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写真が、わたしにくれるもの

写真があまり好きじゃなかった。
撮られるのがなんだか小っ恥ずかしかった。

他の人が見ている前でカメラを向けられるのが、なんだか嫌で。恥ずかしくて。写真なんて撮らなくて良いよ、もうあっち行こうって、何度親に言っただろう。


時代が流れ、携帯にカメラ機能がつき、大きなカメラを持たなくても、手軽に写真が撮れるようになった。自撮機能がつき、撮影者も一緒に写真に入れるようになった。被写体とカメラマンの垣根がなくなりつつあるのが、現代なのかなと思っている。

かつて写真を撮られることが恥ずかしかったわたしも、20代前半の時は被写体として活動していたし、1年前から一眼レフを持ち、写真を撮るようになった。

身近になった写真。

そんな写真が、わたしにくれるのは、間違いなく「思い出」なんだと思っている。


シャッターを切る瞬間は、きっと、今この瞬間を切り取っておきたいと思う、心が動かされた瞬間。


わたしはよく、旅に出る。1人旅も、彼との2人旅も、両親と妹との家族旅行も、いつも一緒に連れて行くのは、カメラ。

大事なこの瞬間を残しておきたいと思うのは、今のこの瞬間は永遠では無いと知っているから。かつて写真が恥ずかしかった何も知らない子供のわたしとは違って、今がかけがえのない時間なんだってことを知っているから。



先日、家族で行った北海道で、「そういえば前回はどこに行ったっけ?」という話になった。カメラロールをさかのぼると「初日はここ、2日目はここに行って、最終日はここだったよ」と説明できるほど、全ての記録が残っていた。そのときに自分が何を感じたのか、楽しかったのか、疲れていたのか、そんなことも、写真を見れば全部わかる。

あぁ、写真って、素敵な思い出を残すツールなんだなぁと、そのときにしみじみと感じた。



この夏に籍を入れた彼とは、ずっと遠距離恋愛だった。だったって言ってるけど、今もなお遠距離には変わりない。お付き合いを始めた8年半前から今までずっと、合う頻度は月に一度程度。一緒に過ごせるかけがえのない時間に、2人の大切な思い出を残したくて、今までに何枚も写真を撮った。

アルバムに残されている2人の写真を見返しては「このときのデート楽しかったなぁ」なんて、余韻に浸って、次に会える日を心待ちにしたりして。何度も何度もアルバムを見返すもんだから、どんな写真を撮ったことがあるのか、8年半分、ちゃんと覚えている。


ねぇ、写真が思い出を残すってさ、当たり前だなって思うんだけど。

過去の一瞬を切り取るなんて、そりゃそうだって思うんだけど。

でもさ、やっぱり嬉しいよ。自分の大切な人が、自分が切ったシャッターの中で幸せそうに笑ってる姿を見るの。誰かに撮ってもらった旅先の写真の中に、満面の笑みの自分と誰かがいるの。

上手く撮りたいって思う。素敵な写真を撮りたいって思う。

でも、やっぱり、それよりもね、大切な今を、ちゃんと思い出に残したいなって思う。


写真がわたしにくれるものは、なにげない今は、大切な思い出の1ページなんだということ。



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