思い出すのにもってこいの日
電車もバスも高いところからの眺めをくれるので、大きくて硬いものをまじまじと見る。ビルの手触りを想像する。私は、すごく大きくて硬いものがすこし苦手だ。(新幹線乗るのきらいじゃないけれど姿形を見つめているとざわざわする)
大阪駅前にまた大きくて硬いビルが立ち現れていた。この街は人々の思いの圧が強い。期待や愛情が強くて、それを受け止める地盤もある。街はもう人相さえ持ち合わせた、複合的な人間なのだ。部屋を借りて暮らしていることが、なにかから匿われていることにしか感じられなかった5年間