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花びらの埋葬

きのうまで 大事にしていた たからもの を

いつものように にぎったら

こなごなに くだけちった

手のひらの中で

ぱりぱりと かわいた音がした

それは

だれかと一緒にひろった 

花びらだったか それとも

貝がらだったのか わからないけれど

とっくに 枯れてしまっていたのだ


くだけちった こまかいかけらを

ひとつのこらず 両手でつつみこんで

楠の木の根元へ 埋めた

かぶせた土を 手のひらで やさしく

でもしっかりと 押さえる

私ひとりの おとむらいが 終わる


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私の住んでいる辺りでは学校や公園には楠の木が多く、私にとってなじみ深い木です。



読んでくださって本当にありがとうございます☆