『観光記』より

9

未収録三編+アフター観光記

突然のお祝い 『観光記』刊行から2ヶ月が経ちました。 はっと思い立ち、一次選抜会まで残っていた三編を公開します。 「面と点」 「好物放浪記」 「に…

「庭に立つ、庭に転がる」より一部

どんな会社や組織も、社会と繋がっているその手が冷えないようにと願っていることを知っている。願い続けて温まりたいのに、健全な願いを持ち続けること…

おおきなものに降られながら一滴ずつ濾過する

「どこに降ろうか」と雨のような気持ちで書き出す。 体をなくせる、わたしをなくせる、幾つもの生を得られる、と言うと胡散臭いと思うのは人間の頭。 …

「ここはひとりでは立ち行かない世界」より一部

あなたがうれしいと私もうれしい。 あなたがかなしいと私もかなしい。 あなたは忘れてしまうけれど私はうれしい。 あなたは捨ててしまうけれど私はかな…

思い出すのにもってこいの日

電車もバスも高いところからの眺めをくれるので、大きくて硬いものをまじまじと見る。ビルの手触りを想像する。私は、すごく大きくて硬いものがすこし苦…

「消える」より一部

それでも生きものなので なにかおおきなものにしがみつきたい夜もあります ここまで書いて これから書こうとしていたことを先に済ませました 靴箱を抱き…

「言葉がなかったら生きられなかった星」より一部

ひとりでいるとどうして一緒にいたのかがわかる。家族のことも、友だちのことも、恋人のことも、会社のことも、町のことも、国のことも、世界のことも、…

いい

しつらえられた空間ではみんな大きくて立派。そもそもどこにいたってみんな、いい木。悪い木なんていない。たくさんの手が撫ぜてつやつやになった木も、…

『観光記』について

『観光記』について 詩集じゃない本です。 随筆やエッセイから近くて遠いところにある、これは「レポート」です。 2013年から2020年1月に書いたものを…