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結婚式で感じたのは、幸せな気持ちだった【挙式レポ】

2020年12月20日。京都の平安神宮にて、親族だけの結婚式を挙げた。

本来であれば、2020年の3月に予定していた式。だけど、新型コロナウイルスの影響で延期を決め、そして、渦中ではあったけれど12月に開催する運びとなった。

色々と不安な中だったけれど、結婚式を終えて思ったのは「本当にやって良かった」ということ。

結婚式、かなりお金もかかるし準備も大変だし、それにこんな世の中だし、別にやることはマストなわけでもないし、やらなくてもいいのでは。いつ情勢が落ち着くのかも分からないし、落ち着くのを待っていたらいつまで経っても式出来ないだろうし、それならもういっそしないという選択をしても良いのでは。
色々、色々考えたけれど、それでもやっぱり、人生のセレモニーとして、本当にやって良かったなって思える素敵な1日だった。


結婚式当日。朝から支度のために誰よりも早く会場に着いたわたしと旦那。同じお部屋で彼は袴に、そしてわたしは白無垢に着付けられていく。着々と進む準備の中、スタイリストさんが他愛もない会話でその場を和ませてくれる。みんなから「かわいい」「かわいい」って言われ、わたしも上機嫌。彼もわたしを見て「ええやん」ってまんざらでもない感じ。わたしも彼の袴姿を見て「かっこいいやん」って伝えると「当たり前やろ」っていつも通りの返事。

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ずっとずっと憧れだった白無垢。自分の名前である「あやめ」にちなんで、菖蒲の模様が入っているものを選んだ。写真にはあまり目立って写ることはないくらいのさりげないデザイン。一生に一度しか着れない白無垢。このお着物に袖を通せて本当に良かった。

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衣装合わせの時に何着か着用させていただいてはいたけれど、いざ当日ににこうして着てみると、想像以上の重さでびっくり。「お布団を着ているみたいになるよ」って事前には聞いていたものの、本当にそんな感じで。12月の式だったから、このお布団のおかげで寒くはなかったけれど、それでもやっぱり一人で身軽に動くなんてことは出来なくって。誰かがそばにいないとちょっと不安になるなぁという気持ちになった。

でも、結婚式で自分が一人になるなんてことはもちろんなく。隣を見ればいつも袴姿のかっこいい彼がいる。いつどんな時でも、そばに彼がいるこの1日を通して、「あぁ、わたしはこれから先の人生をこうしてふたりで歩んでいくんだな」ってことを、本当に本当に実感した。たった1日の結婚式だったけれど、入籍した時よりも、同居を始めた時よりも、この結婚式の1日がいちばん実感した。

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伝統ある平安神宮の儀式殿での神前式。三々九度の盃を交わし、巫女の舞を拝見し、指輪の交換をした。よく見る教会での「誓います」の言葉とか、誓いのキスとか、そういうのは一切やらなかった。豪華できらびやかで華やかなものは必要ない。いつまでもわたしたち夫婦が平らかで安らかでありますように。平安神宮を選んだのは、そんな気持ちもあったから。

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式を終え、親族だけの披露宴。

披露宴会場への扉が開いた瞬間、わたしたちに集まる視線と拍手。その中を彼と手を取り合って高砂まで進む。たった数メートルのことなのに、もう早速涙が出そうになってしまった。まだ早い、そう思ってなんとかこらえたものの、色々あったけれど、こうして集まってくれた親族のみんなに対して、感謝の気持ちでいっぱいだった。

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ウェルカムスピーチのためにマイクを持った彼。小学校の同級生ということもあり、もう20年近く彼のことを見てきたつもりだったけれど、あんなに緊張している姿を見たのはこれが初めてだったかもしれない。あまりにもの緊張で考えていた原稿が飛んでしまったらしく、もうそれはそれはしどろもどろ。だけど、そんな姿ですら微笑ましかった。親族だけの披露宴だったから、みんな「うんうん」ってしながら彼の次の言葉を待ってくれていた。彼の緊張にわたしも少し動揺してしまって、彼が何を話したのかはあまり覚えていないのだけれど「こんなに可愛いお嫁さんをもらえて本当に幸せです」って言ってくれていたことだけははっきりと覚えている。嬉しかった。

