綾繁

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若さの秘訣は抽象度の高さです tw:Ayashige_X blog:映画感想ブログ「映画、ときどき人生。」https://ayashige-story.hatenadiary.com/

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銀河英雄伝説と組織論

リブート版アニメの次期公開が控えているとはいえ、それを待ちきれずにAmazonプライムで配信されている昔のアニメをひたすら見続けて90話を過ぎたあたりにいます。銀河英雄伝説。なぜこれほどの名作を見ずに生きてきたのか。例によって僕も一番好きなキャラはヤン・ウェンリーです。 用兵という現代世界では耳慣れない言葉が飛び交うアニメですが、これを「人材活用」と読み替えると急にイマドキな感じがしてくるのは不思議なものです。しかしこのアニメで語られていることの半分くらいはこの人材活用であ

    • 【映画ネタバレ感想】ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

      (フィルマークスに投稿した感想の転載です) この物語に出てくる登場人物達はとにかく魅力的。スターなのにメンタルが弱く泣き虫なリック・ダルトン、タフで自然体だがトラブルメーカーで仕事にあぶれているクリフ・ブース、天真爛漫で眩しいシャロン・テート。 パンフレットでは「リックとクリフは同じ人物の裏表」という言葉が書いてあり、図らずも「ファイト・クラブ」との関連性を想像してしまったけれど、リックは「成功しているがメンタルが満たされない人」、クリフは「成功していないが自分に満足

      • 【ネタバレなし】『シークレット・スーパースター』感想 インド×音楽=感動

        (フィルマークスに投稿した感想の転載です) インド映画といえば音楽、音楽といえばインド映画。そろそろ日本の映画ファンにもそんなイメージが確立しつつある。 本作も突然人が踊り出すレベルではないものの、そもそもが覆面シンガーを題材にしたものであり、作中で多くの魅力的な音楽が流れる。主人公インシアを演じたザイラー・ワシームの歌声は上昇気流に乗る鳥のような伸びやかさで、それを物語のストリームの中で、効果的な形で聞けただけでも観に来た甲斐があるというもの。 少し上映時間は

        • 明日は「イソップの思うツボ」を観てきます。

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        • 【映画ネタバレ感想】ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

        • 【ネタバレなし】『シークレット・スーパースター』感想 インド×音楽=感動

        • 明日は「イソップの思うツボ」を観てきます。

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          映画ブログを作ったのでTwitter、note、フィルマークスと合わせてどこに何を書くか定めかねる状態となりつつある。

          映画ブログを作ったのでTwitter、note、フィルマークスと合わせてどこに何を書くか定めかねる状態となりつつある。

          【映画ネタバレ感想】ライオン・キング 実写みたいな動物から逆説的にアニメ化の意義を考えさせられる

          雄大なアフリカの自然を背景に、王とその弟、そして王の息子が神話的なドラマを繰り広げるライオン・キングが実写…ではなく美麗な3DCGで復活。 とにかく子どものシンバが可愛い。2次元のアニメよりも可愛らしく感じられる。人間はともかく、動物の場合は漫画的表現は実写的表現を超えられないんじゃないかという気さえする。 音楽も期待通りの出来栄えで、鮮やかな風景、にぎやかな動物達を眺めつつ聴いていると、なんて贅沢なんだろうと感じさせてくれる。 今回は字幕版で見ましたが、子

          【映画ネタバレ感想】ライオン・キング 実写みたいな動物から逆説的にアニメ化の意義を考えさせられる

          【映画ネタバレ感想】ドラゴンクエスト ユア・ストーリーが殴りつけたもの

          みなさん、ドラクエは好きですか? 光のお父さんでファイナルファンタジーが扱われた映画を観たと思ったら、さして間を空けることもなく今度はドラゴンクエストの映画を観られるとは、何かゲームにとって大きなターニングポイントの年なのかもしれません。 子どもの頃にドラクエ5をプレイした私の世代にとってはど真ん中な作品…といいつつ記憶はやや遠いのだけれど、「主人公が勇者ではない」「主人公が魔物使いという謎の職業」「主人公が奴隷になる」「作品内で結婚して子どもができる」と、当時のゲー

          【映画ネタバレ感想】ドラゴンクエスト ユア・ストーリーが殴りつけたもの

          【映画の感想】ハッピー・デス・デイ

          (前半はネタバレなし、後半はスペースの後にネタバレありです) 日本の訓練されたオタクの前では「死んでもループする」という設定に今更物珍しさはないし、歴史を紐解けばSFを初めとして類例はたくさんあるのだろうけれど、この文脈を「ホラー」に持ち込んだのは新しい(多分)。 日常系のループであればじわじわと焦り始めるところだけれど、本作は放っておけば明確な殺意で襲ってくる存在がいるのでいきなり焦燥感MAX。そしてベビー・マスクが大変不気味で怖い。本来はコミカルなはずの造形が恐怖

