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君は神様なんかじゃない

私は、長らく神様を探していたのかもしれない。

言動や思考回路に違和感を持つことなく受け入れられるひと。
自分の行動の指標にできるひと。
手放しでそのすべてを信頼できるひと。

いろんな界隈を渡り歩いて、にわか者なんだから決して深入りはしないようにしながら遠目でいろんな活動者を見てみて、

そして見つけたのが、アイドルとして生きる今の“推しメン”だった。

筋の通った思考回路、潔く清々しい男気、ちゃんと物事を本質的に捉える向き合い方、それらを嫌味なく上手に言語化できる配慮深さ、
ああ、この人しかいない、と思った。



あれからだいたい3年が経つ。

いろんなイベントに参加して、数えきれないほど、覚えていられないほどたくさんの思い出をつくった。

初めて自分がペンライトの海に飲み込まれてその一部になった日、大きなステージに立つ推しに圧倒されたこと、逆に小さなライブハウスで見た心から楽しそうな表情、良席で汗まで見つめたり、ホール公演でのいつもより大きめの振りコピ、好き勝手している推しを見られた誕生日イベント、ターンの時にふわっと広がるジャケットの裾、スポットライトに照らされながら振り返る儚い横顔、
半年以上ロック画面にして眺めていた初めてのツーショット、推しの直筆で本名が書いてある世界に一枚しかないお誕生日カード、ゲラゲラ笑いながら撮ったビデオ通話イベントのスクリーンショット、通り過ぎるトロッコの上から振り返って見つけてくれた時の笑顔、

そのすべての経験が、かけがえのない私の宝物となった。



そんなこんなで、今。

“推しメン”は決して神様なんかじゃなかった。

彼は紛れもなく普通の人間で、体調が良くない日だって気分が乗らない時だってうっかりしてしまうことだって絶望することだって、怠惰なところも適当なところも気の抜けた姿もいくつも知っている。

『アイドル』という職業を背負った、何者でもない一人の人間だった。


それでも、
いや、だからこそ、

自分なりの“アイドル”であろうとする彼のことを心から信じているし、どんな選択だってまるごと受け止めたいし受け止められると思うし、思うように生きていく彼を誰より応援したいと思う。


きみはわたしの希望なんだ。


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