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意外と男性のほうが結婚に囚われている?パートナー関係の幸せの定義について考えさせられた/日テレドラマ「こっち向いてよ向井くん」

9月13日(水)で最終回を迎えた日テレドラマ「こっち向いてよ向井くん」をみて、意外と女性よりも男性のほうが現代の社会構造である限り
社会的役割を果たすためにパートナー関係の幸せの定義を「結婚」「子供」「男して家族を守ること」と捉えている。そう思うと「ただ一緒にいたい」というパートナー関係は成立しないのかという問いにぶつかり考えさせられた
ので、ひさしぶりに投稿。

原作を描かれたねむようこさんの下記コメントの通り、実在する男性の話がモチーフになっているのでドラマで描かれている内容もかなりリアルで、日常の感情の機微を丁寧に描いているストーリーが好きな私にとっては見応えがあった。

ある日深夜のラジオでパーソナリティの男性が赤裸々に失恋の話をしていました。仕事では成功してどこからどう見ても立派な大人の35歳男性。なのに恋となるとこんなに無様なのかと、なんだか可笑しくて愛おしくて、次の漫画の主人公はこんな感じの男の人にしようと思いました。

https://www.ntv.co.jp/mukaikun/original/

私自身女性視点で見ていたので、その視点で問いにぶつかったストーリーを紹介します。(※ネタバレあり)

<女性A>
生田絵梨花さん演じる美和子が、赤楚衛二さんが演じる主人公向井くんと10年前当時に付き合っていた時に、向井くんに「美和子のこと守る」って言われて、「守るって何?」と答えて別れる。
10年後再会して別れた理由を話すシーンで、美和子は「結婚はしたくない。結婚しなくても幸せになれる。2人の幸せ=結婚と決めつけて欲しくない。独身で幸せな人もいっぱいいる。だから2人の幸せについて2人で一緒に考えたかった。結婚ってなんだろうねって。私の話を聞いてほしかった。」と本当の気持ちをぶつけた。そんな美和子に対して、向井くんは最終的に「結婚しなくても幸せになれるってロジックが俺にはわからなかった。なんでそんなに結婚が嫌なの?」と、再会して復縁を期待していた向井くんから別れを告げる。

<女性B>
藤原さくらさん演じる向井くんの妹・麻美と、岡山天音さんが演じる元気くん。人と違うぶっ飛んでいる元気が好きだと付き合って結婚した途端、そんな元気くんでも「夫として麻美を幸せにしたい」からとマンションの購入を検討したり、仕事を無理するように。そんな元気をみて麻美は、そんな元気を好きになったわけじゃないのにと違和感を持つ。

そして「わたしは元気との関係にノイズが入ったことが嫌なんだよ」と伝え離婚を切り出す。一方で元気は「全然理解できない。好きな人を幸せにしたいと思うのが普通じゃない?」と理解に苦しみ、2人はすれ違っていく。


▼▼個人的な感想▼▼

これをみていくら女性が結婚に興味ないと思っても、意外と男性のほうが
パートナーとの幸せ=結婚・子供・好きな人や家族を守ることを当たり前と考えてる。だからその当たり前の反対方向にいきたいひとは結婚したくないと言っているが、その間に彼女と長く付き合えば付き合うほど勝手にプレッシャーを感じて別れを告げるのかなあ…

とそんなことを考えながら、同い年で早くに結婚し子供もいる男の子に「なんで結婚したの?」と聞いたら、「地に足着けたいからじゃん?」となんともしっくりくる言葉をもらった。

そう。男性は「地に足着いている」と出世しやすい、既婚者のお客様には既婚者が担当になるといった企業はまだ存在するだろうし、そして、事実、モテる(笑)

つまり周囲から「信頼・安心のイメージ」を得られることで、事前に狙ってても狙ってなかったとしても、付加価値となるオプションが後から色々とついてきて、競争社会で勝って生き残っていくという名残りのある男性にとって「信頼・安心のイメージ」はひとつの重要な武器となるのだ。

そう思うと、昔からの男性と女性の役割の名残りがまだある現代の社会構造である限り、「幸せ=結婚・子供・家族を守る」という定義はまだ続きそうで、しかもそれは、男性自身の意志に限らず、社会の構造によってなくならないのかもしれない。
と同時に、女性のプレッシャーも。

個人的には、結婚は「目的」ではなく「手段」。その「目的」をどうしたいかは人それぞれ。だから決めつけたくないが、仮に自分が大好きな人と価値観が違ったら、美和子のいうように価値観の違いをすり合わせていく対話を2人の気が済むまでは続けていきたい。


たとえ2人にとっての幸せのゴールが見えなかったとしても。


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