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トライアスロンのことについて語るときに私の語ること

今日は2024年5月3日、金曜日。茨城県のひたちなか市。自動車安全運転センター安全運転中央研修所。あきれるくらいさっぱりと晴れわたっている。雲ひとつない。

ゴールデンウィーク真っ最中にも関わらず、私は自動車安全運転センターを自転車で走りました。1周5kmのサーキットのような、フラットな整備されたコースを36周、合計180km走りました…。

今までに自転車で180kmを連続して走ったことがなかったので、距離的にもチャレンジではありましたが、それよりも、周回コースをぐるぐると7時間(速い人は5時間くらいで終わるけど、私は遅いので7時間かかります)も走り続けるという精神力を保てるのかというのが一番の不安でした。

私は今までに最長で150kmを走ったことがありますが、だいたいいつもまとまった距離を走ろうとすると、60~80kmくらいが一番きつく感じます。今回も2時間ちょっと経った時に頭がぼーっとしてきて、コースの真ん中に置いてあったカラーコーンに激突しました。

カラーコーンにぶつからないようにしないとダメだよ!って思えば思うほど、カラーコーンを注目してしまって、思考停止している脳は、カラーコーンを目指して突進してしまうのです。

みごとに真正面のど真ん中から激突したので、私もカラーコーンもお互い全くバランスは崩さずに、何もなかったかのように進み続けました。(それでいったん目が覚めて、寝ていた訳ではないのですが、次の周回でトイレ休憩をとりました)

村上春樹が『走ることについて語るときに僕の語ること』の中でウルトラマラソンのことを書いている章があり、

「僕は人間ではない。一個の純粋な機械だ。機械だから、何を感じる必要もない。ひたすら前に進むだけだ」
その言葉を頭の中でマントラのように、何度も何度も繰り返した。

とあるのですが、全くその通りの気持ちになりました。
だんだんとお尻が痛くなってきて、お尻の痛みのことは考えないようにしよう、と走りに集中しているうちに、むしろもう何も考えられなくなっていきました。しかしやがてお尻の痛みのことしか考えられなくなり、そしてまた何も考えられない状態がやってきて、の繰り返しでした。

120kmを越え、140kmを越えるとあとはあっという間でした。(全然あっという間ではないけど)完走した感想は、足よりもお尻が痛い…でした泣。

実はこの数か月間で私の毛髪は白髪が爆誕していて、私は毎日泣いています( ノД`)寒い冬の間の練習のストレスと、疲労で活性酸素を大量生産しているんだと思います。もともと健康になりたくて始めた運動、トライアスロンだったのに、今は何でやっているのかわかりません笑

ヴィクトール・E・フランクルは『夜と霧』の中でこう書いています。
生きることの意味を問うことを止め、私たち自身が問いの前に立っていることを思い知るべきなのだ。

もうトライアスロン(特にロング)をやることに何か意味あるのかな?と考えるのは無駄だということも、7時間耐久してよくわかりました。意味は何でもよくて、自分で作るしかないのだと思います。

私も村上春樹みたいに、
少なくても最後まで歩かなかった
と後で言いたいから、練習頑張ります。



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