字の落ち込みが少し気になります。

 地区平均の数字と比較して大きく劣後している訳では無いことから、「品揃え」と「廃棄額」のバランスを特に「洋菓子」については注視しながら取り組みを進めて行きたいと思います。

 ・・・売上upを目標として力を入れる事に決めた「和菓子」より、売上を現状維持しながら廃棄額を抑える必要が生じた「洋菓子」の方が、難しいじゃねぇかよ(笑)


3.前年比downした分類

◯麺類・その他→前年比90%(112%)
・「調理麺→大幅down」
・「スパパス→大幅up」
・「カップ麺→down」
・「グラタンドリア→大幅up」
・「うどん焼きそば→大幅up」

※( )内は前月の数値

 調理麺の下ブレが大きかったですね。カップ麺を除けば地区平均の数字との乖離がそれほど大きくはないですので、数値が悪い原因は天候による気温低下、そして米飯における「こだわりおむすび」と同様に「品揃え」の減であると視ています。

 地区平均の数字との乖離が大きかった「カップ麺」については、付加価値を付けた新商品や地区開発商品が多い分類ですので、夏場が終わったこれからの時期の主役として力を入れるべき分類ですね。今後はこの「カップ麺」を中心に数字のテコ入れを進めて行きたいと思います。

 

◯調理パン→前年比85%(81%)
・「サンドイッチ→大幅down」
・「ロール→大幅down」
・「ブリトー→up」

※( )内は前月の数値

 今月も数字は上向きませんね。前年比の数字が割れている状況がしばらく続いています。加えて、地区平均の数字と同水準を維持していた「ロール」についても、今月は大幅に数字が下がっています。

 行楽客やスポーツ関連イベントの客層割合が他店と比較して高いロードサイド立地の当店ですが、客数減がトレンドとして継続しているうちは、この分類の数字が下向きになる状況は続くでしょう。

 今後の方針は前月と同様に、「サンドイッチ」を捨てて「ロール」に注力、特にロールの中でも付加価値の付いた高単価の商品を中心に取組むことで下向きの力を少しでも下支えしていくこととします。耐え忍ぶ時期はまだしばらく続きそうです。


 
 それでは今日はこの辺で。
 
 このクソッタレな世界と戦う皆様と明日もともに。


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