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金スマでは語られなかった、売れてからのオードリー史

長年のオードリーファンとして、今までオードリーのことを書いてきているが、そもそも売れてからのオードリー史を把握しているのがどれぐらいいるのか?と疑問に思ったので、今回は売れてからのオードリー史を書いて行こうと思う。

【補足】
主な代表番組を記載していますが、
その時期にやっていた象徴的な番組という意味で、
その時代に始まった番組ではありません。

「どの時期の代表的な番組か?」という特定が難しい番組は、
主な代表番組として入れてません。
(オードリーのANNなど。)

2008年~2010年 第一次オードリーブーム

皆さんご存知、第一次オードリーブーム。
2007年まで全くテレビ出演がなかったにも関わらず、2008年正月のおもしろ荘を皮切りに、ネタ番組に引っ張りだこ。
そのおかげで漫才をやる回数が増え、M1グランプリ2008で準優勝を果たす。

ただ、ブームの要因はそれだけではなかった。
(おそらくギャラをあえて安く設定し、)今までの一発や芸人でも考えられないほどの、ありとあらゆる番組に出演したのであった。

それがどれほどだかというと、
・夕方のワイドショーでむつみ荘をやる
・1日3本出るなんて当たり前
・置物要因であっても、番組出演を断らない。
・「これ、オードリーである必要ある?」「オードリーって、この番組で何か喋ったっけ?」「なんでここにオードリー?」←日常
・分単位で出演の番組スケジュールを管理。大晦日には1時間に裏被り無しで3番組に出演する
・オードリーに出演依頼→どうしてもスケジュール調整が出来なかった。→テレビ欄の締め切りに間に合わず、出演していないオードリーの名前がテレビ欄に載っている。
・なのに、裏被りがほぼなかった。被ったとしても、オードリー側の責任ではなく、番組側のスタッフのミスだとか。
・バラエティ1周で収まらず、2周半ぐらいした。

いま振り返っても、エグい売り方
番組を見ている私達はもちろん、ダウンタウンの松本さんも「大丈夫かな?」と思うほどでした。

さらに驚くのは、追っかけているだけでパニックになりそうな番組出演本数を、たった1人でスケジューリングしたマネージャーさんがいるということですよね...。ヤバお。

【主なバラエティー史実】
・レッドカーペットブーム
・有吉さん、あだ名付けで再ブレイク
【主な代表番組】
・スクール革命!(2009年4月5日 - )
・オードリーのNFL倶楽部(2010年9月 - )
・キャンパスナイトフジ(2009年4月10日 - 2010年3月19日)
・笑っていいとも!(2009年10月9日 - 2011年9月26日)
・ぜんぶウソ(2009年10月3日 - 2009年12月26日)

2011年~2012年 低迷期(マネージャー交代〜春日復活)

出る番組をひたすらこなし続け、レギュラーも順調に増え続けていった。
しかしある日、現在の仕事のやり方に限界を感じる出来事があった。

それは、年下のマネージャー・Dちゃんに代わった事により、春日さんが漏らした本音。

「ひな壇が怖い」

オードリーはここまで、ピンでの活動をあまりしてこなかった。

若林さんは雛壇でもしっかり喋れるものの、春日さんは当時トーク苦手に意識があり、喋れない場面が多かった。
気がつくと一発屋の宿命である「スベリキャラ」として扱われることが増え、どんどん自信がなくなったいった先にあった本音であった。

そこで会議を開き、「スタジオから出よう」ということになった。
そして、Dちゃんが春日のピンの仕事として取ってきてくれたのが、

「部族滞在記」
「ボディビル」

春日さんの成果を上げ、大活躍。自信が復活したのであった。
気がつくとトークの苦手意識も無くなり、すべらない話でMVSを取るまでに成長した。

一方、若林さんも、「たりないふたり」や「IPPONグランプリ」といった、ピンで実力を見せられる仕事を確実に増やしていった。

【主なバラエティー史実】
・M-1グランプリ終了
・スギちゃん「ワイルドだろぉ?」ブーム
【主な代表番組】
・ヒルナンデス!(日本テレビ、2011年10月5日 - ) 
・コレってアリですか?(日本テレビ、2010年4月3日 - 2011年9月13日)
・たりないふたり(日本テレビ、2012年4月3日 - 2021年5月31日)
・ネプ&イモトの世界番付「春日の部族滞在記」(2012年7月20日 - 2016年3月18日)

2013年~2015年 転換期(地上波初MC〜ミレ二アムズまで)

2013年。今まで雛壇の置物と言われていたオードリーに、民放のMC番組が急に2つ決まる。

それは、若林さんにとって晴天の霹靂のような出来事だったようで、(人見知り克服のため)ガールズバーに通い始めたり、家庭教師を雇い始めたのはこの頃からである。

( よく考えてみると、ブレイクしてから結構経っているのに、逆にここまで目立ったMC番組が無かったことが驚きであるが...そういう気持ちが、ここに来るまで全くなかったのがオードリーっぽいところでもある。)

