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立ち位置を確立する-自己ブランディングを行う

こんにちは。毎日サメ肌、初瀬野アヤセです。
「サメってこんな肌してるんだねー」と妻に感心されました。
ちゃうちゃう、逆や。こっちがサメの肌に似てるねん。

さて、今日はPrincipal 行動原理の項目の1つ、「立ち位置を確立する」のうち、中項目の「自己ブランディングを行う」を取り上げます。

立ち位置を確保するための8つの中項目

行動するときの初期設定ともいえる基本中の基本となる行動原理です。
全てが自身のブランド確立に繋がるように行動しています。
他の項目と異なり、基準に沿っているかどうかを判断する過程を踏まず、自動的にブランディングできる状態を作り上げています。


そもそも、なぜ自己ブランディングが必要なのか?

目的はシンプルです。
【信用してもらえる人間になること】

自分が望む結果を実現するためには、周囲の人々に協力してもらう必要があります。
そのためには、まず信用してもらえる状態、環境を作り上げ、維持する必要があります。
なぜなら、大多数の人が、“何を言っているか”ではなく、“誰が言っているか”で、信用するかどうかを決めているからです。
信用してもらえる人間になるための一連の行動が、自己ブランディングとなります。

そうはいっても、信用してもらえる人間の定義は、環境や個々人の価値観に左右されますので、常に100%これだ!と特定することは難しいですし、信用は直ぐに得られるものでもないでしょう。
時間が掛るうえ、信用獲得前に「思っていたのと違う!」と印象付けられてしまうとその後の挽回が困難になる場合もあります。

そのため、最初に自己ブランディングの基礎となる情報を定義し、相手の勘違いで一方的に信用が棄損されるリスクを低減しておきます。
これを予めやっておくかどうかで、結果が劇的に変わります。

どうやって定義するのか?

実は、誰もがやっているであろう、特別珍しくない方法で、簡単に定義できます。

ずばり、”キャラクター作り“です。
「あんたキャラ作りすぎ!」というアレです。
ペルソナとかアバターとも言います。

マーケティングでも顧客候補や企業ブランドのペルソナを設定しますが、あれを自分自身に対して行います。
最初に、私はこういう人間です!という分かりやすい人物像を作り上げて、一貫してそのキャラクターを貫き通し、全員に周知して行きます。
ゲームなどのキャラクターメイキングと基本的に同じであり、アバターでロールプレイする感覚に近いと考えて頂いて結構です。
以降、ブランディングされた状態をアバターと表現しますね。

キャラクターを作っているというと抵抗を感じるかもしれませんが、”なりたい自分をイメージして、そうなっている自分を先取りする”と考えて頂ければと思います。
先に触れたとおり、日常生活でも多くの人が少なからず自分自身で設定しています。
接客サービス業に従事する人であれば、ほぼ全ての人が、接客中は本来の自分とは異なるアバターを演じていると言っても過言ではないでしょう。

少し時間がかかるかもしれませんが、誰に聞いても「あの人ってこういう人だよね!」という反応が返ってくる状態を作り上げておくと、その後の行動がずっと楽になります。
では、なぜそう言えるのか?理由を見て行きましょう。

【相手の印象を自分自身でコントロールする】

これがアバターを使う最大にして唯一の目的です。
コミュニケーションは受け手側に100%依存するという特性がありますが、アバターを使うことにより、相手の反応をある程度方向付けすることが出来るようになります。

極端な例えとして、「おっちょこちょい」「失敗してもめげずに頑張る」「一生懸命」という属性をアバターに付与している事例で考えてみます。
アバターによる印象操作が機能している場合は、そもそもよく失敗する人物と認識されていますので、依頼された内容を失敗しても、まず「想定通り」という反応が返ってきて、極端に叱られるような状態になりにくいのです。
つまり、あらかじめ叱られにくい状態を作り上げていることになります。

下記も極端に書いていますが、依頼者側の心象は下記のような流れになります。

やっぱりあの人失敗した!

