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24時間営業を辞めたコンビニ〜12月の販売数値の動向〜「デイリー品」

 
「単店経営」と「複数店経営」

 


 皆さんこんにちわ、あやすけです。

 クリスマス寒波による大雪との戦いを終えた当店は現在、少しだけ平和な日々を過ごしております。年末年始の天候も予想以上に良好でした。

 そんな穏やかな日々における現在の主たる取り組みとなっているのは、「廃棄額の抑制」です。毎日毎日、廃棄額の数字を視ることから業務がスタートし、そして廃棄額の数字を視ることで一日の業務が終わります。

 しかし一方で、いま自分達が行っている上記のような行為が、「非常に危ない橋を渡っている」という自覚を常に持つべきだと、同時に強く感じます。

 そんな現状ではありますが、やはり一番に思うことは、10年以上に渡って行ってきた慣習、つまり「拡大均衡に基づく経営方針」を変更することが、如何に難しいことであるかという事です。「従前の考え方を変えること」 「それを実行に移すこと」 「実行後に目標を実現すること」・・・1つ目と2つ目は個人的に大得意なのですが、最後が難しいです。当たり前の事ですけどね(笑)

 

 
 そんな個人的に大得意な事である「従前の考え方を変えること」が、他にも最近ありました。それは、コンビニ経営における「単店経営」「複数店経営」というものに対する自分の考えです。


 「単店経営」とは、その名の通り、1人のコンビニ経営者が1つのお店を経営する形です。一方、「複数店経営」とは、1人のコンビニ経営者が2店舗、3店舗と複数のお店を経営する形です。法人という形でもっと沢山の数の店舗を経営する方もいらっしゃいますね。


 以前から私は、「複数店経営」というものにあまり良いイメージを持っていませんでした。その理由はいくつかありますが、その中でも最大の理由は、経営するお店の数が増えれば増えるほど、「経営者の経営方針(理想)が薄まっていく」と考えるからです。何故なら、どんなに有能で超人の経営者であっても、体は1つであり、1日の時間は24時間だからです。

 だからこそ、複数店経営のコンビニ経営者の方々は、その弱点を補強するため、組織作りをします。人を育てます。役職を与え個人ごとに異なる仕事と報酬を割り振りすることで、大きくなった組織を効率的に動かそうとします。コンビニに限らず、どんな業態の企業も同じですよね。

 


 何度考えても、私にはどうしても、その一連の行為が「本末転倒」に思えて仕方が無いのです。

 

 

 長くなりました。続きはまたいつかの記事で。

 それでは、デイリー品における当店12月の販売数値の動向です。




1.基礎数値

・日販
 前年比100%(103%)
 コロナ禍初年度比104%(103%)
 24時間営業時比89%(90%)
・客数
 前年比93%(97%)
 コロナ禍初年度比97%(95%)
 24時間営業時比76%(79%)
・客単
 前年比107%(106%)
 コロナ禍初年度比108%(109%)
 24時間営業時比116%(114%)
・買上点数
 前年比100%(100%)
 コロナ禍初年度比101%(102%)
 24時間営業時比105%(103%)

※当店における時短営業開始時はコロナ禍初年度です
※( )は前月の数値です            

 


 現時点における、当店経営陣の今後の数値の見立ては以下のとおり。

「客数」・・・コロナ禍からの回復度合いは2021年並に留まる
「客単価」・・・上昇度合いの頭打ちから今後ゆっくりと数値が低下
「日販」・・・コロナ禍初年度であった2020年並に留まる→つまりコロナ禍         
      以前には戻らない

 12月の数値の状況と照らし合わせると、客数は予想以上に下ブレし、客単価は低下せず頭打ちを継続、結果として日販は前年と同等&コロナ禍初年度と比較して約4%の上ブレ、となりました。

 現在のところ、今後の数値の見立てを変更する外的要因は無いと視ていることから、今後の数値が見立て通りに推移する確率は高く、その結果として、日販は現在よりさらに低下することが予想されます。

 以上の事から、これまでと同様に、頭打ちから今後ゆっくり低下すると予想される「客単価」を少しでも長い期間下支えすることを基本的な取り組みとしつつ、8月から経営方針を変更した「廃棄額」の適正化による経費のスリム化に軸足を置くウェイトを重くして取り組みます。

 「撤退戦」は継続ですね。現状においては、生き残ることが最優先です。



2.前年比upした分類

◯米飯→前年比112%(110%)
・「おにぎり→up」
・「チルド弁当→大幅up」
・「弁当→大幅up」
・「寿司→大幅up」
・「こだわりおむすび→大幅down」
・「御飯→大幅up」

※( )内は前月の数値

 前月と同様、状況に変化はありません。「客単価」と「付加価値」を重視した取り組みが数値に表れています。地区平均と比較しても大幅に優位な数値であることも変化なしです。一方で、廃棄額の数値は「寿司」が改善したものの、金額ベースで大きなウェイトを占める「弁当」の数値は依然として高いままです。

 前月までと同様に、「販売額と廃棄額をどのスケールまで小さくするのが妥当か」を重要な視点として取り組みを継続します


◯スイーツ→前年比110%(105%)
・「チルド洋菓子→down」
・「チルド和菓子→大幅up」
・「チルド洋菓子NB→大幅up」
・「プリン、ゼリー→大幅down」
・「ヨーグルト→大幅down」

