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黙っていたことがあります。わたしは「雨アレルギー」です。

※こちらの記事は2020年に公開していた記事を、noteに移行しております。

わたしと雨アレルギーの付き合い


今から10年前、わたしが中学3年生になった時から

雨が降ると「目が痒くて、クシャみが止まらない」と言う症状に悩まされている。

とにかくひどい。

本当にひどい。

花粉の時期が終わっても年中一人だけ花粉症みたいな感じだ。

もっと言えば花粉症の方がまだマシかもしれない。


中学の頃はエアコンをつける習慣がなかったので

少し暑くなってきた今ぐらいの時期は

窓を開けて耐え凌ぐのだけれど

雨が降った日、もしくは雨が降る前の黒い雲が見える日は

わたしにとって地獄以外のナニモノでもなかった。

雨の空気や気圧に触れると「アレルギーが発症」する。

わたしは少しでも空気などに触れないように

ミイラのようにタオルで顔をぐるぐる巻きにして

涙を流しながら授業を受けていた。

みんなから変なやつだと思われても

そんなことを気にしていられなかった。

梅雨なんて大嫌いだ。

どれだけお化粧をして綺麗にして出かけても

鼻の下から垂れてくる鼻水と、

目頭に髪の毛がずっとチクチク当たっているような感覚。

痒みがひたすらにずーっとわたしを襲う

高速で目をかきながら鼻をかむループで

1日が終わってしまいそうなくらいなのだ。

もちろん化粧は全て剥がれて

平安時代のような極薄の顔になる。

笑えるんだけど全然笑えない。最強の悩みなのだ。


どれだけひどいかと言えば、

  • くしゃみが連発でずっとでる

  • そのせいで人から避けられる

  • 鼻水、吸っても吸ってもでる

  • マスクが濡れるくらい垂れてくる

  • 鼻水のせいで頭がぼーっとする

  • 仕事にならない

  • 目が痒い

  • 目をかくから化粧全部取れる

  • マツエクしても一週間持たない

などなど

ドン引きした人もいるかもしれないけれど

これを書くためにものすごく勇気を振り絞って

書いているのでもう少しだけ読んで欲しい。

日常生活への支障

雨アレルギーなんて見たことない聞いたことないって人がほとんどだろうし、「たかがそんなことで気にしなくていいのに」と思うかもしれない。


でも、驚くほどに日常生活やコミュニケーションに支障がでてしまう。


好きな人と会うために綺麗な自分でいたい。

でも、顔面がめちゃくちゃになっているので

仕事終わりなんてとてもじゃないけど会えない。

仕事中のくしゃみで人を不快にしていないか心配。

「雨」と言うだけでみんなに気を遣わせてしまう。

まつ毛が抜け落ちるのでスッピンの自分を見た時にげんなりする。


仕事中でもどこでも、「窓あけて喚起しよう〜」とか

エアコンじゃなくて窓開けよう〜」なんて言われたら

わたしにとっては地獄なのだ。


ほとんどの人はわたしのこの症状を気にせずにいてくれるんだけど、

やっぱりたまにすごく嫌な顔をする人がいる。

でも、その人は悪くない。

わたしのアレルギーが悪いのだ。

そう言う素直な反応を貰ってしまうと、

気にせず接してくれていた人たちも心の中では

めんどくせえな」と思っているんだろうな、

とどんどんネガティヴな方向に考えてしまう。

「雨」=「嫌い」

そうやって10年間気にし続けてきた結果、

「雨」と言うワードが大嫌いになった。


天気予報で雨が続くとそれだけで憂鬱だった。


気分も下がってしまって

そうなるといろんなことを

ネガティブに捉えてしまうようになるので

傷付いたり、人に当たったりしてしまいそうなので

梅雨はなるべく、自分から人と触れ合わないように

無意識に一線を引いてしまうようになった。

****

「うつるから。」

昔歯科衛生士になるために、大学病院で実習を受けなければならなかった。

専門学校の同期たちは雨が降った日

あや、雨アレルギー大丈夫?つらくない?」と

言ってくれる人たちだった。


そんなふうに言ってくれる人たちが

家族以外にもいるんだと、一気に救われた気持ちになった。


雨が降った日、「嫌だなあ」と思いながら

実習に行った。

これ、くしゃみ止まらんくなったり毎回目を掻いてたら

医療系だし迷惑だろうなあ」と思った。


ドキドキしながら実習先に向かった。


最初は大丈夫だった。順調だった。


でも、あまりにくしゃみが止まらなくなって