おっちょこちょいだからそういう事もあると思っていた。

でも失敗しても頑張ってるし一生懸命だから、次はうまくできるようにアドバイスしよう。

次はこうやってみて・・・(アドバイスだけで叱らない)

もちろん限度を超えると違う反応になりますし、毎回同じ結果になる訳ではないですが、相手がアバターに付与した属性に対してどのような印象を持っているかを知っていれば、反応を予想範囲内に入れることが比較的簡単に出来るようになります。

「ちょっと待って。人物像で判断されるのって、普段からそうじゃないの?」

はい、その通りです。97%の人が相手を自分の印象で判断しています。
その印象付けを相手に委ねるか、自分自身で設定し、アバターとして自分の意思で相手に押し付けるか、という違いがあるだけです。

ちょっとした違いに感じるかもしれませんが、自分の行動によって生み出される結果、という観点で見ると、本当に驚くほど大きな違いが出てきます。
明確な意図に基づいてアバターを使うことにより、良い結果を出す可能性を劇的に高めることが可能です。

メリットとデメリット

次に、アバターを使用することによる、副次的なメリットやデメリットについても見て行きましょう。

メリットの代表的なもの

「アバターが本当の自分を守る鎧になる」というものです。
接客サービス業に従事している方は、これを主目的としてアバターを使用している方が大勢いらっしゃると思います。

この具体例としては、辛いことがあった際にアバターと自分を切り離して考えることで心的ストレスを軽減する、などが挙げられます。
その他では、コミュニケーションが苦手な方がアバターを通じて自己表現できるようになったり、新しい側面を発見して可能性を広げることができることもあるでしょう。

デメリットの代表的なもの

「アバターを演じ続けなければならない可能性がある」というものです。
深く考えずにアバターを設定したものの、しんどくなったり無理が出てきたためアバターを演じることを止めたい、あるいは違うアバターに設定し直したくなった際に、環境がそれを許さない場合があります。

この具体例として、実際にあった事例です。
見染めた女性とお付き合いするために年齢を詐称してしまい、結婚ぎりぎりまで言い出せず、ご両親に挨拶する当日に切り出した男性がおられました。

ん-・・その時の雰囲気、想像するのも恐ろしいですよね。
アバター設定と著しく異なる面が露見した時に、強い拒絶反応や信頼消失のリスクがあるということです。

あ、因みにその方は無事に結婚されて幸せに過ごされていますのでご安心下さい。

さて、これらのメリット、デメリットも考慮したうえで、アバターを設定する手順、設定する際の注意事項について順に見て行きましょう。

アバターの設定手順

4ステップでアバターを設定して行きます。
ここからの具体例は、実際に私のアバター設定の一部を見てもらいながら、やり方を説明して行きますね。

①対象に与えたい印象、イメージを固めます

最初に決めるのが相手に持って欲しい自分自身に対する印象です。
以降は私のアバター設定の事例です。

与えたい印象:
何となく好印象を持ってしまう、何となく一緒にプロジェクトをやりたいと感じてしまう、何となく一緒にやればうまく行きそうと感じてしまう。

➁アバターの輪郭=「つまりそういう人だよね」と感じる部分を設定します

次にもう少し具体的な内容を設定していきます。
与えたい印象から、どんな要素を持っている人物像なのかを想像してキーワードで設定していきます。なりたい自分のイメージでOKです。
私の場合、マインドセット、プリンシパルの一部も輪郭に含んでいます。

輪郭:
方向性を示すリーダーシップがある、旧態依然とした社内を変革する明確な意志がある、実際に推進する行動力がある、関係者を巻き込む熱意がある、諦めない粘り強さがある、納得させる結果を出している、情報の透明性・心理的安全性を担保する、完璧主義ではない、挑戦を重視する、失敗から学ぶ、意外性ギャップがある、変人、さわやか、面白い。

➂アバターの輪郭を踏まえた属性を付与します

次に属性を付与します。
キャラメイキングっぽい表現ですが、人物像を広げる形で更に個性を肉付けしていきます。
因みに私の設定した属性は、実際にチームのメンバーに聞いた私の印象とほぼ一致しています。
全員が最初にオカルトって言います。笑

属性:
オカルト大好き、合理的、判断が早い、知識の幅が広い、頭の回転が速い、切り替えが早い、話がうまい、太らない、プレゼンうまい、何でも積極に取り入れる、チームを庇う、褒めまくる、出来る前提で考える、オタク気質、オトメン、ダメな所は超ダメ。

