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短歌もらいました⑩✧♡

 今日も短歌をもらいます💖

子を乗せて木馬しづかに沈むときこの子さえ死ぬのかと思ひき

大辻隆弘

 メリーゴーランドに乗る子供を見ている。メリーゴーランドは上に上がったり、下がったりする。幼い子供を観ながら、下がって姿が消えた時に、ふとこんな小さな子供の死を予感する。自分が先ではあろうが、この若くて幼い命もいつかくる死からは逃れられないと、男は思う。

(略)「しづかに」が回転のなめらかさを伝えるとともに、「沈む」はいくらか暗い気分も呼び起こす。気が沈むとか船が沈むとかいうふうに使われる動詞だからである。「沈む」という言葉がおそらく、後半の不吉な考えを引き出したのだろう。書き留められているのは、成長中の自分の子が死ぬことはないという無意識の思い込みに気づいた瞬間である。(略)

(S)

 一首鑑賞と同じ短歌。好きで選んだと言うより、腕試しみたいな気持ちで選んどるな、と気づく( ´艸`)自分の鑑賞と比べるのが面白くなってきたらしい。概ね間違ってはいないが、編者は細かいところもよく注目している。


かへりみちひとりラーメン食ふことをたのしみとして君とわかれき

大松達知(たつはる)

 この歌を読み、どっちなのかな?と思った。
その1.君と別れるのが寂しいケド、自分にラーメンというご褒美をあげて、よしよししよう。
その2.君と別れて、1人ラーメンを食べて帰るのが楽しみだ💖
 付き合っている期間によって、どっちにもなりそうだなあと( ´艸`)

〈いい山田〉〈わるい山田〉と呼びわける二組・五組の山田

大松達知

 思い出がある。いつも行く居酒屋のマスターが、〈できるほうの赤坂〉と〈できないほうの赤坂〉という話をいつもしていた。一人は、東大の医学部に行った秀才。一人は居酒屋で一緒にお酒を飲んでいた。マスターたちは、高校の同窓生で、医者、大学教授、と色んな人が集まっていたが、70過ぎて、そんな風に呼ばれるのはいくらなんでも・・・と同情しないでもなかった( ´艸`)。気のいい彼はマスターの口が悪くてもニコニコしていたが。
 ずいぶん素直な短歌だなあと2つ紹介したくなった。いや、この作者に興味を持ったのでもう一つ紹介して、歌人の背景を知ろう。

しばしばを背比べしに来しひとりもう来ずわれを抜きさりてのち

大松達知

 一首鑑賞に選ばれていた歌。内容の要約。彼は中高一貫の男子校に勤務している。中一の男子はまだ小学生のよううだが、高三ともなればすっかり大人。変化の激しい6年間、初めは気になる大人にかまってほしくて近づいてきた少年。

(略)好きになれる大人を見つけるということが、彼らの成長に欠かせない要素なのだ。だが、背比べ時代はすぐ終わる。背が伸びたあの子はもう遊びに来てくれない。教員はそれを寂しく思ったりもするが、何事もなかったかのように教員の日々を続ける。

(C)

 歌人の背景を知らないと、とてもこの一首鑑賞は書けない。予想するにこのイニシャルCさんは編者の千葉聡さんだとするなら、同じく高校の教員である。前出の2つののどかな短歌と共に、同じく教員として、自分にも有った出来事かもしれないとしみじみとした3首目であった。



生きている間しか逢えないなどと傘でもひらくように言わないでほしい

大森静佳

 すべての恋愛は片思いだ、という言葉を聞いたことがある。両想いであっても、気持ちの分量はきっとイコールではなく、どっちかが、どっちかに片思いしているのだ。男女のすれ違いを描いているような歌。いつでも四六時中、君に会っていたい理由に大げさな言葉を使う男と、それにちょっと白ける女という構図が目に浮かぶ。あまりに安易に言うから、ただ私と寝たいだけではといういらだちもあるような気がするのは気のせいか( ´艸`)


 本を読むのは子供のためだけではない。

 note仲間のまりりんさんが夫に読み聞かせをしているという。
 初め聴いた時には「え!」とビックリ( ゚Д゚)したが、なんかいいな、とも思った。先日、まりりんさんとコメント欄で話した内容を引用してみよう。