※( )内は前月の数値

 フライヤーと同様に立地的に弱い分類である「スイーツ」について、自店の強みにする取り組みを6月から開始していますが、前月に引き続き数値は上ブレです。併せて地区平均の数値と比較しても大幅に優位な数値です。

 8月から経営方針を一部変更したことに伴い、「自店の強みとする取組」と「経費のスリム化」という2つのバランスを取ることに失敗した10月の数値から、2ヶ月連続で上ブレした結果でした。

 一方で、廃棄額の数値は散々な結果となっています。クリスマスの個食ケーキの販売が前年に比較して大幅に下ブレしたことも原因の1つでしたが、「チルド和菓子」の廃棄額も目標としている予算額を大幅に超えました。

 前回の記事でも書いたとおり、月初の間は様子を見つつ慎重な発注スケールを心掛けましたが、その貯金はコントロールを失敗した月末で全て吹っ飛びました。

 催事絡みの売り込みは博打の要素がより強いですから、仕方の無い事かも知れません。来年のクリスマス商戦に活かしたいと思います。

 加えて、「廃棄額をチルド洋菓子で抑えつつ販売額をチルド和菓子で稼ぐことで、スイーツを自店の強みとする」という基本方針は変更なしです。


3.前年比downした分類

◯ペストリー→前年比89%(107%)
・「惣菜パン→up」
・「菓子パン→大幅down」
・「NBパン→大幅down」
・「ドーナツ→大幅up」

※( )内は前月の数値

 8月から前年比の数値が改善し始めた状況でしたが、12月は再び下ブレしました。依然として好調ではあるものの、その上昇幅が鈍化した「惣菜パン」に対して、「菓子パン」の数値がそれ以上に下ブレした結果です。「菓子パン」については地区平均と比較しても大幅に劣後しています。

 一方で廃棄率は極端に低い訳ではなく、むしろ適正値より少し高めであることから、「菓子パン」の販売額の低下の原因は品揃えでは無いはずです。やはり、今月に大きく下ブレした「客数」の減が原因でしょう。もともと「ペストリー」は、現状において付加価値をあまり期待できない分類ですから。

 ・・・いまのところ、打つ手は思い付きません。適正な廃棄率を維持することで品揃えを確保しつつ、耐え忍ぶこととします。


◯デリカテッセン→前年比96%(118%)
・「サラダ→down」
・「惣菜→大幅down」
・「主菜→大幅down」
・「食事サラダ→down」
・「副菜→大幅up」

※( )内は前月の数値

 前月まで前年比の数値が大幅にupした状況が続いていた分類ですが、久しぶりに下ブレしました。地区平均の数値と比較しても下ブレです。特に「惣菜」&「主菜」の落ち込みが大きいです。

 廃棄率については適正値を割ってはいませんので、ペストリーと同様に下ブレの原因は「客数」の減でしょう。その下ブレの度合いがペストリー程ではない理由は、やはり「付加価値の有無」となるでしょう。


 ・・・しかしやっぱり、客数の力は、デカいなぁ(泣)


 今後の方針はペストリーと同様です。適正な廃棄率を維持することで品揃えを確保しつつ、耐え忍ぶこととします。また、「販売額と廃棄額をどのスケールまで小さくするのが妥当か」についても重要な視点となるでしょう。


◯麺類・その他→前年比93%(100%)
・「カップ麺→down」
・「スパパス→大幅down」
・「グラタンドリア→大幅up」
・「うどん焼きそば→大幅down」

※( )内は前月の数値

 地区平均と比較して大幅に劣後していた数値から改善した前月でしたが、今月も同様に地区平均と同等の数値となります。ただし前年比は割りました。前年比を割った原因は、やはり再び不調となった「スパパス」です。

 しかし、廃棄率の数値は適正値であることから品揃えが原因ではありません。また、「客数」が大幅に減少した割にはこの分類の販売額の前年比は地区平均と同等です。

 「どの水準まで全体のスケールを小さくするか」・・・この分類の今月の数値については、あまり悲観的にはなりませんね。


◯調理パン→前年比92%(88%)
・「サンドイッチ→大幅up」
・「ロール→大幅down」
・「ブリトー→up」

※( )内は前月の数値

 前年比の数字が割れている状況は今月も変化なしです。一方で今月の数値は地区平均と同水準まで回復しました。内訳を視ると、前月までと同様に「サンドイッチ」が好調&「ロール」が不調、という状況に変化なしです。当分の間は、「サンドイッチ」に注力ですね。

 こちらの分類も「麺類」と同様に廃棄率は適正値であり、かつ販売額も地区平均と同等です。このまま行きましょう。


◯フライヤーその他→前年比97%(97%)
・「フライヤー→up」
・「中華まん→大幅down」
・「おでん→取扱い無し」

※( )内は前月の数値 

 8月から経営方針を一部変更した「経費のスリム化」に基づき、仕込み数を減らしている分類となりますが、前年比の数値が「100」を割った前月と同様の水準です。

 方針を変更してからの販売額の数値の推移は、8月の141%、9月の121%、10月の111%、11月の97%、そして今月の97%です。「販売額」と「廃棄額」のスケールをどの水準とするのが妥当かという視点から試行錯誤を繰り返してきましたが、今月の数値をもって現状を妥当な水準と決めました。

 今後は、分類の内訳の中でも「フライヤー」について、前年比100%という数値を維持することを目標とします。


 


 それでは今日はこの辺で。
 
 このクソッタレな世界と戦う皆様と明日もともに。

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