見出し画像

【詩】透明パネルⅠ~Ⅱ

透明パネルⅠ

最初の頃の戸惑いは消え
いつしか慣れていった
透明なパネルが
人との間に置かれることに

パネル越しの言葉たちは時折
相手の心に響くのを躊躇うように隔たり 
もどかしさの残像は
気が遠くなるほどいつまでも纏わりついた

あれから数年
パネルがなくてもいい日常が戻って来た
私たちは自由を取り戻せただろうか
見えない壁はどこかに消えてくれただろうか

私たちは
愛で乗り越えてきた
だから
今度もきっとできる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

透明パネルⅡ

最初の頃の戸惑いは消え
いつしか慣れてしまった
透明なパネルが人との間に置かれることに

パネルは心にも当然のように壁を置き
根が生えてしまったかのように
残像がいつまでも纏わりついた
パネルがなければ気が付かなかったはずの
心の機微や反射をえぐり出しては見せつけた
視界をぼやけさせたパネルは
心同志を遠ざけ話をする勇気さえ奪い
勘違いを蔓延らせた

あれから数年
一見元通り
パネルがないことが普通の日常が戻って来た
私たちは自由を取り戻せただろうか
心の壁はどこかに消えてくれただろうか

ああ
もしかしたら
透明パネルはもともとあったのかも知れない


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?