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無の世界から有を生み出す営み

夏と秋が混在している空を
「行き合いの空」と
名前があります
  
  
今朝、ふと空を見上げると
地上と空の境目に積乱雲
高いところに巻雲、巻層雲が混在していて
まさに、夏と秋が行き合っていました
  
 
自然界の
あらゆる事象に
名前がついている
 
 
先人たちは
自然界の営みの細部にわたるまで
意識を巡らせていたんだなと
感動させられる
 
 
小学校の教科書に
先人たちが
自然界のあらゆる事象の
微細な変化を感じ取って
多くの名前をつけたという話が
載っていました
 
 
イヌイットは「氷」、
日本人は「月」が
例にあげられていた
  
 
微妙な変化を感じ取り
様々な名前を付け、
その状態を固定し、記憶する

 
夢枕獏さんの小説
「陰陽師」の中で
「名前とは、この世で一番短い呪(のろい)」だと
安倍晴明が話している場面がありました
 

子供が誕生した時に授ける名前もしかり、
自然界のあらゆる事象につけられる名前、
いずれも、
一種の「呪」として
先人たちは捉えていたということでしょうか

この世界のあらゆる
モノやコトに名前を付けることで
概念として縛り、
共通認識として固定し
時代を超えて伝えてきました
 
 
その営みは、
古事記の創生神話にもあります
  
 
名前を付けることで
混沌とした無の世界から有を生み出す
万物の創造と同じ営み
 
 
森羅万象あらゆる自然界の営みに
名前を付けるという
先人たちの試みは、
災害の多い日本で生き抜くための
先人たちの知恵でもあったとも思います
 
 
「呪」の語源は
神棚に向かって祝詞を上げる姿だと
言われています
 
 
この世界で起きる現象に
名前という「呪」をかけ、
概念として共通認識し、
大難を小難に、
五穀豊穣や世の平安清明を願い
「祈る(意宣る)」
 
 
「(い)のる」
「のろう」
 
確かに似ている
 

目の前のありのままの現象を認め(見止め)
名前をつけ、
より暮らしを豊かに
いかに平穏に過ごするかを

言祝いできた先人たちの知恵が
日々の暮らしの中に
【名前】として伝え残っている
 
 
豊かだなって思います

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