にぎやかしいオードブルの前で
安心しているよ。
一年前の自分のとなりに腰掛けてそう言える気持ちを、ぜんぶ伝えられるほど言葉はうまくできていない。私もぽんこつだけれど、言葉だってそうなんだ。これは道具。道具のための感慨なんて、感情なんてない。だから拙い言葉を何度だって交わし合う。大丈夫なときも、そうでないときも、今ここをどうにか生ききるために、あなたの目や耳を頼りながら、私は言葉のはたらきを信じる。
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