20代も後半になると、色んな人の結婚式にお呼ばれする。どの式に行ってもお決まりの演出に、正直、少し飽きてしまっている自分がいた。「おふたりの初めての共同作業です!」ってアナウンスから始まるケーキ入刀とか、ファーストバイトで旦那さんが大きいスプーンやスコップで食べさせられてクリームまみれの顔になるとか。なんか、そういうの、わたしはやりたくないな、なんて。普通やん、ありきたりやん、って思ってしまった。

ということで、ケーキ入刀もなし、ファーストバイトもなしにした。(あと、従姉妹ちゃんたちがアレルギー持ちでケーキが食べられないので、もうケーキの存在自体をなしにした)

その代わりに、日本酒が大好きな彼と共に、鏡開きで乾杯し、披露宴をスタートさせることにした。鏡開きなんて一生のうちに出来る機会なんてなかなかない。だから、サプライズで両家の両親も呼んで、6人で小槌を持って樽を開いた。席札の代わりに名前を入れた枡を置いていたので、それに日本酒を準備してもらって。乾杯の挨拶は、小学校の先生でもある彼のお兄さんに頼んだ。人前で話すことに慣れているお兄さん、さすがのスピーチだった。

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おいしいお料理を食べながら、お写真をたくさん撮ってもらい、式直前ギリギリまで作り直したプロフィールムービーの上映。せっかくだから美味しいお料理とお酒をみんなにも楽しんでもらいたいと思ったから、披露宴中の出し物は最小限にした。

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本当は、お色直しもするつもりはなかった。白無垢が着れればそれで充分って思っていたから。でも「せっかくなら色打掛も着たら?」と、最後の打ち合わせで彼が言ってくれたから、お色直しもさせてもらうことになった。

真っ白な菖蒲柄の白無垢から、真っ赤な色打掛へ。

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赤は王道だなって思ったりもしたし、わたしがいつも選ぶお着物は大抵赤色だから意外性ないなぁなんて思ったりもしたけれど、やっぱりわたしがこの晴れ舞台で着るのは赤が一番しっくりきた。赤を選んで良かった。お色直し、やって良かった。

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フォトラウンドで各卓を周り、たくさん写真を撮った。みんな笑顔で、みんな「おめでとう」って声をかけてくれて、こんなに幸せなことってないなぁって改めて。

披露宴も最後の最後。わたしから両親に向けての手紙の朗読。本当は手紙なんて見ずにしっかり両親の顔を見てスピーチするつもりだったんだけれど、まぁ冒頭での彼のスピーチのたじたじな具合もあったことだし、ここでしっかりわたしがスピーチしてしまうと彼の顔も立たないな、なんて余計な思考が働いたので、しっかり手紙を読むことにした。
手紙を読むだけだから泣かないだろう、そう思っていたのに、ちらりと見える両親がびっくりするくらい大号泣していて。その顔を見てわたしも涙が止まらなかった。あぁ、わたしはこの両親の子供で本当に良かったな、手紙を読みながら純粋にそう思った。

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両家代表謝辞は、わたしの父にお願いした。父も仕事柄人前で話すことには慣れているタイプだったので安心してお任せしたのだけれど、直前のわたしの手紙で号泣しすぎて何を話そうと思ったのか全て飛んでしまったらしい。冷静に努めながらも内心は焦っている様子が、横に居ても伝わってきて、父らしくなくてすごく新鮮だった。それくらい、心が動いたんだなって事が、すごくすごく嬉しかった。