          【映画の感想】ハッピー・デス・デイ

          【映画の感想】アルキメデスの大戦

          (前半はネタバレなし、後半はネタばれありです) 「変人で天才」の役をやらせるなら、海外ではベネディクト・カンバーバッチですが、日本なら菅田将暉だ。 とは何を隠そう私の言葉ですが、「男前ながら個性があり、独特ながら気品がある」菅田将暉にうってつけの役が本作の主人公であるといえるでしょう。 当時の日本で軍人相手にあの振る舞いはあり得べからざるものかとは思いますが、その時代認識を逆手に取り、櫂直という人物の唯一性を冒頭から魅せてくれます。とはいえあそこであんな遊びをす

          【映画の感想】アルキメデスの大戦

          「好きなことで、生きていく」は「好き放題しても生きていける」へ。レペゼン地球炎上に寄せて

          個人的にはレペゼン地球というグループのことは知らなかったし、ジャスミンという人がDJ社長という人からのセクハラを受けて辞めるというツイートだけを目にして「酷いことがあったもんだ」と表面的な同情心を抱えつつ、遠い世の中で起きた悲しいことの一つとして冷たく処理した、というのが実態に近い。 その後、実はそれは嘘で新人を売り出すためのパフォーマンスだった、ということを動画で知ったとき、僕の感情が動いたのは、まず第一には「よく聴いていてカラオケで真似する程度には好きだったマキシマムザ

          「好きなことで、生きていく」は「好き放題しても生きていける」へ。レペゼン地球炎上に寄せて

          【映画の感想】天気の子

          昨今のアニメ映画ブームの火付け役とも言われる「君の名は。」の公開から3年、否が応でも期待が高まる新海誠監督の最新作を鑑賞してきました。 もはや誰もフラットな評価などできないのでは、と心配になったりもしたけれど、本作も更なる進化を遂げている。写実性をベースにしながらもファンタジーを溶け合わせる作画技法は、過去作よりもリアリティとファンタジーの振れ幅を大きくしつつも説得力のある絵作りになっており、更にそこへ忍び込むように入り込み、ぐいっと世界を広げる音楽の力もパワーアップ。

          【映画の感想】天気の子

          「自分が納得できる投票」に至るまでのコストの重さ

          選挙のたびに思うのですが、選挙で自分が納得できる投票を行うために必要なコストって社会人が負うには大きすぎるのではないでしょうか…。 将来のために選挙が重要なのは重々承知なのですが、それぞれの政策の良し悪しを先入観無くして見極めるのはなかなかに大変な作業で、たとえば脱原発ひとつ取っても、あるいは経済政策の方向性なんかでも、学者達でさえ意見が反目しあってる中で選び取るのは至難の業。 かといってノリで支持を決めるのも無責任だし、さりとてより抽象度の高いゴールを政党間で比較し

          「自分が納得できる投票」に至るまでのコストの重さ

          【映画の感想】トイ・ストーリー4

          (前半はネタバレなし、後半はネタバレありです) ※フィルマークスに投稿した感想の転載 他の映画を見ようと映画館に足を運ぶと、かなりの確率であまりに情報量の少ない予告編を見せられ、「これはきっと"何かある"作品だな」と虎視眈々と公開を待っていた本作。30代男性ですが見てきました。一人で。 前作で持ち主が変わってしまったウッディ達のその後から始まるストーリー。おもちゃである以上、サザエさん空間でない限りは「持ち主がおもちゃから卒業してしまう」ということがどうしても付いて回る

          【映画の感想】トイ・ストーリー4

          【映画の感想】帰ってきたヒトラー

          (前半はネタバレなし、後半はネタバレありです) ※フィルマークスに投稿した感想の転載です。 前情報をほとんど見ることなく、何かの記事でおすすめされていたのを見かけて視聴。Amazonプライムの評価も高かったし…というのも見始めるためというか、見始めないことをしないために重要な視点(わかりにくい)。 なんだかすごいものを観てしまった、というのが率直な感想。 ヒトラーが現代に突如として蘇り、時代の違いに戸惑いながらもマスコミ関係の協力者を得て「異様に真に迫ったヒトラー

          【映画の感想】帰ってきたヒトラー

          映画の感想を書くときに。

          ここ最近、フィルマークスで映画の感想を書くことにハマってしまい、感想を書くために映画を観る、などという倒錯した動機も半ば冗談、半ば本気で自覚しながら映画館に足を運んでいる。 長文で映画の感想を書いているときに自分が何を考えているのか、というのも感想を複数本書くに従って見えてきたので、備忘がてら書き残してみる。 まずもって重要なのはもちろん「観て面白かったかどうか」なのだけれど、面白いと感じる映画はどういった特徴を持っているのかと分解してみると、あくまで自分の感性においてと

          映画の感想を書くときに。

          【映画の感想】X-MEN ダーク・フェニックス

          (前半はネタバレなし、後半はネタバレありです) ※フィルマークスに投稿した感想の転載です X-MENの新作映画はせっかくなら過去作も復習してから観てみたいと思い、ファーストジェネレーションからアポカリプスまで一通り視聴してからようやく本作を観ることができました(旧三部作まではさすがに断念) 改めて通してみると、まず褒められるべきはキャスティングの妙で、誠実そうに見えながらも自信家の顔も覗かせるジェームズ・マカヴォイ(プロフェッサーX)、底知れなさを感じさせつつ悪役一辺倒に

          【映画の感想】X-MEN ダーク・フェニックス