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瓦、いろいろ。

福岡県久留米市の市立施設・えーるピアの前に飾られた鬼瓦。
威厳があるけれど、ユーモラスな表情です。

鬼瓦 (鬼面)は室町時代にお寺等の屋根の飾りとして、その後民家の「魔除け」として、威厳ある日本の瓦の代表として盛んに製造されてきました。 13世紀後半頃から獅子や怪獣の顔から二本角で虎の牙で怒顔の鬼の顔に変わりました。

家に暮らす人たちが日々平穏に安心して暮らせるように、火事をはじめとする災厄が家に寄ってこないように、という願いを感じます。

ところで、瓦は、産地や材料で色が違いますよね。

愛知県の三州瓦、島根県の石州瓦、兵庫県の淡路瓦が瓦の日本三大生産地。この3つで日本の瓦生産の80%以上を占めます。
愛知県三州瓦は、色のバラエティが様々。
島根県石州瓦は、赤系や黒が多く、雪や塩害に強いので、山陰、北陸、以北でよく使われています。ロシアにも輸出されているのだそうです。
兵庫県淡路瓦は、色は落ち着いた「いぶし銀」。
京都など近畿地方の神社仏閣の瓦屋根の、優美な雰囲気を出しています。

こちら福岡県久留米市では、この鬼瓦のように、淡路瓦に近い「いぶし銀」色の瓦をよく見かけます。

城島瓦 (粘土瓦)と呼ばれ、久留米市城島町で作られています。

実は、こちらの江戸時代の藩主有馬氏は、今から約400年前関ヶ原の戦い以後、丹波の国からやってきました。

その時に丹波から瓦工も連れてこられ、幸いにも筑後川沿いに良質な粘土層があったため、城島で瓦の生産を開始することとなりました。

京都と久留米は、地理的には遠いけど、お殿さまかやってきたおかげで、京都の進んだ文化もここに根付いたのです。


瓦の「いぶし銀」は土の自然な色ですが、街並みになじむ美しい色です。
子どもの頃は地味だなあと思ってましたが、瓦の落ち着いた雰囲気がだんだん好きになってきました。

皆さまの家や、近所で見かける瓦は何色ですか?


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