お笑いのライブビューイングってどうなの?
オードリーのANNの武道館イベントでのライブビューイング以来、お笑いのライブビューイングが増えたように思います。
今回たりないふたりのライブビューイングを見に水戸の劇場に行った時、千鳥、シソンヌ、ナイツが宣伝を行っており、着実ライブビューイングが広まりつつあるように感じます。
私は2回ほど参加しましたので、お笑いのライブビューイングについての全般的な感想を残したいと思います。
参加したライブビューイング会場
・バカリズム ネタライブ 2019 @イオン大宮西店 (後方座席)
・さよなら たりないふたり @ユナイテッド・シネマ水 (前方座席)
狭い会場でやりたい演者側と、リアルタイムで見たいお客様さんの両方が満たされる
芸人さんがネタをやる時に、お客さんの反応を見てウケを確認したり、ネタを変える芸人さんが多いです。なので、あまりに大きな会場だと、やりにくいというお話を聞きます。
しかし、人気の芸人さんのネタライブはチケットも争奪戦。小さい会場でやろうとすると、チケットが全く取れません。
「草月ホール」というネタライブでおなじみのホールがあるのですが、客席は530席。オードリーのオールナイトニッポンでイベントで、ライブビューイングに来た人数が12000人ですので、参戦希望者の4%しかライブに参加出来なかったと考えると、凄まじい倍率です。
需要と供給がミスマッチしていて、機会損失を被っているネタライブ事情にとって、ライブビューイングは革命的なやり方だと思います。
緊張感の軽減により、見やすい客層が増える
また、スクリーンを通すと独特の緊張感が少なくなるので、パニック障害の方や、トイレに頻繁に行く必要のある方など、様々な環境の人が見やすくなるように感じます。
年齢層が高い
会場でやるネタライブより家族連れが多く、また30代で一人で来る男性もちらほらいて、平均年齢が(会場より)比較的高い印象を受けました。
ライブビューイングは一人当たりの獲得できるチケット枚数が多く、本会場よりチケット争奪戦が激しくないです。
また、遠くに行くのに抵抗があるライト層にとって、近所でやっているメリットは強く、行こうか迷っている人が行きやすいのが特徴です。
それらの特徴が結果的に、家族連れや忙しい年代の人が参加しやすくなったように思います。
今までメリットばかり書いてきましたが、次からデメリットを書きます。
前方と後方で、映画館の雰囲気の感じ方が全く違う
たりないふたりの時は前から2番目でしたが、前方だと、映画館全体の雰囲気が全く分かりませんでした。たまに後ろから大きな笑い声が聞こえますが、基本隣の人の笑い声のみ聞こえます。
後方だと、映画館全体の雰囲気の変化が比較的分かります。しかし、(バカリズムさんのライブだからかもしれませんが、)ゲラゲラ笑っていいような雰囲気は無いです。「ネタで笑わないぞ」と斜に構えている人たちが笑いを堪えているような息漏れとか、集中して画面に見入ってたのが(笑う時に)不意にふっと緩むみたいな雰囲気が伝わって来ました。
映画館は前の方に音響設備があり、前から後ろに音が広がる構造なので、空気感も前から後ろに伝わってくるように感じました。
テレビの延長線上で空気を気にせずに見たい方は前の方で、ライブビューイング独特の空気感を感じたい方は後ろの方をお勧めします。
拍手や掛け声などの、盛り上がりのパフォーマンスがし辛い
ライブでおなじみの出囃子の拍手や、「ヒューヒュー」と早仕立てるような声を出し難い雰囲気があります。
個人的には、ライブビューイングは応援上映に近いようなルールだと思っていて、声を出したりイルミネーションライトを振り回しても良いように思っています。きっと、他のお客さんもそう思っているとは思うのですが、お笑い好きは大人しい人が多いためか、映画館だと特に、盛り上げようとする雰囲気に消極的なように感じました。
会場によって全く雰囲気が違う
上2つのデメリットを書きましたが、都内でライブビューイング即売り切れの会場では、拍手で盛り上がっているつぶやきがあり、雰囲気が全く違うように思います。
オードリーのオールナイトニッポンのライブビューイングでは、地方の会場であっても、会場全体が一体感を持っていたそうです。(どちらかというとファンイベントに近いので、ネタライブとはまた違うかもしれませんが...)
バカリズムさんのライブの場合、ライブビューイング会場に前説担当の芸人さんが登場する会場があったそうで、大宮の暗い雰囲気とは対極的なように感じました。
総括すると、映画館の客層の雰囲気に左右されるのかな?と思いました。
私がたまたま行った会場がどちらも郊外だったため、おとなしい会場だったのかもしれません。
ライブビューイングの感想まとめ
お笑い系のライブビューイングは増えていくと思いますが、会場ごとの温度差が激しくて、全国どこでも"安定した笑い"を届けるという意味では難しいように思いました。
ライブビューイングは「地方の人にもリアルタイムに提供できる」が利点なのにも関わらず、「都会の会場は盛り上がり、地方の会場は静か」というような状態になってしまうのであれば、地方コンプレックスはライブビューイングでは解消されないです。
それならば、youtubeやニコニコの生放送 などのネットのリアルタイム視聴を利用した有料の生放送の方が、気兼ねなく見れるように思いました。
youtuberのように、今後ネタライブをネットでライブビューイングすることで、稼いだ金額で生活する芸人も出てくると思いますが、まだ未改革なように思います。
ネタライブのライブビューイングは、ネットがもっと活用されることで、無限の可能性を秘めるビジネスであると、私は考えています。
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