④前項を踏まえた言動ができるか確認します

既にできるのであればそれで良いですし、まだできないのであれば、出来るように練習して行けば良いです。

私の属性を例にすれば、
プレゼンがうまい→プレゼンの勉強、練習をする。
話がうまい→話術の勉強、練習をする。
結果を出す→過去の事例などを伝える、資料化する、結果が出る所をリアルタイムで見てもらう、などです。

直ぐにできるようにならなくても構いません。
練習を続けていれば少しずつでも上達しますし、時間をかけてアバターを認知させていきますので、相手は上達する過程も含めて印象を持ってくれます。
大事なのは設定したアバターに近づけて行くことなので、焦らなくても大丈夫です。

以上の4ステップを順に進めることで、ある程度自分にフィットしたアバターを設定することが出来ます。

注意事項

次に注意事項を見て行きます。
特に注意しておく内容として、設定時に2つ、運用時に2つの合計4つあります。

まず設定時の注意点2つです。

①自分で無理なくバランスが取れるアバターであること

付与した属性を忘れてしまったり、極端に頑張らないと表現できない属性を付与してしまった場合、安定してアバターを使う事ができなくなります。
アバターがブレると印象もブレますので、何が本当か分からない、信用できないなどの印象を持たれてしまう可能性が高まります。

私の場合は基本的な人格を装飾する形で属性を付与してアバターを設計しています。
意表を突かれたり、ふとした時にアバターを維持できなくても、全体として違和感のない範囲に収まるように調整しています。

輪郭と属性を設定するときに、ある程度の幅やギャップを予め設定しておくことで、想定していない部分が露見した場合の影響度を抑えることが出来ます。

もし練習しても全く演じることが出来ないようであれば、アバター設定に無理があると考えて、見直すことも検討してみましょう。

➁自分の行動目的の実現性が高まる印象を付与できる属性を選ぶ

アバターを使うのはあくまでも、望む結果を実現する可能性を高めるためですので、目的に不利になるような印象を与える属性は積極的に取り入れないようにします。

例えば、「信頼感がある」という印象を持ってもらいたい場合に、「おっちょこちょい」という属性が有効に使えるか?と考えます。
基本ステータスが40代半ばの男性であれば、「おっちょこちょい」という属性付与は多くの場合、逆効果になりえます。
ですが、他の属性と組み合わせることで、「手伝ってあげたい」という印象を与えることができれば、個人では難しくても、チームとして「信頼感がある」という印象を持ってもらえる可能性が出てきます。

このように複数の属性を組み合わせて、自分のやりたいことの実現性を最大化する属性を付与して行きます。
また、お互いに相殺するような属性は避けるようにします。

つぎに運用時の注意点2つです。

①予期せぬ面が露呈した際は、その面もアバターに取り入れる

特にアバターが定着してから一定以上に時間が経過している場合は、変に取り繕うと不信感が大きくなるリスクが高まるので、演技が失敗したことを素直に受け入れます。
その上で、実はそんな一面もあるんです!意外でしょ?最初は恥ずかしくて隠してたんですけど、バレちゃいましたね!という姿勢で自ら積極的に取り込んで行きます。

うまく取り入れて消化できれば、アバターに新しい面が追加されて幅が広がりますので、相手にも受け入れてもらえる可能性が高くなります。

➁アバター設定を変更するときは、宣言して変更する

誰しもが新しいことにチャレンジしてみたい、変わりたい、と思うことがあるように、アバター設定を変更することも当然のように発生すると思います。
その場合は、こんな風に変わりたいと思ってる、次はこれにチャレンジしてみると周囲に宣言しつつ新しいアバター設定に変更すると、違和感を持たれるリスクを少なくできます。

特に現在のアバター設定とかけ離れている場合は、宣言することにより本人の意思で変わろうとしていることが伝わりますので、好意的に受け止められる可能性が高くなります。

これでアバター設定と運用する準備が整いました。
自己ブランディングは望む結果を実現するための第一歩です。
いきなり完璧に実行することは非常に難しいですが、そもそもその必要性もありませんので、自分のペースで徐々に取り入れて行けば良いでしょう。

本日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
自分の人生を、自分で生きて行きましょう!

初瀬野アヤセ

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