全然考えかたが違う夫婦で今まで仲良くなんとかやってきたけれど、これからの時代は深いところで理解しあえないとダメかも。
若いときは身体で繋がれて安心感があったけど、歳をとってからは精神性で繋がれてないと辛いよね~💦

まりりんさんのコメント

 まりりんさんは長く、専業主婦であり、その身の処し方にキラリ!と知性を感じる無構えの名人(あだ名)なのである。
 先日はドストエフスキーの「白痴」を読みながら、「私は白痴作戦でいこう💖」と言い、頼りない姿を装い、旦那様に、僕が守ってあげなきゃダメな奴だみたいな・・・男の人をきちんと立てることをさりげなくできるかわいい女の人だ。(←それにしてもドストエフスキーを読んで、「白痴作戦」を思いつくのが常人ではないw)

 しかも実際、カワ(・∀・)イイ!!。

 今もバレエにピアノにバイオリンと、背筋を伸ばす修業をしていて、これは天使になる修業かしらねと呟く。今日はバレエの発表会だ!

 そうです!それは間違いなく天使になるための修業です💖

 仲間内でまりりんさんは、まりりん城のプリンセスということになっており、門番に立候補した男(オカマだけどw)までいる人気者なのである。
 天然でありながら、物事を受け止め、さらり、と真実を述べるその才能は、彼女の奥の知性を感じさせるに十分だ。 

 興味が湧いた方は是非、気軽にまりりんさんの記事に遊びに行っていただきたい。こういう女性がいるのかと、目からウロコが落ちまくりで、ハッピィになること間違いなし!

 あれ?

 短歌をもらう話でした(汗)

 旦那様への読み聞かせがあまりにもいい話だったので、これだけで記事が一つ書けそうだと気が付きました( ´艸`)
 描きながら、むしろ、この話が書きたかったのかもしれないと、気が付かせてくれるnoteの記事って素敵ですね💖

 ニュースで、犬の保育園でも、読み聞かせの時間がありました。

 えええ?犬にも( ´艸`)
 
 読み聞かせって、子供のためだけではない、ということに気づかされた出来事がいくつか重なり、そして、次の短歌に出会いました。


眠られぬ母のためにわが誦(よ)む童話母の寝入りし後王子死す

岡井 隆


 私はこの短歌をとても好きだ。
 幼き頃は、逆だったと思う。作者は母に沢山の絵本を読んでもらい、歌人になったかもしれない。
 しかし、今は、たぶん介護で、母のために母に童話を読む。
 そして、ある日の童話で、母が寝入った後で、王子が死んだ話があった。次の日はその続きを読むのかはわからないが、ほっとした作者の姿が見えるようだ。母が寝入った後で、王子が死んでよかったと。
 王子は、作者と重なる。
 生まれた子供たちはどこの家でも王子や王女なのではないか。
 子供のいない我が家でさえ、黒帯(旦那)は王様だ。
 寝間着の似あう、ネマキング( ´艸`)


しばしば、なんのはなしか、脱線したくなる性がある


 どうも、この短歌を選んだあたりに、私は一首鑑賞の編者の鑑賞に感動して、短歌を選んでいることに、気が付いて来た。

 短歌と共に鑑賞文も、もらいます。

いつのまにか、息子は母の生活をささえるようになった。一方、母には母の思いがあり、ただ息子に守ってもらいたいという訳ではない。ときどき「眠れない」と言うと、息子が本を読み聞かせてくれる。その声を聞いて、「この子は元気そうだな」「今日はあまり元気がないな。仕事で何かあったかな」と息子を気づかっているのだ。ある夜、息子の声を聞いて、安心したように母は眠りにおちる。息子は朗読の最中、ふと本から目を上げ、母が眠っているのに気づく。ここで本を閉じてもいいのだが、あと少しで童話が終わるので、小さな声で朗読を続ける。それは王子が死ぬという悲しい結末であった。息子は、母に悲しみを与えなくてよかったと思いながら、静かに本を閉じる。

(C)

 なんじゃこりゃあ( ゚Д゚)

 母の側からの視点もあるなんて!
 もう小説ではないですか。
 千葉氏の一首鑑賞の凄さを思い知る。

 道長さまあ~~~( ´艸`)(←自分の中の流行り)
 脱線もあり、道は長いケド、続けます✧♡






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