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『観光記』について

『観光記』について

詩集じゃない本です。
随筆やエッセイから近くて遠いところにある、これは「レポート」です。
2013年から2020年1月に書いたものを詰め込みました。

『観光記』
全55篇収録 104頁
新書判(103×182mm)
4月中旬発売予定
(※noteの記事の中で景色など写真を掲載することがありますが、本文に写真の掲載はありません)

これを書いている4月10日現在、私は29歳です。
一週間後この本の発行日を迎え、30歳になります。
20代の内にレポートを提出することは決まっていたことのように思います。
この星にて出会ってきた有形無形を書き残したものの中から「何度も思い出したいこと」を紙に留めたら、とても頁数が増えました。(栞も作りたい!)

詩じゃない言葉を本にするのは初めてで、
「どんな風に受け取ってもらえるかな」と制作中もどきどき(通り越して緊張)していました。
そんなどきどきを抱えつつ毎日公園で原稿の紙束を校正している間に、
私やあなたがいる世界がすっかり変わってしまいました。
「今、読みたい本を作れました」とはなかなか思えなくて、
この季節に本を出す人の定型句になっている「こんな時期ですが余裕があれば、」を添えても足りないくらいの心細さが今の本心の一部としてあります。

今、この本が世界にやってくることについて私は見つめてゆきます。
そしてこれからも新たなレポートを書いてゆきます。
もしもあなたがあたらしい世界の中で、感じることをやめずに
いろんなかたちのレポートを、生きていることを、残そうと考えているなら
「この本を読んでほしいです」とどうにか打ち明けられるかもしれません。
ちいさな声で、未来への予感にふるえながら。

もくじ

1.
詩の所在
生者の特権
思い出すのにもってこいの日
6時00分発京都線河原町行き
測れないかなしみ、肩代わりできない痛み
わからなくて泣く
おおきなものに降られながら一滴ずつ濾過する
野の歌
みんなで分担する
先生のはなし(緊張をほぐすレッスン)
私の荒野
来たる言葉を待ってくれ
成る
銀河を作る
ぜんぶ未来にまかせたい
ずっとこのひとに愛されたかった
全ての離別へ私が語ること
ツルツルの奥歯
ここにないもの、ここに在るもの、ここに在ったもの
先生のはなし(言葉でなにかを殺すこと)
想像すること
私たちの交歓、私たちの呼吸、私たちの散歩
いてほしいひとになる
平和の作り方
持ち場から持ち場へ
401号室の住人の帰宅
愛情
なにをしているの(どうやって生きているの)その問への返答について
頑張らない方法をおしえてください
告白する勇気をください
おとなの風邪
こころ
ベランダからの便り
抱擁の言語
4月1日にしか話せないこと
息の守り方
あなたの季節

2.
言葉がなかったら生きられなかった星
私はなりたい
光を観ている
旅する惑星
ここはひとりでは立ち行かない世界
いい
庭に立つ、庭に転がる
うつくしい暗やみを眼差す屋根
歩行
汎用的私信
言葉に渡す
消える
ハルに会う
台風19号
その夜あなたと話したこと
2019.4.17
輪郭を思い出す/おまえに見えていないうつくしさ
歓びについて

お取扱店 ★4/28更新

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