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息子のアパートを決めるの巻

3連休の最終日に20歳の息子「一人暮らし第2章」の部屋を決めて来た。(ロードかよw)
いつものように淡々と書いていきますが会話多めです。

当初決めていた「自宅から1分のアパート」は、早々に手を付けられてしまったので最初から探さなければならない。
10時半に不動産屋の店舗訪問のアポを取ったので、スノボに行くため泊まりに来ていた息子に声をかける。

「行くよ!」

「ちょっと待って、靴下靴下」

「アンタさぁ、こっちに置いておく用の下着類を全部持って帰るから、毎回ストックが無くてお母さん買ってるわけ。いいかげん、置いてってくれない?」

「さーせん」

さーせんじゃないよ。全く世話が焼ける男だよ。

変な寝癖がついたままだったけど、不動産屋までダイエットがてら歩くことにした。
徒歩25分。結構な距離だけどこれも息子のため。

競歩のように2人して歩きながら、先月の成人式の話を聞く。

「エージが金髪になってた」

「え?あのエーちゃんが?」

「性格は変わらず、穏やかな金髪だった」

「穏やかな金髪ってなんかウケルね」

気になっていた就職の話をしてみた。

「就職活動はする気になったの?この前会った時に「就職なんてしたくない!俺は作曲で一発当てる!」とかアホな事言ってたけど」

「あー、就職?頑張るよ。就職活動がんばるから」

「アレ?どうしたの?」

「この前までは、就職なんかしたら地獄の始まりだって思ってたけど、お母さんが「意外と楽しいよ」って言ってたから前向きに考えられるようになった」

「あらよかったじゃん」

「でもお父さん見てると地獄を感じるんだよなぁ・・・」

「お、お父さんはさ、じ、自営業だからさ、サ、サラリーマンとは違うから・・・じ、地獄に見える?」

「見える」

「お、お兄ちゃんは頑張るんだよね?お、お母さんちょっと安心したわ。と、とりあえずダイエットだけどね」

「うす」

カランコロン 不動産屋に到着する

営業マンは小山と名乗った20代半ばのメガネに鼻マスク、見た目はあまり頼りにならなそうだけど・・・

予感は的中。
物件の条件は言ってあるのに何も用意してないじゃん怒
PCを見て一生懸命探しているので、その間は小声で小鳥のさえずりかのように息子とおしゃべりに興じる。

「最近サウナどこ行った」
「蒲田温泉いいよ」
「大学の友達が福岡帰ってるけど、そいつ引越しどうすんだろ」
「そいつもこっち住めばいいじゃん」
「いや大学から遠いだろ」
「蒲田なら大学から近いんじゃね?」
「蒲田温泉行ってみようかな」
「水風呂9度だけどね」
「エグっ」

おしゃべりに興じている間に物件のプリントアウトを見せてもらうと、

「この2軒になります」

って少ねーだろ。
ちょっと不満に思ったのでスマホを操作して、

「〇〇マンションと‪✕‬‪✕‬アパートは空いてますか?」

と聞くと、

「しょ、少々お待ち下さい」

またPC画面に向かってパカパカと打ち始めた。

おせーな

その間また息子とおしゃべり。

「就職はどういう系目指してんの?」
「いやー、実は広告系を狙ってまして」
「アンタ、マーケティングとか大丈夫なの?」
「なんすかそれ?」
「統計学とか学んでんの?」
「大丈夫っしょ」
「やべーなオイ」
「今売り手市場なんで」
「まずはダイエットだな」
「うす」

最初にプリントアウトした2軒と私が提案した学生マンションを内見する事になった。

特徴は下記(広さ、設備、家賃はほぼ一緒)

A  大規模学生マンション

駅近家遠(駅近にはなるが自宅からは徒歩15分)
学生専用マンション
1階東向きベランダ有り
築60年

B  小規模マンション

駅遠家近(駅から遠く家からは徒歩10分)
3階南向き角部屋ベランダ有り
銭湯の近く
築30年

C  ロフト付アパート

駅変わらず家近(家から徒歩7分)
2階北向きベランダ無し
築25年


「Aの学生マンションがいいなぁ」
「いいよね。学生のうちしか入れないし」
「やっぱ近くのA大とかM大の人ばっかりかなぁ…こえーな」
「アンタA大馬鹿にしてんの?アンタも滑り止めで受けたじゃん。そういえば受験の日に仲良くなったヤツいたよね」
「いたいた。川越かなんかに住んでた奴」
「初めて見たマスクイケメンって奴だよね」
「そーそー、弁当食べる時にマスク取ったらイマイチだったヤツ」
「そいつ居るんじゃないの、この学生マンションに」
「いねーだろ」
「いたら仲良くなればいいじゃん」
「まぁ・・・なるだろうね」

おしゃべりに興じる母と息子は止まらない。

「あ、あのー・・・お車回して来ますので、少々お待ちください」

そんな親子に割って入る営業マン小山だが、私たちのおしゃべりは留まることを知らない。時の中で~、いくつかは~♪

車が来たので乗り込む2人。

「なんか、この白い車・・・昨日の夢に出て来た」
「よくある車だろこれ」
「なんかさ、温泉街をグルグル廻ったの。この車で。廻っても廻っても、目的地に着かなくてさ」
「お母さんの夢って、本当に疲れるよね」
「そう、この車で廻ったのよ」

「後部座席のシートベルトをお締め下さい。それでは行きますね」
口をはさむ営業マン小山。
するとその時、


ドスン!!!!


ちょ、ちょ、ちょ、
あまりに急な発進過ぎて、私と息子は思いっきり前のめりになり、私のバッグの中身がボロボロと落ちた。

「し、失礼しました」

小山ーーーー、お前どんな運転してんのよ。やべーぞおい。
シートベルトしてなかったらヤバかったぞコノヤロウ。

その後も約5分程の乗車時間なのに、何度も停車発進でつんのめりながらも、ようやく最初の内見場所の学生マンションに着いた。

学生マンションに着いた途端、私と息子は思わず声をあげた。

おぉぉ、こ、これはなんとも・・・


*長くなっちゃったので次に続きますw















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