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24時間営業を辞めたコンビニ〜9月の販売数値の動向〜「デイリー品」

 インフレの悪影響がいよいよ当店にも到来か・・・
 

 皆さんこんにちわ、体力では誰にも負けないと自負するあやすけです。

 
 体力には自信があるのですが、一方でいま私の心の中は「恐怖」で満たされています。この記事を書きながら当店9月の販売数値を見ていると、その恐怖がさらに増して来ます。

 
 ・・・なので、早く終わらせましょう。


 それでは、デイリー品における当店9月の販売数値の動向です。



1.基礎数値

・日販
 前年比105%(106%)
 コロナ禍初年度比99%(98%)
 24時間営業時比89%(82%)
・客数
 前年比102%(100%)
 コロナ禍初年度比92%(89%)
 24時間営業時比78%(73%)
・客単
 前年比103%(107%)
 コロナ禍初年度比108%(109%)
 24時間営業時比114%(113%)
・買上点数
 前年比99%(101%)
 コロナ禍初年度比101%(102%)
 24時間営業時比105%(103%)

※当店における時短営業開始時はコロナ禍初年度です
※( )は前月の数値です            


 今年の4月から日販の前年比は100を超え続けていますが、その上昇度合いは前月の106%から低下しています。その原因は、客単価の上昇度合いが大きく低下したことです。

 一方で、前月に2年と8ヶ月続いた客数の前年比割れがようやく終わりを迎えた当店ですが、今月はその上昇度合いは2%に留まりました。加えて言うと、コロナ禍初年度の水準には未だ遠く及びません。したがって、「今後の客数の水準は昨年並みに留まる」という見立てが現実のものとなりつつあります。

 
 そして・・・買上点数の前年比が、割れました・・・私の恐怖指数は、いまMAXです。


 日販の前年比105%という数値が、なんの価値も無い、弱っちい数字に見えてしょうがない、そんな毎日を過ごしています。


 ・・・これまでと同様に、引き続き「客単価」への取り組みを最重要の課題として取り組みつつ、8月から経営方針を変更した「廃棄額の売価を売上比4%以内とする」を目標に経費のスリム化を図っていきたいと思います。


2.前年比upした分類

◯米飯→前年比116%(120%)
・「おにぎり→大幅up」
・「チルド弁当→大幅up」
・「弁当→大幅up」
・「寿司→大幅up」
・「こだわりおむすび→大幅down」

※( )内は前月の数値

 今月も引き続き、「客単価」と「付加価値」を重視して継続している取り組みが販売数値に表れていることを確認しました。良しです。

 地区開発商品が比較的多く、また各種フェアの対象商品となることも多いこの分類ですが、その「付加価値」にしっかりと全乗りすることで「客単価」を上げていくという現在の当店の方針は、きちんと数値に反映されているようです。

 一方で、8月から経営方針を変更し廃棄額を減らす方向に舵を切った当店ですが、親父オーナーは先月に引き続き9月も「こだわりおむすび」を切り捨てる選択をしたようです。

 「将来の伸び代」&「客単価と付加価値」を兼ね備えた「こだわりおむすび」という分類、しかし一方で米飯全体の中での販売構成比1%という現状・・・

 これから親父オーナーがどのような試行錯誤を繰り返していくのか、楽しく学ばせて頂こうと思っています。


◯フライヤー→前年比121%(141%)
・「フライヤー→大幅up」
・「中華まん→大幅up」
・「おでん→取扱い無し」

※( )内は前月の数値

 前年比の数値が大幅にupしている状況に変化なしです。良しですね。

 一方で、廃棄額の売価を売上比4%以内とする経営方針の変更及び経費のスリム化という観点から視れば、この分類における「費用対効果のスケール」も縮小せざるを得ないという結論に至ります。それはつまり、フライヤーという分類のみから得られる「利益」をこれまでより少し削ってでも、掛けている「費用=廃棄額」を減らす必要があるということです。

 前月よりも前年比の伸び率が低下したのは、上記の理由に基づいた仕込み数の減であると視ています。重要な事は、どの水準まで販売額を落とし、どの水準まで経費を落とすか、という点でしょう。

 それについては、毎月書いている経営数値の動向の記事で、詳しく分析したいと思います。


◯デリカテッセン→前年比129%(108%)
・「サラダ→大幅up」
・「食事サラダ→大幅up」
・「惣菜→大幅up」
・「主菜→大幅down」
・「副菜→横ばい」

※( )内は前月の数値

 こちらの分類も前年比の数値が大幅にupしている状況に変化なしです。健康志向の高まり&中食という「現在の流行り」も継続中と視ています。廃棄額についても予算の範囲内です。

