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「クリスマスのための詩」について

クリスマスという祝福

昨年から、クリスマス(12月24日・25日)に詩を届けています。
指定日配達というソリを借りているサンタクロースです。わたしは特定の信仰をもたないですが、枕元にプレゼントが置かれていたあの朝のうれしさをよく覚えています。どんな人もこの日に何か受け取れるものがあればいいなと思い、今年もクリスマスプレゼントとして書き上げました。
昨年は「12月の夜のための詩」と名が付いていた通り、冬の夜の冷えた手を握るための詩を書いていました。
今年は、同じ動機を抱きつつクリスマスという祝福についてじっくり向き合ってみました。

サンザシの花、ベツレヘムの星、雪と羊

詩について

聖句の選定を友人である池田慎平牧師(日本基督教団津示路教会)にご協力いただき、聖句を柱とし3つの詩を書き上げました。信仰をもたないわたしにとってクリスマスを祝うってやっぱりちょっと不思議な感じがするけれど、わたしが詩として差し出したいものを聖句の言葉と照らし合わせたり拾い上げたり、結わえたりひらいたり…これはオマージュと言っていいのか題材としているのか、なんとも言葉にし難い「読むことと書くことのやり取り」を続けながら書きました。聖書や教えを熟知しているわけではなく、それを説くことが目的でもない自分が書くものですから、結局書きたいことに帰ってくるのでしょうが、書き終えると確かにわたしひとりでは書けないものだと納得したりしていました。

題と詩の一部を掲載します。

「光としてあなたへふれる」

「光としてあなたへふれる」  わたしたちは隣り合って/ この十二月に生きている/ どうか/ 命へ 見えざる毛布を贈るように/ 指先へ 微かな熱が渡るように (※一部抜粋)
「光としてあなたへふれる」  わたしたちは隣り合って/この十二月に生きている/どうか/命へ 見えざる毛布を贈るように/ 指先へ 微かな熱が渡るように (※一部抜粋)

聖句:ヨハネによる福音書第1章1-14節 言が肉となった
箔押し:サンザシの花(金色)


「星と灯火」

「星と灯火」 いと高き彼方より/生まれた光が降り立つ地上は夜/星の光に導かれ/歩めるわたしたちは灯火の群れ (※一部抜粋)
「星と灯火」 いと高き彼方より/生まれた光が降り立つ地上は夜/星の光に導かれ/歩めるわたしたちは灯火の群れ (※一部抜粋)

聖句:マタイによる福音書第2章1-12節 占星術の学者たちの礼拝
箔押し:ベツレヘムの星(金色)


「この世における冬の旅」

「この世における冬の旅」 めいめい選び取った器と匙を手に/ひとつの鍋で煮えたスープを口にする/冬は等しく我々をひとつの弱き体と見做す/凍えるその手は私が隠した言葉であった/この内臓の灯火があなたの愛であるように/冬は等しく我々をひとつの炎として抱き留める (※一部抜粋)
「この世における冬の旅」 めいめい選び取った器と匙を手に/ひとつの鍋で煮えたスープを口にする/冬は等しく我々をひとつの弱き体と見做す/凍えるその手は私が隠した言葉であった/この内臓の灯火があなたの愛であるように/冬は等しく我々をひとつの炎として抱き留める (※一部抜粋)

聖句:イザヤ書第11章1-10節 エッサイの根より
箔押し:雪と羊(銀色)


お届けについて

到着希望日を12/24と25のどちらかを備考欄にご記入お願いします。ポスト投函ですので時間指定はできません。もしも記入のない場合はおまかせとさせていただきます。
贈り物として送り先が異なる場合はその旨ご記入お願いします。
投函スケジュールの都合で、受付締切は12/12までです。
ご不明な点あればおたずねください。

冬の特別な手紙

詩を書くことは、手紙を書くことに近いです。
特にこうして届く日のことを思いながら書く詩はほぼ手紙なのだと思います。この世の、この冬に隣り合うあなたへ、贈り物ができるなら何て書こう。そうして考えているといくらでも溢れるものがあります。
愛なるものへ。鈍く光るささやかな祝福を贈ります。

昨年の記事はこちら


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