無用の介は凄い✧♡
子どもの頃、ちらと見たことある気がする時代劇が再放送されている。
最近、殊更、時代劇にハマっている黒帯(旦那)が、録画して観始めた。
初めはメールチェックしながら背中で聞いていたが、今まで時代劇で観ていたのと全く違う感じがするので、私も観る!といって、夜に一緒に観始めた。
いい。とてもいい。
私が人生初めて、この時代劇は何か違う!と思ったのは「木枯らし紋次郎」だ。いつもようじ(とっても長い)を咥えてて、「あっしにはかかわりのないことでござんす」と言って去っていく。超クールキャラ。
その割に、刀での命のやり取りは、かなり必死だ。
普通の時代劇にある様に、数十人を一気にバサッばさりと切ったりしない。一人切ってはよたよた、二人切ってはぼろぼろ、そうだよなあ、人を殺すってそれぐらい大変で、ただの殺陣のように、シャッシャッシャ、スタッ、終了、みたいにはならない。刀だって、ぼろぼろになったり、なまくらになる。そんな木枯らし紋次郎を好きだった子供時代。
木枯し紋次郎も、再放送で、観ていた。
「無用の介」についても、主演の伊吹五郎をしばらくの間、十数年も「無用の介」と呼んでいたことを考えれば、彼にとってこの役は当たり役だった。子供時代、紋次郎ほど、ファンじゃなかったけど、今観ると、紋次郎よりもさらに、リアルな物語なのではないかと思う。
一番初めに気になったのは、死体の顔。
死体が、他の時代劇みたいに綺麗じゃない。
目が白目を剝いたり、鼻に泥が詰まっていたり、死体も尋常じゃない死に方をした凄い顔をしているのである。
もうすぐ死に至る人も小判を一枚ずつ口に入れて呑み込もうとしたり、そのあさましい姿は・・・ヤバい。胸に迫る。
そして、この伊吹五郎のイケメンぶりはどうだろう?
この無用の介の原作は、さいとうたかをらしいが、彼が描くような、ハードボイルド顔。
伊吹五郎からゴルゴ13を考えたのでは?と思うほどの美男だ。
そして、物語の、渋いこと!
無用の介は賞金稼ぎと遊女の間に生まれた無用の子、そして、自分も賞金稼ぎになり、この世に悪人は無用!だから切る、という名前の男なのだ。
みなから、用無し犬と呼ばれていて野良犬扱い、本人も生きるために水たまりの水を犬のように飲んでいる。(←川の水ではない。水たまりの泥水だ)
ちょっと紹介しただけでもこうなのだから、物語が、いちいち渋い。
普通の時代劇とは全く違っている。
剣客商売も、ごくフツ~の時代劇に見える程、尖ってる。
監修、内田吐夢。
監督は話によって違う。高橋繁男さんの回がスキと知る。
たしか内田吐夢は、有名な監督の名前だ。検索!
今、黒帯と情報を共有し合って2人で雄たけびを上げた。
なぜなら、2人共、映画「飢餓海峡」が大好きだからである。
あの、下北を舞台にした暗い映画にノックアウトされている。
あの映画の俳優、細部、すべてに、堪らないものを感じる。
暗いのに何度も見たくなる映画って何だろう?
「飢餓海峡」「八甲田山」(←監督は違うと思うケド、舞台が青森県ってだけで、並べちゃった)
なんだか結末を知っていて暗い映画なのに定期的に観たくなる映画。
青森県が舞台っていうのもあるけど、やはり名作なのではないだろうか。単にエンタテイメントだけの映画じゃない。
今、全く、我々は無用の介の時代劇にハマっているのである。
池波の原作がいいように、さいとうたかをの原作もいいのだろう。
しかし、今日、監修で、ある名前を知った。
内田吐夢だったから、好きだったのだ。
カメラワークも、こんな角度で、この月を撮る?っていうぐらい、普通のドラマと違っていて、なんだか、時代劇って、定番表現が多いだけに、超、眼からウロコが落ちる。
なんだか凄い。無用の介。
こんな名作があったのだ(⋈◍>◡<◍)。✧♡
しばらく楽しむね💖
記事を推敲していて気が付いたけど、
私が描いている「観音漫画」に出演させた
「nothing to do here anymore氏」は、
日本語では「無用の介」では?
キャオワン!(きゃあの最上級です)✧♡