一方、「教育に近い情報番組」「医学系番組」といったお笑い要素が薄い番組がメインになりつつあり、自分たちの理想とするザ・お笑い芸人的なキャリアと解離していることに悩み始める時期でもあった。

そんな中、一つの小さな希望があった。

ミレニアムズ

始まる前は、本当の本当に、希望に満ち溢れていた。
が、ご存知の通り、すぐに終わってしまった。
理由は、、、何となく察することができる。
スタッフさんと思う理想と、演者側の思う理想がずれていたからであろう。

今振り返ると、その頃の世の中はお笑い氷河期であった。
もうお笑いブームなんて来ないのでは?という不安を通り越して、
「あの頃は楽しかったなぁ...」という諦めに変わっていった時代だった。

【主なバラエティー史実】
・「笑っていいとも!」最終回
・「マツコ&有吉の怒り新党」スタート
・「バイキング」スタート

【主な代表番組】
・オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。(2012年4月8日 - )
・常識くるっと変換ショー マサカメTV!(2012年10月27日) 
・駆け込みドクター!運命を変える健康診断(2013年6月2日 - 2016年3月6日)
・とんぱちオードリー(フジテレビ、2014年10月12日-2016年4月4日に特番4回)
・しくじり先生 俺みたいになるな!!(2014年10月3日 -)
・ミレニアムズ(2014年10月18日 - 2015年9月15日)

2016年~2019年 再スタート期(ミレミアムズ終了〜武道館)

ミレミアムズが終了し、かつて描いていた「ザ・お笑い芸人」にはなれないんだと、諦めかけていた頃。
それを思いとどまらせる出来事が起こる。

オードリー椅子破壊事件(2016年2月24日)

この事件は、スポンサーがいる番組として一番やってはいけないことをしてしまったにも関わらず、Twitterで瞬く間にバズり、なぜかその椅子の売上を上げてしまったという出来事だった。

一見、オードリー史と関係なさそうに見えるが、あれがなければ、タレントコメンテーターに成り下がっていたであろう。

そして、もう一つ、今後の方向を決める出来事があった。
それは、ANNで長年ADであった石井ちゃんがディレクターになった時、意外性のあるゲストを呼びたい思い、ある人物の名前を上げたのであった。

オードリーのANN 梅沢富美男さんゲスト回(2016年12月17日)

実はこの頃、オードリーのオールナイトニッポンは時間帯首位を奪われた時期でもあり、何かしらで実績を上げないと番組が終わる危機感を感じていた時期でもあった。

石井ちゃんの目論見は見事に成功し、梅沢富美男さんの意外な一面を知ることが出来た。

梅沢富美男さん以降、ゲストを積極的に呼ぶようになる。
ビビる大木さん、市野瀬瞳アナ、森脇健児さん、松本明子さん。
今のオードリーに繋がりの深い面々である。

そして、やはり、この出来事は大きい。

「オードリーのオールナイトニッポン 10周年全国ツアー in 日本武道館」(2019年3月2日)

武道館の3万2千人は、オードリーの人気をリアルに数字に出した、初めての数字だった。

【主なバラエティー史実】
・「水曜日のダウンタウン」スタート
・「めちゃ×2イケてるッ!」 最終回
【主な代表番組】
・人生のパイセンTV(2015年10月18日 - 2017年3月19日) 
・SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜(2015年10月 - 12月)
・激レアさんを連れてきた。(2017年10月2日 - 、テレビ朝日) - MC

2020年~ 第ニ次オードリーブーム

武道館をやりきったことがきっかけかどうか分からないが、
安心したかのように、2人は同じ年に結婚した。

すると不思議と、オードリーに追い風を感じるような、良い出来事が次々と起こる。

・ 第7世代ブーム→オードリーがブレイクした当時、学生時代に知った世代が育ってきた。
・ 日向坂の人気上昇→オードリーのMC番組が評価される
・ あちこちオードリー開始→念願の地上波での冠番組...!
・コロナ→少人数の番組が主流に。
・オンラインライブの普及→視聴率ではなく、ファンの数で人気を示せる

ふと気がつくと、"天下"は二人の目の前にそびえ立っていた。

【主なバラエティー史実】
・2019年M-1グランプリ 霜降り明星優勝
・第7世代ブーム
【主な代表番組】
・あちこちオードリー(テレビ東京、2019年10月5日 - )
・日向坂で会いましょう(テレビ東京、2019年4月8日 - )

今後のオードリー...

ここまで書いてみると、売れてからのオードリーも、波あり谷ありだと言うことが分かるであろう。

今後のオードリーの方向性としては、
目の前にある天下を取る覚悟を決め、後輩の憧れの的で居続けるか、
それとも、天下をあえて取らないで、永遠の高校生で居続けるかの
どっちを選択するかによるだろう。

売れてからのオードリーは、基本ひたすら受け身で、目の前にある仕事をひたすらこなし続けてきたオードリーにとって、
天下を取る覚悟というのは、今までのスタンスを崩す勇気でもある。

それでもオードリーはきっと、
「私達が見たことのない天下」を見せてくれるであろうことを、
ファンは心から待ち望んでいる。

第三次オードリーブームは、きっとこれから始まると信じて。

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