#14 洗脳?支配?
毎週土曜日は幼稚園でおやつが出された。みんなが大喜びで食べる中、私は頑として拒否。その理由は常日頃「ママの許可無しに何か食べてはいけません。食べる物はママがいいよと言ってから」と言われていたからだ。友達の家に行ってもおやつを食べなかった。とにかく母が怖かった。約束を破れば叩かれるのは分かっている。もう私にとって母の言い分が正しいか正しくないかはどうでも良い。叩かれるか叩かれないかで判断して動く子供になっていた幼児期の私。
幼稚園側にしてみたら、おやつも集団生活の一つの取り組みなので私の態度に困惑。母に連絡がゆき「幼稚園と章子ちゃんのお家で出されるおやつはママの許可無しでもよい」にルール改正された。
お菓子に限ったことではない。一事が万事この調子なのだ。全ての行動に母の許可が必要だった。「トイレに行っていい?」「お人形遊びしていい?」「本を読んでいい?」言わずに行動したら激怒される。叩かれたくないから従う。
そして母の支配はエスカレートしていった。「今、へんな顔してママを見たわね。ママの悪口でも頭の中に浮かべてたでしょう。絶対そうに違いない」
言葉に出していないことまで決めつけるようになってきた。今から思えば、当時の母は病んでいたのかもしれない。でも幼い私にはそれが正常かどうかなんて分からない。私の脳みそとママの脳みそはつながっていて、ママのばーか!なんて思っただけで引っ叩かれるんじゃないかと怯えた。
ここまでが私の幼稚園時代に起きた母との出来事。幼稚園生活はそれなりに順応して楽しく過ごしました。ただ人と関わることが嫌いな母は運動会や学芸会などの日に合わせて家族旅行を計画。園の行事は高確率で欠席していたので思い出があまり無いのです。強く心に残っているのは絵画教室通い。とにかく絵が嫌いでした。辞めたいと言いながら全く取り合ってもらえずに5年も通わされ、小学校2年生からは水彩画から油絵に転向させられました。立派な画材を前にとんでもない低レベルな絵を描く私に先生も困っていて、辞める時誰よりもほっとしたのは先生だったと思います 笑。
ただ単に母が嫌いだった子供時代。何かおかしいと思いながらも、私が母のアスペルガーに気づいたのは大人になってからなので、ここから何十年も先になります。重い内容が続きますが、今後も読んで頂けたら嬉しいです。