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鋭敏な感覚と共存

猫が脱走した。
ベランダに出るときは気をつけていたのに、寝不足と一瞬の気の緩みからやってしまった。

気づいたときにはお隣のベランダへするりと移動してしまった。声をかけて呼び戻そうとするも、刺激的な空間に大興奮のご様子。

一瞬ちらっと戻ってくるもの、わたしが見守ってるのを確認すると再びぬるっとお隣へ。見守ってるんじゃないよ、呼び戻してるんだってば。都合良く解釈するなってば。

部屋にはもう一匹いて異常事態の空気を察してベランダのガラス越しにニャーニャー呼びかけてくる。朝からプチパニックインザハウス。

光の速さで部屋に戻り、美味しいカリカリを持ってベランダで容器ごとシャカシャカ振ると欲望丸出しの様子で前のめりに戻ってきたところを有無を言わさず確保。

手足の肉球を拭いたとき、甘ったるい匂いがした。猫を抱き抱えた手のひらからも同じ甘ったるい匂いがする。

お隣さんの柔軟剤の香りだった。数分ベランダをウロウロしてきただけでこんなに香りが付くとは。

手のひらをしっかり洗うものしばらくは匂いは取れなかった。最悪だ。

最近は暑さと猫のために24時間冷房生活で窓を開けることもなかったけれど、ご近所さんの洗濯洗剤の匂いややタバコの匂いが部屋に入ってくることはこれまでもあった。

自分の生活からは柔軟剤や不自然な匂いのするものは取り除くことが出来るけど、他人の生活に強制することは出来ない。

快適に過ごすために不自然なものを暮らしから外していった結果、感覚が鋭くなり、苦手なものが増えていった。

実家でも、柔軟剤を使うので洗濯はもちろん出来ないし、泊まることもなくなった。

先日、友達と食事をしたら通路を挟んだ反対側に6人組の女性の集団が席につき大声でお喋りをしていた。

おそらくお店の構造的に、より音が反響しやすくなっていたことも原因のひとつだろう。人数が多いからこそ、距離もあり声を張り上げる必要とあったのかもしれない。

そのボリュームに途端に緊張が走る。気にしないようにしても、そちらに気を取られ"気にしないようにすること"にエネルギーを使うあまり疲れてしまった。もっとお友達とゆっくり話したかった。

大声も人工的な匂いもわたしにとっては一種の暴力になりうる。精神的にダメージを受けるから、いつもの倍削られてしまう。

HSPだったりASDだったり、ラベリングはいくらでも出来るのだろうけど、自分の中に元からある性質だからこそ共存するしかない。

けど、もっと過ごしやすい空間が増えるといいな。分断を起こしたいわけじゃない。ただ、わたしのような性質を持っていても快適に過ごせる住居や飲食店が増えることを切に願ってる。願うくらいいいじゃんね。

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