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【映画の感想】X-MEN アポカリプス

(前半はネタバレなし、後半はネタバレありです)
※フィルマークスに書いた感想の転載です

旧三部作と新シリーズを合流させる「X-MEN フューチャー&パスト」という離れ業をやってのけた後に続く本作は、変化球というよりは純粋に強い敵と戦うスタンダードな筋書き。

個人的には圧倒的強さを持ちつつ悩み続けるマグニートーが好きなのだけれど、彼の能力はついに地球規模にまで至り、もはや具体的に何が起きているのか認知の埒外になりかねないレベル。とはいえその迫力あるバトルシーンは今作も健在で、更に物体構築など見応えのある場面も。

また登場するたびに大活躍するクイックシルバーは今回も相当に働いてくれ、彼の消費カロリーは一体どんなことになっているのか興味が尽きない(能力を乱発してたらあっという間に老けそうだ)。

今回からはジーン・グレイ、サイクロップス、ナイトクローラーといった若い世代のキャラクターも多く登場し、多種多様な能力が次々に繰り広げられる戦闘シーンは迫力たっぷり。

とはいえ、個人と社会を描くX-MENの映画としてはやや不満も。また、ストーリー展開についてももう少しやりようはあったのでは…と思うけれど、その辺りは後段のネタバレ感想にて。

(以下スペースの後にネタバレあり)




CIAのモイラの記憶操作はプロフェッサーのある種の独善性(理はあるにせよ)の前哨戦であり、後のダーク・フェニックスにもつながってくる要素。しかし笑って許せるほど簡単な話なのかというとかなり疑問。記憶を操作しうる相手だ、と思われてしまうのは、思考を読まれると思われる以上に信頼構築が難しそう。

エン・サバ・ヌールの学習は早すぎて彼がどの辺りに問題意識を持ったのか今ひとつピンと来ない。差別問題など、社会との関わりをテーマにするのがX-MENなのだとするともう少し具体的な動機というか、問題意識を示してほしかった。

自身の部下となる存在を選ぶのも基準があるようなないような。明確に現在の社会に怒りを持っている人物など、エン・サバ・ヌール自身の問題意識と共鳴する形で選ばないとそりゃ裏切られるよね、という。

覚醒したジーンによって倒されるのも、あれだけ様々な能力を駆使して強者感を振り回していたのによくわからない熱線のようなものに倒されてしまいどうにも腑に落ちない。ジーンは強いんだ、というのはわかるけれど、大ボスが倒されるときにはそれなりのステップと納得がほしい、と思ってしまう。ダーク・フェニックスのために、ジーンの潜在的な強さを見せておきたかったにしても。

ウルヴァリンの登場ももったいないというか、そこで逃走して後はもう出てこない、というのは一体何のために出てきたんだ感。

続くダーク・フェニックスや、エンドロール後の映像から推測されるX-MEN関連作のための仕込み要素がそれなりにあり、伏線としてはよいけれど、ウルヴァリンをはじめとして仕込みのために本筋が犠牲になっている箇所がちらほら。

様々な事情があるにせよ、一本単位で精度を高めてから伏線や仕込みを入れてほしい…と思ってしまった。

#XMEN #アポカリプス

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