 引き続き、今後の伸び代は少ない可能性を頭に入れつつ、買上点数を上げる要素の強いこの分類について「現在の流行りに乗る」スタンスを継続していきます。


◯ペストリー→前年比105%(117%)
・「菓子パン→横ばい」
・「惣菜パン→大幅up」
・「NBパン→大幅down」
・「ドーナツ→大幅up」

※( )内は前月の数値

 前月に引き続き、7月に激しく落ち込んだ数字が上向き改善している状況が継続しています。9月のその要因は「惣菜パン」&「ドーナツ」の上ブレです。

 前月と同様に、本部準備の立派な什器を撤去して売場を縮小したドーナツが好調を維持している一方で、売場を拡大した「NBパン」の不調は改善しませんでした。特にドーナツについては、関西フェアによる商品が売上を牽引しました。

 「付加価値」があるかどうか・・・やはりここが重要な視点になりつつあると思います。そして、その重要性は今後ますます増加していくことでしょう。

 NBパンについては伸び代が無いと判断、ペストリー全般についても以前から同様の見立てでしたので、「惣菜パン」を主力として地区平均の数値と同水準を維持できればOK&廃棄額を抑えるという方向性で品揃えを進めていきたいと思います。


◯スイーツ→前年比103%(103%)
・「チルド洋菓子→down」
・「チルド和菓子→大幅up」
・「チルド洋菓子NB→大幅up」
・「プリン、ゼリー→down」
・「ヨーグルト→大幅up」

※( )内は前月の数値

 フライヤーと同様に、立地的に弱い分類である「スイーツ」を自店の強みにする取り組みを6月から開始していますが、前年比の数値が上ブレする結果が4ヶ月続いています。取り組み開始当初の数値の「上昇率」が低下したのは先月からですが、その水準は今月も同レベルです。その理由は、廃棄額に対する経営方針の変更を反映した「品揃えの減」です。

 廃棄額をチルド洋菓子で抑えつつ、販売額をチルド和菓子で稼ぐという方針は、現時点では上手くいっています。その見立ての根拠は、スイーツ全体の前年比103%という数値が地区平均より10%以上も上ブレしていることです。

 したがって、引き続き現状の取り組みを継続していきます。


3.前年比downした分類

◯麺類・その他→前年比98%(90%)
・「カップ麺→大幅up」
・「スパパス→down」
・「調理麺→down」
・「グラタンドリア→down」
・「うどん焼きそば→大幅down」

※( )内は前月の数値 

 地区平均とほぼ同水準の数値です。その平均の数値との比較という視点から言えば、「カップ麺」で数字が大幅に上向きである一方、「調理麺」で大幅に下向きとなり全体としては地区平均の数値とトントン、という状況でした。

 ただ、夏も終わりこれから冬に向かっている現状を考えれば、調理麺よりカップ麺の分類で数字が上向いた9月の数値は悪くないと思います。

 「うどん焼きそば」で分類全体の販売額をもう少し上乗せ出来たのではないかとも考えましたが、やはりここでも、廃棄額に対する経営方針の変更が大きく影響していると予想します。この分類の品揃えは、ほぼありませんでしたから。

 今の私に出来ることは、「米飯」の分類と同様に、親父オーナーの試行錯誤を楽しく学ばせて頂こうと思っています。

 

◯調理パン→前年比91%(85%)
・「サンドイッチ→大幅down」
・「ロール→down」
・「ブリトー→大幅down」

※( )内は前月の数値

 前月に引き続き、前年比の数字が割れている状況がしばらく続いています。一方で、地区平均の数字と比較して先月までは劣後していた「ロール」の販売数値が、今月は大幅に改善しています。同時に、「調理パン」という分類全体における前年比91%という数値が、ようやく地区平均と同水準まで回復しました。前年並みの水準まで客数が回復したことが大きく影響しているのかも知れません。

 一方で、前月と同様になりますが、行楽客やスポーツ関連イベントの客層割合が他店と比較して高いロードサイド立地の当店の状況を考えると、客数減がトレンドとして継続しているうちは、この分類の当店における前年比の数字が下向きになる状況が続くという見立てに変更はありません。



 ・・・販売数値において、「立地」による影響及び特性は、コンビニ経営において大きなウェイトを占めている・・・その通りだと思います。異論はありません・・・だからこそ、「立地」という、投資ではない「博打」の色彩が強いモノによる影響を、少しでも自発的に改善する取り組みが重要となる局面も時にはあると、個人的には信じています。

 平等で公平な、そして同時に残酷で冷たいこの世界においては、「運」というものが「取組や実力」と同等な価値を持っていると心から思います。そうであるならば、「立地」は「運」の力だと腹落ちし認識した上で、その大きな力とどう戦っていくかが重要なのではないでしょうか。


 
 ・・・当然の事ですが、立地によるプラスの影響をいまこの瞬間に享受している経営者さんにとっては、先程述べた私の個人的な私見は1ミリも価値のない言葉です。「経営が上向いているという認識」を経営者の方が持っているその状況において、「現状維持」以外に重視するべきものは、何一つありません。


 
 それでは今日はこの辺で。
 
 このクソッタレな世界と戦う皆様と明日もともに。

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