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サービス減算社会と加算するブライダル

5月に結婚式をあげます。
昨年10月から会場決めをはじめ、2ヶ月後の挙式に向けて準備をしているところです。式場の担当者さん、花屋さん、カメラマンさんなど、みな良い人で打ち合わせをするたびに「大変だけど頑張って準備していこう」と前向きにしてくれる方ばかりです。彼らはみな、支援者だなと感じます(笑)

打ち合わせを重ねていくうち、さまざまなことに驚かされると同時に、日々の生活とのギャップを感じます。

夢のような空間提供のご提案をいただくと同時にお金の話がついて出てくるということ。「この演出だと○○○○円」みたいなことが必ず付記されていますし、応対してくださるスタッフも必ずその説明まで行います。

拡張性が高くて挙式の再現性が低いせいか、個々のサービスの説明+料金ということもあるのかなと思いますが、その値段うんぬんよりは、なんどもお金の話がでてくるのでしんどくなります。

当初の見積もり段階などでしっかりとこちらから「どこからどこまでがサービスなのか」ときめ細かく聞いておけばそういうことにはならないのでしょうけれど、僕の場合は当初予定していた予算の60~70%増しくらいで現在進行しています。どこぞのオリンピック会場の建築予算みたい。
(式を挙げる前にこんなことを書くのは参列くださる方に恐縮です...)

で、ブライダル業界を批難したいとかということではありません。式の準備をしていると、日々触れるサービスと考え方が逆だなと痛感するんです。それは私たちが普段受けているサービスとの異質さにも繋がります。

足していく違和感

式場が用意する最低限のプランで式を行うとしたら、一般的にご参列される方々にご満足いただけるものを提供するのは難しいと思います。

食事も美味しいけれど、これではちょっとおもてなしとしては弱いと感じさせられますし、カメラマンや前撮りもプラン外ですからその辺りは追加せざるを得なくなります。

お花屋さんと打ち合わせしているときにきいた「ウェディングケーキを飾るお花は○○○○円で周りに生花、ナイフに花をつけるならたらもう○○○○円」みたいな、えっ!そこでも別立て!と驚きを隠せずその場で言葉にしてしまいました(笑)

他にも、挙式中に新婦が持つブーケとブーケトスで使うブーケは別料金と聞いてびっくり。よく考えたらそりゃそうです。だってトスしたら手元からなくなるし。

減らすサービスに慣れた自分

重ねて書きますが、これは初期の打ち合わせの段階で「どこまでがプラン内なのか」を明確にしてもらわなかったこちらの落ち度です。これだけ高価なサービスを受益する側としてはそこまでやるべきです。反省。

あえて「なぜそんな決め方をしてしまったのか」を振り返ると、何より自分のコミュ障が炸裂したのと、何を相談すれば良いかわからないというのが最大の原因ですが、もうひとつにはサービス提供の概念に差を感じています。

僕が普段触れるサービスというのは、どちらかというとパッケージ化がされているもので「それを選べば良い」段階で提供されることが多いのではないかなと思います。で、むしろ不要なものを減らしていくように思考が働く設計になっているのかなと。

携帯電話の契約とかそんな感じですよね。キャリアのサービスが過剰に感じればMVNOのようなサービスを限定して安く済ませる方へ思考が働きます。飛行機やホテルなんかもそうです。

結婚式の場ではそういった考えでいくと通用しないんですよね。基本のプランは根本にある式を挙げるため必要な人材・会場の確保という意味でそれ以外はほとんど入っていない。それは前述のように拡張性を優先してプラン化できる範囲がそれくらいしかないというのもあるかと思います。

日常的に使われる「プラン」や「サービス」という言葉が持つ意味合いと逆な感じがして「結婚式はしんどい」「高い」という感覚につながっているのだとしたら、もったいないなあと感じます。

不自然な価格競争

スマ婚さんのWEB上に書いてある一文が僕には明朗でした。

すべてのアイテムにおいて専属指定業者システムを廃止し、複数のアイテム業者と提携をすることで自然な価格競争を促しています。比べていただければ分かる、納得の適正価格=”スマ婚価格”とクオリティ。
【スマ婚・低価格の理由:https://smakon.jp/reason/ 】

この「自然な価格競争を促し」というのがすごいです。だって今までは不自然だったって言いたいわけですから...それが、日々受けるサービス感覚との乖離が起きる理由では起こしているのではと納得しています。
※スマ婚さん未使用なので、サービス選択が課題にあるのかは触れません。

それは、会場さえ決めてしまえばそれ以降は離脱しにくいシステムになっているというのはやっぱり「不自然な価格競争」ですよね。

会場決めのところまではかなりのコストが投入されて、減額クーポンなんかもとんでもない額であって、ゼクシィなどを筆頭に大手企業が参入してしのぎを削ってます。
ただ会場が決まってしまえば、あとはその会場に出入りしている業者(ホテルならそのグループ会社など)が寡占的な状態になっていて、価格競争(というかサービスの切磋琢磨)は発生しないというのもちょっとありそうですね。

資本主義から外れた感覚のなかで

最後に、このnoteを書くにあたって価格競争の話を中心に据えたくないと思っていました。そもそも冠婚葬祭というのは互助の精神が強くて、いわゆる資本主義の思考とはちょっと違うのではないかなと。今もご祝儀でみんなで式の開催を支え合っていますし。

あくまでお祝い事であるからこそ、もっとポジティブなイメージにするにはどうしたら良いのかな、サービスの考え方の差異が結婚式にネガティブなイメージを持たせていないかなという課題感を共有したかったのです。

まだ2ヶ月ほど、結婚式に関わる期間があるので、折に触れていこうかなと思います。

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