そして最後の彼からの新郎挨拶。
この日を迎えるまで、たくさんの葛藤があったこと。彼が泣きながら話す「延期を決めてから今日までの間に、大好きだったおばあちゃんが亡くなってしまったこと」「この延期は正解だったかわからなくなったこと」。等身大で述べる彼の言葉に、きっと誰もが心を打たれた。わたしも横で、涙が止まらなかった。今回の延期をしての決行が、正解だったかどうかなんて、誰にも分からない。だけど、わたしたちがこの選択をしたのだから、他でもないわたしたちがこの選択を正解にしようと思った。

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エンドロールが流れ、最後の1人をお見送りするまで、本当にずっとずっと幸せな時間だった。

みんなが「良い式だったよ」「呼んでくれてありがとう」「結婚式してくれてありがとう」って伝えてくれて、たとえそれがお世辞だったとしても、社交辞令だったとしても、本当に本当に嬉しかった。

結婚式、本当にやって良かったと思った。


控室に戻ってお着物を脱いだら、もう本当にくたくたで。本来であればここからまた着替えて2次会なんかをやっていたのかと思うと、もうそんなこと信じられないくらい疲れ切ってしまっていた。世の中の新郎新婦はみんなすごい。この1日のために体力作り必要だったかもって終わってから思った。思うのが遅いけど(笑)

でも、本当に素敵な1日だった。幸せな1日だった。

何度も言うけれど、本当にやって良かった、結婚式。

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一生に一度、そして大きなお金も動くセレモニーだから、関わる色々は、どうしても友人知人にお願いしたかった。


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鏡開きのお酒と豪華な菰樽は、わたしと彼の共通の友人である、楯の川酒造株式会社北山幸輝くんに用意してもらった。中のお酒はもちろん楯野川。彼のこだわりで美山錦の中取りの純米大吟醸。食へのこだわりのある親族にも大好評だった。美味しいお酒と、ご厚意での鏡開きの樽と小槌の手配、本当にありがとう。


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わたしの髪につけていたビーズのかんざしは、わたしと彼の小学校の時の同級生、そしてわたしの親友であるももちゃんにいただいたもの。まだ結婚式をすると決める前から作ってくれていて、「結婚おめでとう」ともらったもの。絶対これを式当日につける!って決めていたから、このかんざしをベースに色打掛の色も、ヘアアレンジも決めたと言っても過言ではない。素敵なかんざしを、どうもありがとう。


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ブライダルネイルは、大学時代の友人で人気ネイリストの蔵田清乃ちゃんに。白無垢でも色打掛でも邪魔をしないシンプルなデザインに、ワンポイントで左手薬指に菖蒲の花を。彼女が爪の上に描く繊細な絵が本当に好きで、結婚式では絶対にくらちゃんにネイルをしてもらいたい!って思っていたから、叶ってよかった。快く引き受けてくれてありがとう。


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ウェルカムスペースに飾っていたボードのイラストは、わたしと同じオンラインコミュニティに所属していたイラストレーターの犬山ハルナさんにお願いした。ハルナさんのイラストの雰囲気がとっても好きで、ウェルカムボードはどうしてもハルナさんにお願いしたいって言う希望を直接お伝えして今回描いていただいた。出来上がりがあまりにも可愛すぎて、このイラストのポーズと同じ写真を撮りたいです!ってカメラマンさんにもお願いして撮ってもらったくらい。
こんなに可愛いイラストを、本当にありがとうございました。


たくさんの人に支えられ、たくさんの人の協力してもらい、たくさんの人に祝福された結婚式。こんなに素敵な式になるんだったら、どうせなら親族だけじゃなくて友人のみんなにも見てもらいたかったな、なんて後になって思ってしまうくらい、本当に良い1日だった。多分、これから先何があっても、この日のことは忘れないだろうな。そんな風に思える1日だった。

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これから、彼と一緒に歩んでいける未来が幸せなものでありますように。いや、幸せになるかどうかは、わたしたち次第だな。

だからこれからも変わらず、笑いの絶えない明るい家庭を築いていくって決めた。

これからも、どうぞよろしくお願いします。



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