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ポジティブ心理学でウェルビーイングな日々を・13「寝る直前の時間だけは=楽しい記憶を無意識にプレゼントしよう」

すごーくシンプルで、簡単で、
今夜から、誰でも試せるのだけど、
実はとっても効果的なコツを教えるね。

満たされて、穏やかな心でいるためのコツね。

メンタルヘルスの研修をやるときにも、

「今日教えたこと、帰ったら全部忘れちゃったとしても!
お願いします!
これだけは、今夜、寝るときに試してみてください」

と、毎回伝えていること。

そう、「寝るとき」のことなの。

端的に言っちゃうと、


「寝るときだけは、いいことを考える」


それだけなんだけど・・・。


もともと私がこのことを意識し始めたのは、
中村天風さんの言葉を記した著作群の中で、
くり返し説かれていたからなんだ。

「夜、寝床の中だけは、
神さまのふところの中へ入ったような、
穏やかな気持ちになってごらん。
今夜から、寝がけだけは、
絶対尊い人間になるんだ」

「夜、寝ぎわだけは、
考えれば考えるほど嬉しくなること、
思えば思うほど楽しくなることだけを
心にありありと描く」

それだけで、
どれだけでも心が強くなる・・・と。


そして、その後、
脳科学やポジティブ心理学の視点からしても、
寝る直前の時間というのはとても大切だと知ったの。

寝る直前の15分間くらいというのは、
「記憶のゴールデンタイム」と言われていて、
最も記憶に残りやすいんだって。

寝る前に考えたことは、
他の思考に邪魔されず、
そのまま脳に残りやすい。


さて。
ここで思い出してみて。
あなたはいつも、
寝る前にどんなことを考えていることが多い?

昼間の仕事のこと?
明日の仕事のこと?
本を読んだり、
スマートフォンを見ているうちに、寝落ちしちゃうかな?

昼間、気になることや嫌なことがあったり、
心配ごとがある日って、
そのことを、寝る前にグルグル考えてしまっていないかなぁ?

いや、私は考えちゃうのよ。
意識していないと、どうしても・・・。

だからね、ハッとして、無理にでもやめるの。

この、無理にでもやめる、切り替えるっていうのが
大事なんだよ。
これができるかどうかが、
自分を幸せのほうにコントロールできるか、
幸せでいるためのスキルがあるかってこと。

私も、まだできない日もあるけどさ。


今考えても仕方がないことは、考えるのを明日にして、
寝る前だけは、絶対にいいことを考える。

「いいこと」っていうのは、以下のようなこと。


●感謝できること。
私の場合、隣で子どもがスースー穏やかに寝息をたてていること、
それだけで、心からありがとう・・・っていう気持ちになれる。

●楽しみなことや、楽しかったこと。
これからの予定でも、
これまでの思い出でもいいんだけど、
楽しい気分になることね。
友だちと遊園地にいったときのこととか。

●嬉しかったこと。
これまで言われて一番嬉しかった言葉とか、
嬉しかった瞬間の場面を思い出してみよう。

●好きな景色。
あなたが好きな場所ってどこかしら?
心が落ち着く場所は?
私は、どこまでも続く広々とした草原に寝転がって、
涼しい風が吹きぬけていくようなイメージを思い描くよ。

ちなみに、
ノーベル経済学賞を受賞した、
ダニエル・カーネマン博士が提唱した
「ピークエンドの法則」によるとね、
出来事の印象は、
「ピークの印象」と「エンドの印象」で決まるんだって。

なので、その日一日の「一番楽しかったこと」を
「その日の一番最後に思い出す」ということを繰り返していれば、
脳には、「楽しい、嬉しい」という記憶がどんどんすり込まれて、
「私の人生は楽しい、嬉しいものだ」という意識になっていくよね。


睡眠時というのは、
意識が後退して、無意識が前面に出てくる。
無意識の領域にあるものが
夢として出てくることは、よくあるよね。

昼間は気にしていなかったことが夢に出てきて、
「ああ、私、あのこと、無意識のうちに気にしていたんだな・・・」
と気づかされることって、私もよくある。

意識が無意識に切り替わる、
意識があわいに溶けていく、
寝る直前の時間。
寝る前の15分間。
ここで、意識が無意識にプレゼントを贈るんだ。
「大丈夫。私は楽しいよ。人生はいいものだよ」っていうイメージを。
無防備な無意識は、それをそのまま受け取る。

心理学者のユングによると、
私たちは、氷山の一角のような意識と
その奥にある膨大な無意識でできている。
無意識の部分が、
私たちをコントロールとしているといっても過言ではないんだ。

その膨大な無意識に、
何を貯めたい?
楽しい記憶か。
ネガティブな感情か。

だからね、
今夜から、寝る直前の時間だけは、
いいことを考えよう。
いいイメージを持って眠りにつこう。
すべてを神さまに委ねるような気持ちでね。

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※このコラムは主にポジティブ心理学に基づき、
幸せでいるためのエビデンスに基づく方法を紹介しています。
※ポジティブ心理学の分野では「Well-being」を高める方法が数多く研究されています。

※このコラムの参考文献 :
「天風先生座談」宇野千代 著
「君に成功を送る」中村天風 著
「THE THREE HAPPINESS」樺沢紫苑 著

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