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先輩芸人のYoutubeを見て、2010年代前半のオードリーを思い出した。

Youtube上で、オードリーの先輩芸人がオードリーについて語っている動画がアップされていた。

メンバーは、
・次長課長の河本さん
→若林さん「こんな感じでどうですか」で四半期に1回共演
・タカトシのトシさん
→「コレってアリですか?」「黄金伝説」で共演
・オリラジの藤森さん
→「笑っていいとも」で共演
というように、オードリーが雛壇時代に主に共演していた、関わりの深い、偉大なる先輩方である。

ただ、この動画では、
内容がとても薄く、先輩方はオードリーに全く興味がないことがはっきりと分かる内容だった。

そういえば、オードリーが2010年代前半にくすぶっていた原因の一つに、
こういう先輩方の反応も原因の一つであったことを思い出した。

殺伐としていた2010年代前半のバラエティ番組

お笑いブームが去った前後の、2010年代前半のバラエティ番組は、
今振り返ると、どこか殺伐としていたように感じる。

「その場を明るく楽しく賑やかすことが芸人である」と頑なに信じている、
通称「ガヤ芸人」と言われる古い世代の芸人さんがいる雛壇に、
アメトーークの人見知り芸人、中学の時イケてない芸人からはじまった、
賑やかすだけがお笑いじゃないよね?コアな笑いもあってもいいんじゃない?と提唱する、新しい世代の芸人さんが入ってきた。
もちろん、オードリーは後者側の芸人さんである。


今の第7世代のように、
「新しい波だ!」「ガヤ芸人なんてもう古い!!」
なんていう風潮を作れたら最高だったんだけど、
オードリーたちの世代にはそれが出来なかった。

当時、上の世代と比較されて、オードリーがダメ出しされていたことは、
テレビに映っていなくても、何となく分かることだった。

それ以上に不気味に感じていたのは、古い世代の芸人さんが、新しい世代の芸人さんに無関心だったことである。

若林さんが話したバナナマンの設楽さんとのエピソードで、
設楽さん「何か困ってることない?」とが質問してきて、
若林さん「登場するときの挨拶の漫才を毎日作るのが大変で困っているんです」
設楽さん「同じでいいんだよ。もしスタッフが見たことあるなと思ったら、編集でカットして貰えるんだし」
というような話があり、若林さんはとても感謝していると話していた。
でもそれって逆にいうと、後輩芸人にそう心配してくれる先輩が少数派だったことが分かる話でもある。先輩も先輩で、余裕がない気持ちは分かりますよ。

先輩も先輩で、余裕がない気持ちは分かりますよ。
新しい世代が入って来る事実を受け入れたくないですし、自分が蹴落とされることが無いように、踏ん張ることに精一杯なのも分かります。
ただ、世代が変わっても評価が変わらない芸人さんって、やっぱり後輩のことを大切にしていて、持ちつ持たれつでやっているように感じます。

頑なに雛壇から逃げなかったオードリー

なんでその風潮を変えれなかったかをはっきりとした理由を説明するのは難しいが、テレビ業界全体が
・若い視聴者を切り捨てて番組を作っていた
・ネットとかの新たな文化を受け入れず、現状維持を望み続けた

というのが、視聴者的にはしっくり来る理由かなと思う。

対極の考えをもつ芸人さんが同席する雛壇は、
見ている側もどことなく息苦しく、居心地の悪さを感じた。
次第に、芸人さんも雛壇から逃げるように、
別な場所で実績を稼ぐ芸人さんが増えてきた。
ライブで実績を上げることに注力したり、
地方局の番組で根強いファンを獲得したり。
小説を書く芸人さんもいた。

一方、オードリーは頑なに雛壇から逃げなかった。
どんなに「置物」だと言われようと、自分たちのスタンスを崩さず、
自分たちのホームの雛壇が来る日を待つかのように、番組に出演し続けた。
後にMCを任されるようになっても、決して腐ることはなかった。
むしろMCになったことで、自分たちがMC力をつけることで、
腐った風潮自体そのものを変えられるのではないか?と信じ続けてきた。

オードリーは、ずっと光で構え続けたのである。

まとめ

若林さんは「下の世代はいいなー」的なことをよく言っているが、
第6.5〜7世代の明るい雰囲気は、かつてオードリーが何よりも望んでいた雰囲気だったんじゃないの?と思う。

オードリーがいなければ、先輩たちがかつてやっていた「自分たちの風潮をホームにすることで、若い人の視点をアウェーにさせること」を、第7世代を対象にしても、ずっとやっていた世界線もあったのかもしれない。

正直、MCをやるだけなら、オードリーより上手い人は沢山いると思います。
でも、オードリーにしか出来ないMCがあって、
それがようやく形になって、評価され始めたのが最近なのかなと思います。


私は2010年代前半のバラエティのような、古い価値観を受け入れない時代はもう来てほしくないと考えており、それはきっと、オードリーの時代が続く限り、大丈夫なんじゃないのかなと思っています。
なぜなら、もし時代がまた逆に戻った時には、オードリー(の若林さん)は潔くバラエティ番組から引退しそうだから。

まだまだ続いてほしいな。

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