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不思議なワインの話
この話は、クロアチア旅行のついでに隣国のボスニア・ヘルツェゴビナに行ったことから始まります。
ドライバー兼ガイドさんに車で何箇所か観光地に連れて行ってもらったのですが、「ボスニアは実はワインが美味しくて、Blatinaという品種がおすすめ」と道中で教えてもらいました。
Mostarという街でランチを食べた時に、Blatinaの赤ワインがあったので頼んでみました。確かに美味しい。
気に入ったので、現地のスーパーで750mlのボトルを2本ほど買いました。
その後イタリアにも寄ったりしたので荷物になって大変でしたが、その2本のワインは大事に日本に持ち帰りました。そして2本とも大切に飲んだ記憶があります。
少し話は変わって、私も仲良くさせてもらっている、夫の会社の同期の男性がいます。ここでは仮に田中さんと呼びます。
夫と一緒に3人で飲んだり、釣りに行ったりする仲なのですが、田中さんも旅行好きで、コロナ前は旅行のお土産をお互い渡したりしてました。
何かのきっかけで田中さんから「そういえば、前にお土産でボスニアのワインもらったよね?まだ会社に置いてあるんだよね」と言われました。
それを聞いた私は「そっか~田中さんにも渡したんだ」くらいにしか思わなかったんですが、夫は「いや、それは俺が渡した物では無いと思う」と言いました。
田中さんも私も「いやいや、ボスニア・ヘルツェゴヴィナにわざわざ行く人なんてあんまりいないし、多分私達が買ったんだよ」と反論し、3人でしばらく議論しました。
田中さんは、そのワインを貰った状況をよく覚えていなかったそうです。でも会社の同僚でボスニア・ヘルツェゴビナに行った人は他に知らないので、私達夫婦からもらった物だろうと。
結局その場で結論は出ず、「一人で飲むのもアレだし今度3人で飲もう」ということになり、後日我が家で宅飲みをする時にそのワインを持ってきてもらいました。
ワインは750mlのボトルで、Blatinaと書いてあり、私達が旅行中にガイドさんにお勧めされた品種と同じ。ボトルもなんか見たことあるような気もするし、初めて見たような気もする。分からない。これが実際の写真です。
「このワインはどこから来たのか?」の議論が再び始まりました。私も田中さんも、「我々夫婦が買ってきたもの」と思っていたのですが、夫の反論は以下の通りでした。
・お酒を誰かのためのお土産にすることはあるけど、せいぜいミニボトルで、750mlのフルボトルを買うとは考えにくい
・その後イタリアの3都市を周っていて、移動も大変だったので、そんなに大変な思いをして持って帰ったワインを人にあげるほど私達はお人好しではない
・そもそも田中さんには頼まれていた革のコインケースをイタリアで買って、それをお土産として渡している。それに追加でワインもプレゼントするはずがない
これを聞いて、私は完全に夫側に寝返りました。確かにそうだわ。あの状況で持って帰ってきた貴重なワインを誰かにあげる、って夫が言い出したら私、反対しますわ。
ちなみに、クロアチアのドゥブロヴニクを拠点にボスニア・ヘルツェゴビナを訪問し、その後ベネチアに移動したのですが、ベネチアに着いた日は高潮でホテルの前の歩道が冠水していて、スーツケースを転がせない状況でした。更に、中にはボスニアのワインだけでなく、同じくクロアチアの隣国のモンテネグロで買ったワインやビールも入っていてスーツケースはとてつもなく重く、夫はそれを両手で抱えて運ぶという大変な目に遭ったのです。そんな苦労をして持って帰ってきたワイン、確かに人に渡さずに自分たちで楽しむよなぁと。
結論として、私達夫婦が渡したものではない、ということになりました。でも結局、田中さんはこのワインをどうやって手に入れたのかは謎のまま。いまだに真相は分かりません。
そのワインは3人で美味しく頂きました。
もしこれを読んでいる方で、ボスニア・ヘルツェゴビナで買ったワインを会社の同僚にお土産で渡した、という人がいましたら、教えて下さい。それが我が家で飲んだワインかもしれません。
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