ドイツ語学習のこと🇩🇪
ハンブルクで暮らし出して以来、心を悩ましているのは自分のドイツ語能力です。
自己紹介の記事でも書きましたが、ドイツ語を勉強し始めて20年近く…ドイツのローカル企業に現地採用されてる、という話やドイツ生活3年目と話すとみーーんな「ドイツ語ペラペラなんだ?」と言ってくれるけど、そう聞かれると思わず口をつぐんでしまいます。
資格だけで言えば、私は確かにC2を有しています。けど試験に受かったのもまぐれだった、というかたまたま運が良かっただけだと感じる時もあるし、C2持っててもその程度なの?と思われてしまうのじゃないか、という怖いガクブルネガティブな私もいます…(完璧主義の悪い癖です)。実際のところは「自分はドイツ語出来る!」と胸を張れる日と、「ドイツ語がこんなに下手くそで嫌になる…」というしょんぼりな日が常に入り乱れています。今日はといえば、まさになんか自信が無い日でした。
今の会社は同僚のうち、95%はネイティブドイツ人です。ミュンヘンの職場は政府機関絡みだったので、日本が優勢で・日本語が話せるドイツ人も多く働いていたため、職場で日本語を話す機会は多かったですが、ここは全然違います。「今日は日本語全く話さなかったな」という日もあります。また音楽業界や劇場のように、多国籍の人がいてインターナショナル、というのとも違って、基本右を見ても左を見てもドイツ人…となるとキツイのが、ネイティブ10人程の中にポーンと一人入ってドイツ語で会話をするシーンです。そうなったとて、自分に自信がある音楽声楽や芸術の分野であれば胸を張れるのですが、今いる会社は印刷後処理機械のメーカーでまあ馴染みのない分野です。Druckweiterverarbeitungなんて単語、20年間使ったこと無かったわ!そもそも論ですがメーカーで働いた経験がないので売上、受注額、納期遅れとかっていう単語にも日本語ですら慣れてない。営業やサービスサポートとかそういうテーマにも疎い。比較的得意な翻訳であっても単語がパッと出てこなくて…日本語の原文を読んでも、いまいち頭に入ってこないようなテキストなのです。
こんな感じ↓
ものづくりや販売業界にいる人から見たらなんてことないかもしれません…単語さえ覚えてしまえば確かに大丈夫なんですが、なんせ今は新しい言葉を覚えるのに必死で、なかなかそれを使って会話についていきながらの同時通訳・議事録取りという処理速度にまでは至れません。これにプラスで、会社製品である機械の理解も入ってくる・型番や部品名もバンバンに飛び交うし、代理店名や個人名もプラスしてもはやどれが固有名詞なのかもわからない状態(白目
そんなこんなで、でも今6週目に突入し、今は「はいはい、わかってきましたよ、あれでしょ?」っていうのと「ほへ、何の話してんだかさっぱりです」というのがごちゃ混ぜのフェーズ。
あとはデスクのある部屋やお昼休みの食堂での雑談もキツイです。一対一や二人+自分、位なら問題ないのですが、それ以上のドイツ語ネイティブ達の輪になるとわからない表現だらけ…それプラス、時事問題的な話とか芸能の話とかも出てくるからテレビを見ない自分はもうさっぱり。今日の昼はドイツ議会選挙の話とドラマシリーズ「ジェイク・ポール&マイケル・タイソン」の話で、選挙の話は任せろ、Brombeer-Koalitionだろ?!政府機関にいたぜ!と鼻息荒く混ざれましたが、タイソンはお手上げ。そもそも興味ないし。
私の悪い癖は、一回「あ…わからない、かも…」となった時に、すぐ自分を責めてしまう点です。「ごめん、分からない!」と声をあげられればいいのですが、すぐにintrovertiertの方向にいって黙りこくってしまいます。後、ドイツ人は特にとてもダイレクトな国民性なので、相手の言ってることがわからなかった時には面と向かって「貴方、何言ってるかわからない」と返すことも珍しくない&全く悪気は無いのですが、元気が無かったり自信喪失が続いている時だと、そういうのにもいちいち傷ついてしまう。なので今は、とにかくドイツ語を喋るのが怖くなった時こそ、タンデムやドイツ語オンラインレッスンの約束を取り付けたり・比較的会話しやすい同僚のデスクに行って雑談をしたりして、HPを回復=「ほら、私ドイツ語喋れる」って自信を取り戻すようには心がけています。そして変な顔をされたり、うまく伝わなかったぽい表現はメモをしておいて、タンデムとレッスンのときにnatürlichな表現を習うようにしています。そしてその話をしていない同僚を選んで、習った表現を実践すると「よし、喋れた!」と自信も回復…✨こうやって、少しずつ少しずつ成長できればいいな、と思っています。
私が今オンラインで不定期にレッスンを受けているドイツ語の先生はとっても優しい方で、私もよく泣き言を話したり・相談をしますが、一度「Ayanoはネイティブになろうとしているように見える」と言われたことがあります。「7歳までに既に学習していた言語じゃ無い限り、それは絶対無理だよ。どんなにドイツ語上手になったとしても、ネイティブにはなれない、って弁えたほうがAyano自身が楽になると思う」と言ってもらいました。それを聞いて目から鱗ポロポロ&その言葉はかなりの支えになっています。
「ああ、自分はなんてドイツ語下手くそなんだ。今日もあんなにわからないいことだらけだった」とマイナスばかり見てしまう自分ですが、「ネイティブじゃないし!むしろ今日は、あの時は話に入れたんだから万歳だぞ!」とちょっとずつ自分を褒めるように心がけています。そうじゃないと心が折れちゃうし、今の環境…
あと、駐在日本人が英語で会話しているのを見ている時に、「なんかハードル低そうで羨ましいな」という気持ちになることがあります(こう文章にすると「何様?」って感じで偉そうですが…)。お互いに母語じゃ無い・外国語を使ってるから、何というかイーブンだし、会話の密度も申し訳ないけど薄っぺらいんですよね。ドイツ人の人達も皆英語上手なものの、やはり彼らにとっても外国語だから使う表現も限られてるし。そこでいうと、ドイツ語に戻った時の彼らの自由度の高さよ…!今の会社では三言語話すのは私だけなので、この気持ちはなかなか誰とも共有できません…
ドイツ語に限らず、ローカル企業に現地採用された同境遇の日本人の方がいたら、是非お話ししたいものです…👀