実習先の衛生士さんから

部屋に呼び出され、

「体調管理できますか?患者さんにうつるから。」と言われた。


その一言に何の悪気もなくて

ほんとにその通りだ、と思った。


その時「わたしは雨アレルギーです。」って言えばよかったんだけど

そんなこと言ったら馬鹿にされるだろうって思って言い訳するのをやめた。


わたしは申し訳なさと悲しさで胸がいっぱいだった。


帰りの実習評価にも「体調管理ができていない」と言う文字が見えた。

みんなわたしが呼び出されたことに対して

大丈夫だったか」と色々励ましてくれたけど悲しさは消えなかった。


変なアレルギーさえなければ、こんな評価を受けなかったのに。

こんなに悲しい気持ちにならずに済んだのに。

みんなに気を使わせずに済んだのに。



みんなは「気にしなくていい」と言ってくれたけど、

でもわたしが耐えられなかった。

もう自分が悲しい思いをしたくなかったから。

*****

病院での診断

わたしは病院に行った。

「原因はわからないけど雨アレルギーだろう」と言われた。

薬を飲めば治ると思っていたけれど

薬がだんだん効かなくなっていくだけで、

一時的には症状は落ち着くけれど、全然治らなかった。

薬の強さだけがどんどん強くなっていった。

副作用で昼間の眠気とだるさが酷かった。


色々調べてみたけれど

結局よくわからなかった。


症状と向き合う

だからもう、この症状と向き合うしかないのだと思った。


受け入れるためには、この胸の内を全部ぶちまけるしかないと思ってここに書いた。


***


正直、これはコンプレックスだ。


わたしの周りの人たちは

受け入れてくれているのだけれど

いちいち説明できないような関係(患者さんとか)の人たち

嫌がられたらやだな。って

あのとき言われた「うつるから」って言葉が

ずっと頭に残っていて

この人もそう思ってるのかなって。

もう傷つきたくないなって。


だから息を止めたりして

なるべくくしゃみしないように

涙を溜めながら仕事したりしてた。(我慢できないんだけどね)


でも、それにも疲れた。

全てを伝えて、誰かに受け入れて欲しいと言う思いも強くなった。


そしてこの苦しみを味わっている人は

わたしだけじゃないことも、知って欲しい。


ずっと自分を苦しめてきたコンプレックスと向き合うのはすごくしんどい。


ましてや、たくさんの人に伝えるのはものすごく怖い。

わたしはいつもコンプレックスとか

悲しかったこととか

ブログに書いているんだけれど


いつも顔が鼻水と涙とぐちゃぐちゃだし、

おかげで手も濡れてるし、心臓もバクバクしてる。


でも、そう言うのをかき終わって公開ボタンを押す頃には、

すこし自分のコンプレックスと向き合えるような気がするのです。


どんなに煙たがられても、

自分の目や、鼻や、身体を、心から愛せるのは自分しかいない。


自分が愛せなかったら、一生こういう自分を憎み続けてしまうから。


そんな人生はもう終わりにしたい。

これからはもっと自分の身体を好きになりたい。


好きになって、無意識に諦めていた「人」との距離を縮めていきたい。

***

アレルギーに限らずとも、自分自身にコンプレックスを感じている人はたくさんいると思う。

そんな人は勇気を振り絞って書き出してみてほしい。

人に見せなくてもいいから

頭の中の憎しみや悲しみをぶちまけてみると

少しはそのコンプレックスと向き合えるかもしれない。


現にわたしはぶちまけてよかったと思う。

わたしの場合は、文章にして

書きなぐって、思い切り泣いて、

泣きながら寝たりしながら、

冷静になって、過去やコンプレックスと向き合うようにした。

そうした今、すごくスッキリしている。

きっと少しは、自分のことを許せるようになってきたと思う。

わたしはこんなちっぽけなことで悩むちっちゃな人間です。

他にもいろんなコンプレックスがあるのだけれど

こんなふうにちっぽけなことで悩んでしまうような小さい人間です。


くだらないから、最近は自分で笑って受け入れるようになりました。


きっとわたしだけではなくて

誰にも言えずに悩んで苦しんで

つらい思いをしている人はたくさんいます


でも、つらい思いをしているのは

あなただけではないと言うことを知ってほしい。

わたしも自分ともっと向き合って

あなたと一緒に頑張っていきたい。

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