見出し画像

コーダーのキャリアパス問題 ~ コーダーがグラフィックデザイナーに転職する理由 ~


あやおり子(@ayaoriko)です。
WEBデザイナーと名乗っていますが、実際コーダー業務が多いです。

今回の転職で、コーダーのキャリアパス問題に直面しました。

グラフィックデザイナーとお話をしたときに「結構そういう人いるんだよね...」と言われたのですが、2018年のコーダーの現状についてWEB業界では、あまり知られていないように思いました。

ここでは、私がWEBデザイナーを志望していたにも関わらず、コーダーとして働いていた私の体験談を書いていきます。

コーディングをお願いされる新人WEBデザイナー

会社によって違いますが、私が最初に入った会社では、未経験を多く取っていたことから「WEBクリエイター」として募集をかけ、それから分業に振り分けていくというスタイルでした。

私はプログラミング経験があり、「プログラミングをいくらしてもカッコいい物を作れない」という事を感じ、見た目を作れるWEBデザイナーという職業を選びました。

なので私は「デザインもコーディングも出来るようになりたい」考えて、どっちも経験出来る環境に魅力を感じていました。

しかし、それは甘い考えだとわかりました。

私は絵を書くのが苦手で、自分の好きなデザインがわからないほど、デザイン未経験者です。未経験者としてバナー制作から教えるよりも、多少できるコーディング能力をあげてWordpressなどを担当させた方が、会社に利益が出るのは明らかです。

向いているコーダー、やりたいデザイン。

私がコーディングが出来ると判明すると、どんどんコーディングの業務が多くなり、デザイン業務も頼まれなくなりました。

サーバー構築からAPI取得しての株価表示、カテゴリーで色分けしてのブログ表示、WEBアプリ制作...要望される内容もどんどん高度になってきました。

しかし、ここまで出来るとなると、なかなかデザイン業務を携わらせてくれません。だってそっちのほうが圧倒的に会社的に儲かりますから。

「コーディングもWEBデザイナーの業務の一つ」ということを自分に言い聞かせ、言われた仕事を黙々とこなしました。

デザイン出来ないWEBデザイナーの需要は無い

そのような日々を繰り返しましたが、もう限界を感じ、転職をすることにしました。

私はデザイナーを志望していましたが、事実上コーダー経験しか無く、バナー制作ですら満足に出来なかった私は実務経験年数に相応の作品を持っておらず、落とされまくりました。

デザインで難しいところは、出来る人はアドバイスがなくてもしっかりとした作品を作り上げるところで、教えてもらわないとどう改善していいか分からない人私みたいな人は、独学では難しいです。

なんとかして経験を増やそうと思って製作したデザイン作品もありますが、転職で使えるレベルに達していない中途半端なものばかりで、エージェントに相談しても「アルバイトか派遣からやり直した方がいい」と言われました。

WEBデザイナーになるために頑張って対応してきたのに、またゼロからのスタート。正直立ち直れません。

デザインを考えるフロントエンドエンジニア?

この業界にいるかぎり、好きなことよりも得意な事、できることをお願いされます。

デザイナーとしての需要はありませんが、デザインに精通するフロントエンドエンジニアとしての需要はありました。しかし、やりがいはあまり無いように感じました。

UIディレクションや仕様書制作などはありますが、メインはCSSのズレやjQueryでの動作修正。少しのズレをひたすら直していく作業は、地味でつまらない繰り返し作業です。高度な事をやるわけではないので、出来ることが増えるわけではありません。

しかし、高度な事をやりたいか?と言ったら、そうではありません。私にとってコーディングやプログラミングは手段の一つであり、技術を高めていくことに魅力を感じません。バックエンドをやるにしても、DBがぶっ壊れたときに直せる自信もありません。

コーダーだから分かるWEBデザインの息苦しさ

分業の時代でも、コーディングをやりながらのWEBデザイナーの求人も少なからずありますが、良い製品を作るためには、見た目と機能・営業がそれぞれの立場から意見を出すことが大事だと思っています

その中で私は、見た目の部分から意見を出したいと思いますが、今までの経験上、機能実現の可能性や作りやすさ前提で考えてしまうため、地味で面白みのない作品だと感じています。

今後WEBデザインはますます進化して、グラフィックデザイナーと同じぐらい表現が多様化するのが想像できます。だからこそ、WEBとは少し離れたグラフィックデザイナーという選択肢を選ぶのは、コーダーならではの考えではないかと思っています。

コーダーからデザイナーへのキャリアパスは、年々難しくなっている。

「コーディングできるんだから諦めないで」と、よくフォロワーさんからいわれるのですが、コーダーからデザイナーへのキャリアパスは年々難しくなっているように思います。

10年前ならflashなどの技術があり、デザイン能力を身につけながらコーダーをやることは可能でした。しかし、デザイナーのカンプを再現する事を求められる今のコーダーには、デザイン作成能力を磨ける環境が果たしてあるのだろうか?と感じています。

また、コーダーはフロントエンドエンジニアとして求められるスキルが高くなる一方、デザイナーとの境がなくなって意見を言いやすい立場でもあります。しかしそれはエンジニアがデザインをやるのであって、デザイナーとしてエンジニアリングをするときに求められていることは大きく違います。

コーダーとして稼ぐことは可能ですが、私はWEB業界に入りたかったのではなく、デザイナーになりたい。システムよりもビジュアルとかブランディングを担当したい。そういった意味では、コーダーからデザイナーへのキャリアパスは難しいように感じました。

私は現在就活中で色々見て回っていますが、コーダーでやってきたからこそ、WEBにとらわれずに様々なデザインができるところも視野に入れて、活動していきたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?